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結婚とは一緒に未来を信じること

俺が25歳の時に同い年の友人が結婚した。

仲良くしている友人の中で一番乗りだった。

突然ファミレスに呼ばれて行ってみたら彼の隣に知らない女の人がいて「???」となっている俺に「この人と結婚します」とちょっと緊張した感じで彼は言った。

その言葉を聞いて俺は物凄くHighになった。テンションが上がり過ぎて泣きそうになるという謎の感情。嬉し過ぎて狂ったように回転する犬猫の気持ちがわかるもん。本当に嬉しかった。嬉しかった反面少し寂しかった。

結婚式当日の早朝の空はグレーだった。小雨が降っていて肌寒い。晴れてくれたらいいな、と思っていたら本当に晴れた。式が始まる頃には小雨がまるで幻だったみたいに上品なティファニーブルーの青空がどこまでもどこまでも広がっていた。

結婚式でみた彼は今までとは一味もふた味も違う雰囲気だった。白いタキシードがとても似合っていて「人はこんなにも朗らかな笑顔を浮かべることができるのか」と見入ってしまうくらい穏やかで幸せに満ちた笑顔だった。

そこで俺は初めて自分の結婚に関して考えるようになった。

実はずっと結婚に対していい印象を持っていなかった。

俺が小学校低学年くらいからしばらく両親の仲が最悪だったからだ。だから「結婚してこうなるのなら俺は一生独身でいいや」と結構早い段階で思っていた。初めてセックスという行為を知った時に尚更したくなくなった。

「自分の小さいチンチンを女性の眼前に晒すなんて恥ずかしさで自然発火して死ぬ」

そう思っていたくせに高3で初めて彼女ができた時には「結婚しようね」と頻繁にメールし合ってとろけていたから笑える(この人とはプラトニックな関係)。もっともここでの「結婚しようね」は好きの最上位で使っていただけで本気で結婚を考えていたわけではない。2ミリくらいは考えたけど。

こんな感じで捻くれまくった結婚観の俺だったのに結婚式の彼と奥さんの笑顔を見た瞬間に嘘みたいに矯正された。

2人とも未来の幸せを信じている顔をしていた。そこに不安の色は一切ない。ブレずにただ目の前にある幸せを2人で信じてそこに向かって進んでいるようにみえた。それが羨ましかった。

俺は怖かったのだと思う。不安だったのだと思う。「結婚=幸せ」と考えることが。でも、彼らをみていたら怖かろうが不安だろうが2人でなら乗り越えられる、乗り切ってみせるという姿勢を感じた。そこに打たれたのだと思う。

そして30歳になった今、ようやく結婚を考えられる相手のいる生活をしている。

結婚って当たり前だけど愛だけじゃ成立しなくて金だって必要だ。ふんわりふわふわしたものではなくてもっと現実的なやつだ。でも金よりももっと大切なことは「一緒に未来を信じられるか」だと思う。

そう考えると結婚って尊いのに生活感がモリモリなことだよね。

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