数検1級体験記(その2)
はじめに
こんにちは、おじゃめしです。前回の記事の公開からかなり時間がたってしまいましたね。ごめんなさい。前回の記事では数検の概略を主観交じりにお伝えしましたが、今回は自分がやった具体的な勉強の仕方についてお伝えしていけたらいいなぁと思っています。あてになるかはわかりませんが(←あのですね…)最後まで目を通していただけると嬉しいです。
おべんつよ(線形代数編)
線形代数ですが、「行列の演算」「行列式計算」「対角化の計算」「表現行列の計算」あたりがわかっていれば大丈夫な気がします。これらは大体、大学でやった記憶があったので特にこれといって対策した覚えはありません。ただ、これで終わってしまうと本当に「あてにならない」記事になってしまうので、とりあえず自分が初学の時にやったことをまとめておきます。
ヨビノリさんの動画視聴
ゼロから線形代数を始める際にオススメです。対角化まで網羅している上、とにかくわかりやすいし、かといって証明とかについても触れてくれるしで、あっという間に全部見てしまいました。「線形やってみたいけど、まず何すればいいんだろう」という方はとりあえずチェックしてみましょう!
「線形代数入門」(齊藤正彦著)
大学入学時に「線形代数やりてぇ〜(ポチポチ)、 ㍂この本有名なんやな」と思って買ったやつです。明らかに初学者向きではないですが、「これが…だいがくのべんきょう…ワクワク!(某ーニャ並感)」というモチベを基にしてなんとかある程度は読み進められました(分からないところや演習問題はかなり飛ばしてますが…)。ただ、今思えば知識ゼロの状態で手当たり次第有名な本に噛み付いてみるのは意外と楽しかったりしますし、少々線形を習ってから戻ってくるとまた新たな発見を得られたりするので、持っておいて損はないかなぁと思います。
おべんつよ(微積編)
こちらも、大学の教科書が作り込まれており、0から学んでいた時はこれで事足りました。ただ、自分は微積や解析学に苦手意識があったので、それをある程度克服するために以下のようなコンテンツを使っていました。
「解析入門」(田島一郎著)
教養の微積で壊滅的な成績がついてしまい、「このままじゃヤバい!」と思って友達に相談したところ、お薦めしてもらいました。定理の証明はもちろんのこと、その定理のお気持ちについても柔らかな文体で説明されています。演習問題も割と載っているので、0から学ぶ際は是非これを読んでみてはいかがでしょうか。ちなみに、余裕があったら杉浦解析も読みたいのですが、時間がないのと「なかなかに難しい」という評判にビビり散らかして何もできていません。
「チャート式シリーズ 大学教養 微分積分」(加藤文元監修 数研出版編集部編著)
青チャの大学教養版です。問題を解きつつ理解を深めていきたいと思ったので購入しました。当然、問題数は充実しており解説も(いくつか誤植はあったものの)しっかりしていたので良いなぁというお気持ちです(語彙力)。また、後述するように、基本的な微分方程式については演習題が載っているのもポイントです。ただ、この問題集は数研出版さんから出ている「微分積分」の教科書とリンクしているのですが、逆に言えば、この教科書が無いと参照できるサイトやら本やらを追い求める手間が増えるという事態がおきます。青チャに付随してこの教科書もセットで購入しておいた方が、参照先に困らないという点では良かったのかもしれませんね。
ヨビノリさん視聴
実は教養の授業では微分方程式について全く触れていませんでしたが、数検1級では微分方程式が頻出なので、その隔たりを埋めるために一通りヨビノリさんの動画を見ました。言わずもがな、式展開が丁寧で非の打ち所がないです。特に数検でたまにでる「ロンスキアンを用いた微分方程式の解法」についても動画で解説されており、これまた淀みなく議論が進められているので、これをもとにして習得しておくのが良いと思います。
(余談ですが、試験直前まで「ロンスキアンの微分方程式なんてほぼでぇへんやろw」と楽観的に考えていましたが、本番でちゃんと出て肝が冷えた経験をしたので、しっかりやっておくことをおすすめします…)
おべんつよ(確率統計編)
