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ジャージーパンツは必要経費
ジャージーパンツやスウェットパンツは、はかないというのが長年の意地だった。楽ちんで動きやすく、はいたら離せない、のがわかっているから。家の中はもちろん、ちょっとした外出もそのままでということになるのは間違いない。うーん、メリハリがない。だから、意地をとおしてきた。
4月から小学校職員の仕事に行くようになって、気持ちが揺れた。先生たちはほとんどみんなジャージーパンツをはいている。いろんなデザインや柄があるし、先生の姿として「きまっている」。ひとりだけネクタイに背広、その下がジャージーとズック靴、そう、教頭先生だけはちょっとね。
4階建てのコの字型の校舎。高学年の教室は4階で低学年は2階の教室棟と1階に職員室のある棟、外廊下の先の体育館の間を1日に何回も往復。生徒の目線にあわせるとしゃがんで話したり、中腰の姿勢がしょっちゅう。これは、ジャージーパンツの出番だ。
禁を破って、ショッピングセンターのスポーツ店に出かけた。紺色、足首がキュッとしまって、サイドにタテのラインのはいったやつ、そう、昔学校ではいたトレパンのイメージ。足が長いスポーツ選手ならまだしも、トシヨリにはちょっと抵抗感があった。途中にユニクロ店があった。
ウルトラストレッチ ドライEX ジョガーパンツ
試着すると、軽いし、「ウルトラストレッチ」だし、薄いのでこれからの季節にはちょうどいい。スポーツ店まで行きつかなかった。
2,980円。帰って家人に請求すると、それは自分で買えという。小学校のバイト代はあなたの小遣いになる。「ジャージーパンツ」はその必要経費だから、わたしには関係ないと拒否された。家人への交際費の使い方が足りないようだ。