ぼくの伯父さん

そのへんをどう思ってるか
もうすぐ帰って帰ってくるって
伯父さんが言って
その伯父さんが海坊主になって帰ってくるので
世界中の甥であるのか
じっさい誰かの甥なのだという

そのへんをどう思ってるのかだが
じっさい誰かの甥なのだが
もう人間にはもどれないけれど
じっさい誰かの甥だという

海の水と砂に育てられて
伯父さんがいるのか
まだぼくがいるのか
運がよければ
伯父さんが海坊主になったので
沈んだ船にとじこめられていた船乗りも
海坊主になる

ぼくの生まれる前から
坊主になって
十年と十日のあいだ
海の底にいた伯父さんがのろり

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