高校数学での統計の印象から「え…何かつまんなさそう…」と思ってる方も多いかもしれませんが、検定の仕組みについて深入りしていくとかなり楽しいです(まぁ式変形が楽しいと思ってる節もありますし、僕自身深く統計を学べているわけではありませんが…)。また、数検1級に限った話をすれば、基本的な検定の方法や確率関数の扱い方について聞かれるだけなので、比較的点をとりやすいところでもあります。「統計の範囲がでたらその部分の点数はもらった!」といえるほどにモノにしておきたいところです!(フラグ)
ヨビノリさん視聴
何回目ですかねこれ。ヨビノリさん、コンテンツ充実させすぎですよホント。ぼくも早く複素関数と群論の動画を追いたいです(聞いてない)。言わずもがな、良いです。
統計的データ解析の基本 (ライブラリデータの収集と解析への招待 1) (山田秀, 松浦峻 著)
学校で使っていた教科書ですが、0から統計を知りたい時におすすめです。平均や不偏分散などの話から入り、検定についてもデータ例を用いながら解説してくれています。また、「どうしてそんな分布が出てくるの?」「この分布ってどういう式の形なの?」みたいな疑問に対しても説明を加えてくださっているのが嬉しいです。数検1級を受ける場合であれば、この本の半分を網羅できていればなんとかなります。
おべんつよ(数検対策編)
さて、ここまでつらつら各分野の勉強について自分がやってきたことを書いたわけですが、やはり数検1級を受けるのでそれ用の勉強も一応しました。ここではそれについても触れておきます。
完全ガイド! 数学検定1級 出題パターン徹底研究(中村力 著, 公益財団法人 日本数学検定協会 監修)
1級1次、2次の過去問の中から厳選された問題が難易度順に載っています。数検1級の典型問題が充実しているのでおすすめです。また、問題の解説もさることながら、問題を解くための着眼点や問題の背景にある知識についても説明がなされており、一周しただけでも得られるものは大きいです。ぼくは一通り全部の問題を解いたあと、思い出した時に間違えた問題をちょこちょこかいつまんでいました。あと、確率統計や微分方程式といった絶対落としたくなかった問題については直前に再び解きました。
数学検定(数検) 1級 1次 解答保管庫
1級1次の過去問および解説がまとめられているサイトです。公式解答では最終的な答えしか載っていないので、解説が加えられているのは嬉しいですね。とりあえず量をときたかったので、とりあえずたくさん解きました(語彙力)。解くときはなるべく短時間で解ききることを意識していました。
https://amateurmath.web.fc2.com/
実用数学技能検定1級「完全解説問題集」発見―数学検定(公益財団法人 日本数学検定協会 著)
試験1ヵ月を切り「2次試験の問題をほとんどやってないの、ヤバくない!?!?」と思ったので慌てて買いました。本番さながらで過去問より少し難しめの問題セット(おそらく過去問とは異なる)を7回分収録しています(なお、自分は3回分しか解かなかった模様)。正直、予定外の出費で本当に買うべきなのか微妙だったのですが、この問題集で間違えたところが実際の試験で見事に出たので、買って良かったと信じたいです。
試験本番
さて、2次の対策が全然できていないまま試験本番がやってきました。まぁ、やるだけやってなんとかなればいいし、なんとかならなかったらまたチャレンジすればええかぁみたいなノリでやりました。
なんとかなりました。2次で統計の計算をミスり(フラグ回収)もう1つの選択問題も完答できずやべぇとか思ってたのですが、うまいこと点がもらえてよかったです。問題との相性が割とよくて救われた部分もあります。
おわりに
というわけで、数検1級に関してやったことをゆるゆる書いてきたのですが、いかがでしたでしょうか。数検1級を目指す方はもちろん「大学数学の勉強もやってみたいけどまず何すればいいんだろう」みたいな方を想定して書いたつもりです。少しでも参考になるようなことがあったら嬉しいです。
さて、今後の予定ですが、数検1級をリピートするよりは他の資格に手を出していきたいなぁと思っています。統計検定1級と漢検1級取りてぇですね。勉強します。
ではでは。