#217『雨の日も、晴れ男』水野敬也

 ガネーシャの水野敬也さん。本書もいつもの水野さん流で、「より良い心の持ち方」を物語調で語っている。しかしかなりの駆け足、舞台設定や小ネタの恣意性、何より著者のデザイン通りに書かれたに違いない、という印象から、3分クッキングの観が否めない。つまり、言わんとしていることはだいたい正しいだろうし同意も出来るし、可能な範囲では自分も取り入れたいものだとは思うものの、読書体験の媒体物としての魅力は著しく弱い。
 「人生の学びを、楽しく」ということが水野さんの基本姿勢だと理解している。本書は「楽しいが、学びは大して残らない」という点で、失敗作だと言えるだろう。

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