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尾身さん、ちょっと違うんじゃないんでしょうか

「感染を下火にするなら人流を完全に絶つロックダウンをすればよいが、多くの人はそういう雰囲気になっていない」(毎日新聞)

新型コロナウイルス感染症対策分科会長、尾身さんの8月12日の会見、ちょっと違和感を覚えました。

冒頭の発言の後ろ部分が気になるのです。

尾身さんは総理大臣に対して感染症対策の意見を述べ、それを判断して対策するのが総理大臣を長とする行政府です。だから、尾身さんは躊躇することなく、コロナ制圧のための最善の対策と次善の策を述べればいいのではないでしょうか。

有識者会議は事故調査やリスク評価と同じです。利害関係とは独立して、第三者的、客観的であるべきでしょう。一方の対策する側は、調整も必要でしょうからその時の最善策をとればよい。それが政治家の仕事です。

ごっちゃになってませんか?

今日(8月13日)は東京は5773人、全国では初の2万人超えの感染者数でした。
「雰囲気」とか言っている場合じゃないでしょう。もっとストレートに、法を変えてでも最大限の対策を意見してください。

これまでの尾身さんのご活躍はよく存じています。ここが勝負どころ、よろしくお願いします。


<付録>
そもそも、「分科会」なるものは何なのでしょうか。調べると、なんともややこしい。内閣府が所管するもの、つまり、総理大臣が責任者の会議が下の①と④、その下に有識者会議②とその分科会③があり、尾身さんは②と③の会長をされている。

つまり、有識者、大学教授や医師、感染症の専門家や弁護士、知事まではいっている40名のグループで、仕事は、
・内閣総理大臣に対して意見を述べること(新型インフルエンザ等対策を実施するための体制に関する事項とその円滑推進のための意見)
となっています。分科会はその下位機関です。

さらに複雑なのは、厚労省管轄の専門家会議まである。

<内閣府管轄>(カッコ内は設置日)
①新型インフルエンザ等対策閣僚会議 (H23.9)
②新型インフルエンザ等対策有識者会議(H24.8)
③新型インフルエンザ等対策有識者会議新型コロナウイルス感染症対策分科会(R2.3)
④新型コロナウイルス感染症対策本部(R2.3)
<厚労省管轄>
⑤新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(R2.2-7廃止)
⑥新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(R2.7)