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まるで謎解き【戯書②】エモい苗字編

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前回、おもしろ万葉仮名の戯書の話をしました。

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今回は、万葉仮名の戯書的なエモい苗字のお話!


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万葉仮名の戯書おさらい


万葉仮名は原則的に、漢字の音を借りて日本語を表すシステム。漢字の意味は表す言葉と関係がありません。

やま(山)= 也麻
はる(春)= 波流

例えばこのようなことです。

奈良時代の日本人はこれでも飽き足らず、日本語をまるで謎解きのように様々な形で表現していくことを考えます。 

「二八十一」は、
「二(九×九)」で「にくく(憎く)」

「十六」は
「四×四」で「しし」

「二二」
「二×二」で「し」

「山上復有山ば」は、
「山」の字が上下に積み重なって「出」、つまり「出ば」

「馬声蜂音石花蜘蟵荒鹿」
「馬声」(馬の泣き声の擬音語)=「い」、「蜂音」(蜂の飛ぶ擬音語)=「ぶ」、「石花」(当時の貝の名前)=「せ」、「蜘蟵」=「蜘蛛」=「くも」、「荒鹿」=「荒(ある)鹿(か)」
⇒いぶせくもあるか(心が晴れないことよ)

「向南山」
山が南に向いている、つまり「北山」

など。
これって考えてみると、それぞれの漢字の日本語への翻訳は済んでいて、「山」という文字の意味は分かっていて尚、このように表現しているということ。

この頃、万葉仮名を扱っていた人たちの漢字愛と余裕がひしと感じられます。


万葉仮名の戯書的エモい苗字


ところで、万葉仮名の戯書。戯書から筆者がとっさに連想したのは、とある珍しい苗字たちのこと。万葉仮名の戯書由来ではないと思いますが、とんちを利かせたような読み方はまさに万葉仮名戯書的!

一(にのまえ)

にのまえ

2の前は1だから「にのまえ」。ほほう。ドラマ「SPEC」で神木隆之介さん演じる一十一(にのまえじゅういち)がインパクトあったなあ。

九(いちじく)

いちじく

一字の九だから「いちじく」。なるほどね。ちなみに、ちょっと違いますが、「白寿」の「白」は、「百」から「一」がないから「九十九」歳のお祝いのこと。

十(もぎき)

もぎき

これは難題すぎ!!そもそも漢数字の「十」ではありません。なんと「木」の両方の払いが取れたもの(ここでは漢数字「十」で代用していますが)。「木の」払いをもいだから、「もぎき」。「十」は2画目の縦を止めますが、もぎきさんの「十」はハネるのが正しいとか。

小鳥遊(たかなし)

たかなし

小鳥が遊ぶ=天敵である鷹がいない、から「たかなし」と読むようになったとか。字面もカッコイイな。

月見里(やまなし)

やまなし

月を見るには山がない方がよく見える、ということで「やまなし」。いかにも万葉仮名的!そのままの読みで「つきみさと」もあるらしい。

四月一日 (四月朔日)(わたぬき)

わたぬき

旧暦の4月1日に着物などの綿を抜くところからきている。朔日の朔は「月の始まり」の意味。

八月一日(八月朔日)(ほづみ)

ほづみ

旧暦の8月1日頃は稲穂を摘み(穂摘み)、神様に備える風習が語源と言われる。「ほづみ」のほかに「はっさく(八月朔日)」「やふみ」などの別の読み方もある。

五月七日(つゆり)

つゆり

音的にかわいい。アニメのキャラクターなどでも使われているよう。

十二月三十一日(ひづめ、ひなし)

ひづめ、ひなし

一年最後の日であり、日が詰んでいることから。苗字七文字とは!

※残念ながら、「五月七日」と「十二月三十一日」は、昔は存在していたかもしれないけれど実在していない苗字。他にも、「六月一日」「八月十五日」「八月三十一日」「十一月二十九日」「十二月一日」など、実在したりしなかったりするようですが、珍しい苗字で検索すると出てくるので、興味のあるからは調べてみてください!


これらの苗字は何だかエモい!感じがします。珍しいだけでなく、独特な雰囲気を醸すので、アニメのキャラクターなどに使われることも多いようです。

筆者は、戯書的なもの以外でも珍しい苗字や珍しい名前が大好き!ほんとに!もし珍しい苗字名前をご存じの方はぜひコメントください!


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