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振り返ればクリスマス|ショートショートnote杯表彰式&ゲーム大会中に作った作品+こぼれ話

はじめに

 こんにちは、吉村うにうにです。12月21日にショートショートnote杯の表彰式とゲーム大会(一試合)が開かれました。その時に作った作品を多少改稿して(七枚の例のカードを提示され、一分でお題を考え、五分で作成したので、私が書くと誤字脱字だらけでしたので)お出しします。その後で、表彰式の雰囲気と私がそこで話した内容を多少かいつまんで披露します。ただ、クローズの会で録音録画禁止でしたので、その意図を鑑みて、ほぼ自分の話と、自分が受けた他の受賞者の印象に止め、他の参加者の細かい話は控えさせていただきます。

ゲームで私が作ったショートショート(改稿済み)

  『振り返るとクリスマス』
 バシッ。
 いきなり彼女に殴られた僕は、びっくりして彼女を見た。
「大嫌い」
  失恋した僕は、背後にジングルベルの歌を聞いていた。
雪の中、街をトボトボと歩いて行く。後ろから
「クリスマスケーキいかがですか」
 振り返るとサンタ姿の女の子の呼び込み。赤い服に赤いだぶだぶのズボン。それを無視して歩き続ける。
 さらに歩き、駅に到着すると後ろから同じサンタ。ズボンからミニスカートに変わっている。
「クリスマスケーキいかがですか」
 僕は断り、さらに歩く。
 家の玄関の前で鍵を探していると人の気配。振り返ると、同じサンタ。今度は上の赤い衣装のボタンを緩めている、中から見える鎖骨。
「いい加減にしてくれ」
「フラれたんでしょ? 一緒にケーキ食べてあげようと思って」
 僕は失恋を癒そうという気分になってきた。彼女の提案に乗りかける。
「家には妻がいるから、どこか外で食べましょう」
 彼女はケーキを押しつけて、立ち去った。
                         (了)

提出したショートショートより田丸先生にウケていた(苦笑いされた?)実話

 実は、全提出者の中で私が一番早かったらしいです(エッヘン)、と言いたいところですが、他の参加者は余った時間で二編作成したり、文字数をゆったりと数えていたりしており、バタバタの誤字脱字だらけで出したのは私だけでした。しかも短時間でアイデアが浮かばず、昔あった実話をベースにしただけです。なぜかこっちの方を田丸先生は笑っておられる様に見えたので、紹介します。

   『新宿の恋愛依存少女(仮題)』
 数年前、新宿駅でランチを食べるカフェを探してそぞろ歩きをしていた時のこと。可憐ではかなげな二十代と思われる女性が、
「すみませーん。今住みたい街アンケートを取っていましてお時間ありますか?」
 私は、その子を怪しいと思いました。街中でアンケートを取るのに、何らかの身分を現わすカードを首から下げておらず、メモを取るためのペンやバインダーを持たず、さらには完全に私服なのです。ここで、二つの可能性を考えました。
①逆ナンパ。ついに俺にもモテ期が来たか(当時四十代前半。決してイケメンではない。モテたのは三歳まで)
②恋愛を匂わせたデート商法で、喫茶店などに連れ込み、高額宝石などを売りつける。
 ②の可能性が高いと感じました。私は、小説を書くようになってから、何か事件が起きそうな予感がすると逃げずに立ち向かい、ネタにしようと心がけていました。何かを売りつけてくるなら上等。これを糧に傑作を書いてやる。私はそのアンケートに乗ることにしました。
「はい、協力させて頂きます」
 すると、彼女は体を私に密着させるように私の横に立ち、下から上目遣いで見つめてくるではありませんか。罠だと思っても、頬は緩みます。
 ですが、私は一つの大きなミスを犯します。私って、咄嗟の嘘が苦手なんですよ。よくそんなんで小説書けるなといわれそうですが。第一問で私の潜入捜査(もしくは恋?)は終わりました。
「現在お一人暮らしですか?」
「いえ、妻と猫がいます」
「すみません。このアンケート、独身男性限定なんですよ。ごめんなさい」
 足早に彼女は、新宿駅のニューマンビルの中に消えていきました。
                              (了)

 すみません、オチがなくて。ただ、彼女の目的が何であったのか知る前に終わってしまったんです。あの時、「独身で、一人暮らしです」と言えていれば……。何かドラマチックな事に巻き込まれたりして小説のネタにできたのですが。今書いていて思いだしましたが、新宿ニューマンというビルができて間もない頃ですから、恐らく五年前の話ですね。

 もし、当時の彼女の意図として「こんな(詐欺などの)可能性があったんじゃない?」というのが思い浮かぶ方はコメントを下さると嬉しいです。もちろん、他のコメントも大歓迎です。

表彰式とゲーム大会の雰囲気

 始まる前、正直怖かったです。画像に見える受賞者の皆さんは「猛者」にしか見えない。
「この人達、ペンで殺し合いでもしてきたのか?」
 というくらい、迫力ある方が多かったです。経歴も、ショートショートガーデンを長年経験されている方や小説ではないが文章のプロフェッショナルの方が多かった印象です。クローズドなので、誰がどんな経歴かという詳細は省かせて頂きますが、私、完全に場違いでした(でも、ヤケになってめっちゃ喋りました)。
 例えると、
「猫じゃらしと段ボールが好きな動物の集まりと聞いて行ってみたら、トラやライオン、ジャガーや豹が爪を研いでいる中、紛れ込んだペルシャ猫の気分(可愛く例えときます)」でした。
 でも、ビビっていましたが、実際は謙遜されている方が多くて、私の方が偉そうに喋っていたかもしれません(一生に一度あるかないかの場だと思って喋り残さないようにしました)。私が話した内容は、先日出した下の記事とほぼ変わりません。

その記事に多少補足した程度です。ショートショートnote杯に参加したきっかけを要約すると、
①以前、田丸先生の講座に顔を出したことがある。
②ショートショートは、(たまに)応募しては惨敗
③ショートショートnote杯は、受賞者数が多いから自分でも取れそうと舐めていた。
④応募者数多すぎて、諦めかけた。
⑤田丸先生が以前おっしゃった「楽しむことが大切」という言葉を糧に頑張ってみた。
⑥自分より優秀な方が多い中運よく賞を頂いたが、光栄に思っております。

 こんな感じだったと思います。

最後に

 こんなに緊張する場は滅多になく、いい経験になりました。新しい仕事を受注する面接よりもはるかに緊張しています(今日がそうだったのですが、ZOOMの接続に先方様が手間取ってましたので、合間に読書してました)。ゲームは私なりに脳をフル回転させたので疲れましたが、終わってみると楽しかったし、他の参加者の素晴らしい作品に触れられて刺激になりました。私も、同じネコ科でもペルシャ猫(体重2キロほど)からサイベリアン(体重10キロほど)くらい迫力のある猫を目指して今後も執筆をしていきたいと思います。読んで下さりありがとうございました。






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