万願寺と福耳とうがらし、似て非なるもののはずだったが
万願寺とうがらしと同じような形と大きさ、「福耳」という名前にひかれて買った青唐でした。袋に7-8本はいって160円、それを2つ。ヘタのつけ根を落としてタテ半分に切り、白い扁平な小さいタネを除く。もう目と鼻に刺激が漂ってきた。
「辛いよ」と直売の農家さんが言っていた。万願寺は辛くないので少し物足りなく思っていたから、「平気です」と買って帰った。
煮びたしは、鍋に油を少し多めに入れ、適当な大きさに切った福耳と塩をひとつまみ入れて炒める。しんなりしたら出汁と酒、しょう油を入れて煮る。ちりめんじゃこを足してコクを出せば出来上がり。万願寺のレシピどおりのつもりでした。
包丁で切っただけでもカプサイシンの刺激、これはほんの序の口でした。油煙が上がる鍋に福耳を入れた瞬間、水分があるので油がはね、さらに多量の煙があがった。目、鼻の奥それに口まで。咳き込めば肺までカプサイシン。
煮汁を菜箸の先につけてなめてみた。味付けより辛みが勝っている。舌と口内がヒリヒリする。ひときれ味見した。十分すぎる「辛さ」がひろがり、「旨い」という前に冷蔵庫のビールに手が伸びてました。福耳の煮びたし、気に入りました。ビールに合うし、ご飯もすすむ。
家庭菜園に万願寺どうがらしを植えてます。福耳煮びたしを2回つづけたので収穫せず放っておいた。枝から鈴なりにぶら下がった万願寺、どうしてくれようかと思いながらも持ち帰り、ピーマンのかわりにと肉炒めした。家人が食べて目を剥いた。「辛い!」
福耳には少し届かないが、十二分にカプサイシン辛い。この前のは少しも辛くなかったのに。だから福耳にしたのに。なんで? 福耳好みを察知して辛みを出したのか?
ウチの菜園は狭いので、万願寺のとなりに伏見とうがらしを並べて植えてます。となりの伏見は「甘長」なんだけれど、今年のは万願寺風のしっかりした太いのができている。これは交配しているのかもしれません。当然万願寺のほうも相互交配してるでしょうね。この辛さ、さては先祖返りか、交配マジックか。
来年は、福耳と万願寺をならべて植えてみようと思います。交配ミステリーツアーですね。