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花押(かおう)ってなあに?俺のサイン!

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今回のテーマは「花押」


「花押」は「かおう」
と読みます。
「花押」の漢字の字面からは「押し花かな?」、「かおう」の音からは「花王ですか?」という感じが漂ってきますが、「花押(かおう)」です。

▼花押
自署のかわりに書く記号。印判と区別して、書判(かきはん)ともいう。
印章と同様に文書に証拠力を与えるもので、個人の表徴として偽作を防ぐため、その作成には種々のくふうが凝らされた。

日本大百科全書

つまり、書く判子、自分のオリジナルサイン、です。花のように存在感のある美しい形をしたものが多いので、「花押」と呼ばれるようになったのだとか。

花押はこのようなもの↓↓

(出典:Wikipedia 日本の歴代内閣総理大臣の花押(初代~44代)


花押は、基本的には名前の漢字の草書体をもっとくずしたものをさらに改良してオリジナルデザインに仕立てます。


現代でも花押を使っている人たち


身の回りではあまり目にすることがないかもしれませんが、現代でも首相や閣僚(大臣)たちは各々の花押を持っています。(噂では大臣の花押は一点何百万円でデザイン発注されているとか・・・⁉)

首相官邸のホームページ内で、明治以降の歴代総理大臣の紹介ページにおいて各人の花押を見ることができます。

◎明治以降の歴代総理大臣
明治時代
大正時代
昭和20年代前半(戦前)
昭和20年代後半~40年代前半(戦中)
昭和40年代後半~60年代(戦後)
平成以降

※安倍首相のあと、菅総理、岸田総理が載っていないのは単に更新されていないだけかな。

現代に根付く花押の慣習


2020年に、河野太郎大臣がデジタル化を進める方策として大半の行政文書の押印を廃止したのは記憶に新しいところ。しかしこの花押文化は根強く生き残り、2023年の今でも閣議決定において、各大臣はその案件を承認した証拠として多くの場合において自分の花押を署名するのだとか。また書面のみでの持ち回り閣議案件(※)では、特にその承認の証拠として花押が必要となるようです。

▼持ち回り閣議案件
早急な処理を要する案件、あるいは閣議を開くまでもない案件について、閣議書を持ち回って各大臣の署名(花押)を求め、それによって閣議決定が行われることがある。これを「持ち回り閣議」という。

例えば、○○大臣の海外出張の承認等の案件とか。

首相官邸HPより一部抜粋)

実際の閣議書↓↓
国務大臣とは所謂各省庁の大臣のことですが、こちらは令和元年のものなので知った名前も多いのではないでしょうか。
ちなみに、菅原大臣や田中大臣は、単純に「菅」「田中」の文字を書いているだけでこれは花押とは呼べないものかと思います。

近藤正春内閣法制局長官任命の閣議書(令和元年9月11日付)

次の閣議書は令和4年のもの。このとき既に岸田内閣なので、岸田総理の花押も見られます。ちなみに筆者は内閣官房長官(松野博一氏)の花押がなんだか好み。

戸倉三郎最高裁判所長官任命の閣議書(令和4年5月20日付)


花押は発注できる


閣僚以外にも、特に会社の社長さんなどでオリジナルの花押を持ちたいという方は少なからずいるようです。日本花押協会などに依頼すると数万円~でプロが本格的な花押を作ってくれるようです。

しかし、花押は言うなればオリジナルサインなわけですから、自分で創作するのも面白いのではないでしょうか。というか、本来そういう性質のもののような気もします。

筆者は小学生くらいの頃、自分のサインをひらがな・カタカナ・ローマ字などを使って作っていた気がするなあ・・・。


現代では取り立てて使われているのは政治の世界のみかもしれません。ではこの花押、いつの時代にどのようにして生まれ、栄えてきたのでしょうか。

次回は花押の歴史を追ってみたいと思います。



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