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「北」を意識する

「北」といっても、おとなり朝鮮半島の国ではありません。こちらの「北」もいろいろやっかいなことをしてくれるので「意識」はしますが、方位の「北」のことです。

見慣れた地図はメルカトル図法で描かれたのがほとんど。つまり、地図の上方向が「北」。それをくつがえしたのがクルマの「ナビ」でした。自分がすすむ方向が上、すっかりこれに慣れてしまいました。もちろん、「上が北」の地図に切替えはできますが、圧倒的に前者のほうがわかりやすい。

紙の地図でも、自分が行きたい方向を上に、地図を回しながら歩く人もいます。web地図は二本指で簡単に回転できますから便利ですよね。

このナビのせいか、地図を見たときに、「北」を意識しなくなってしまった。

朝、大手町から皇居のお堀に沿って歩いていると、二重橋方向に満月が見えた。つまりその方向が「西」?これにすごく違和感を感じたのです。

頭の中に大きな日本地図があって、東京から名古屋方面は「西」、だから東京駅から名古屋に向かって右側にある皇居、そちらは「北」だと思い込んでいたようです。だから、東京駅付近の地図を見ても、上が「北」だと意識してなかったのです。

同じように、東京ー名古屋ー新大阪は東から西へと線路がひかれている。だから、名古屋駅から右にある名古屋城は「北」だと思い込んでいた。実際は名古屋付近では線路は南北方向に走っている。だから、名古屋城に向かっては「東」なのです。

「北」を意識しなくなったのはナビのせいだ、元に戻さねば。クルマのナビ設定を上が「北」に変えた。とたんに、隣の家人からクレームがきた。

「右か左か、曲がる方向がわからない」

なるほど、すすむ方向が上のほうがよほどわかりやすい。「北」なんかどうでもよいのです。

なら、ナビを使わなければいいのか?そんな生活に戻れるのでしょうかね。