かつ丼チェーン「かつや」の「つ」の点は何？
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言わずと知れたかつ丼・とんかつチェーン「かつや」！
海外にも手広く飲食店を持つアークランドサービスホールディングスの主力事業。
東京都新宿区には意外と1件（新宿南口店）のみ。
この話のYouTube動画はこちら↓↓
「かつや」の筆文字ロゴの「つ」
ところで。
「かつや」のロゴ。
「かつや」の「つ」の出だし、気になりませんか？？
「つ」の出だし、明らかに点がある。一般的な「つ」は一本の線で、点などないはず。
また、小さく「とんかつ」とありますが、こちらの「つ」はふつうの「つ」。
これ、気になっている人はどのくらいいるんだろう。
でも気にしていなかった人も、確かにそう言われて見れば！という感じはありますよね^^
「つ」の字母は「川」！！！
この「つ」の点、単純に力込めて書いたというわけではおそらくありません。れっきとした字母に基づいた書き方なのです。
▼字母（じぼ）
ひらがなは元々漢字が派生してできたもの。ひらがなの元となった漢字を、字の母「字母（じぼ）」と言う。「字源（じげん）」という言い方も。
(例)「あ」の字母は「安」、「い」の字母は「以」、「う」の字母は「宇」
「つ」の字母は「川」。でもなぜ「つ」が「川」？？
ひらがなの字母は、基本的にその漢字の音読みからきています。
「川」の音読みは「せん」、中国では「ツェン」（古音ｔʃ‘iuen）のような発音をすることから、「つ」の字母は「川」になったと言われています。（レファレンス共同データベース）
でも、字母が「川」だとして、なぜ「つ」の出だしに点が来るのか、まだ判然としないのでは・・・？
筆文字でデザインするとき
書道をやっていると、ひらがなの字母について学びます。字母の漢字を知っている方が多様な表現につながるからです。
一画のみの「つ」では何だかメリハリがつかない・・そうだ！字母「川」からくずしていく過程の点を出だしに残そう！
「かつや」のロゴをどなたが書いたのかは分かりませんが（知っている方がいらしたら教えてください！）、きっと書道をやっていて、「つ」の字母が「川」であることを知っていたのでしょう。
字母から考えると出だしを一画として切り離しても良い！そんなことから「つ」に点を付けたのだろうと思います。
そしてこの点は「かつや」のロゴにアクセントとインパクトを与えたことでしょう。
「つ」の点あり看板は他にもある！
本記事「かつや」の「つ」の話を書こうと思っていた矢先、羽田空港に訪れて偶然見つけてしまいました！
「つ」の一画目、明確に離れています。「川」の字を意識している！
「つ」の出だしの点の前にも小さな点がありますが、これは書き始めに筆を置いたときに飛んだ墨の飛沫でしょう。そこまで含めてロゴであり作品と言えます。
書道家の中では、このような書き方は一般的と言って良いでしょう。
いつも同じではつまらない・・・！そんなときは字母にまで考えを拡げてそのデザインの幅を求めるのです。
点あり「つ」、きっと注意深く見渡していると身の回りに見つけることができると思います。そんなとき、「これは字母が川だから・・・クックッ」とほくそ笑むことができたのなら、この記事は大成功です。
ちょっとしたことを知っているだけで街歩きも楽しくなりますね。
ぜひ、点あり「つ」、見つけたら写真撮ってコメント欄に送ってください！
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