拉致されてみた
東大ヒッチハイクサークルの設立者から誘いを受け、宇都宮大学のヒッチレースなるものに参加してきた。
車で僻地に飛ばされて、頑張ってそこから無一文で帰ってくるというアホな企画だった。
ここで絶対に守らなければいけないルールは2つ、
・地図アプリを使用してはいけない
・お金を使ってはいけない(ただしレース中に稼いだ金は使ってもよい)
他の参加者に作戦を聞いてみたところ、
普通にヒッチハイクをするほか、降ろされた場所でバイトをしたり、乞食をしたりして電車賃を稼いで帰ってくるなどというものがあった。このレースには無限の戦い方があるのかもしれない。
レースなので一応その時間を競うことにはなっているが、そもそもその日のうちに生還してくることが難しいので、あまり競技性の高いイベントではなかった。
↑私はこのとき一緒にヒッチハイクした友人と、2人でペア出場することになった。
10:30
宇都宮大学陽東キャンパスを出発。自前のアイマスクでさっそく目隠しした。
13:00
映画が一本見れるくらいの時間が経ち、不意に車が止まった。
ここで目隠しをしたまま降ろされる。
正面には海が、背後には広大な田んぼが広がっていた。
人がいる気配はほぼなかったが、
かろうじて釣り人が2人いるのを見つけ、
「すみません、ここどこですか?」
と聞いた。びっくりされてしまった。
どうやら海ではなく、霞ヶ浦(琵琶湖の次に大きい湖)だったらしい。
この企画の趣旨を説明したら、半ば呆れながらも「車通りが多そうなところまで連れて行ってあげる」と言ってくれた。
13:30
なんかすごい綺麗なアウトレットにきてしまった。畑と湖しかない場所からいきなりハイソサエティな空間に飛んだので、めちゃくちゃ緊張した。
14:30
「あそこの十字路でヒッチハイクするといいよ」と交通整理のおじさんが教えてくれた場所でヒッチハイクを開始した。
この日の気温は30℃近く、炎天下で立っているとふらついてきた。頑張って1時間近く待っていると、夫婦らしき2人組が目の前で車を止めてくれた。
15:30
高速に乗り、友部パーキングエリアまで連れて行ってもらった。なんと、そこの屋台でフランクフルトまで奢ってもらってしまった。
17:30
ここまではかなりスムーズにやってこれたものの、なぜかここで2時間以上待ちぼうけするはめになってしまった。
そんな我々を見かねてか、「このサービスエリアは下りで、ここを通る人は福島とかにしか行かないから、上りの方(反対車線側にあるサービスエリア)に行った方がいいと思うよ」と教えてくれた方がいた。
ずっと無意味なことをしていたのかと思うと、肩の力が抜けてしまった。
しかし、ここで突然後ろから全身ピンクのおじさんが現れ、「乗せてってあげるよ」と声をかけてくれた。
メルヘンすぎて一見怪しいおじさんかなとも思ったのだが、なんと猟師の方で、熊に出会ったときの対処法などを教えてくれた。今回のヒッチレースでは熊よけの鈴が必須持ち物リストに入っていたのだが、始まる前にこれを聞きたかったと思った。
18:28
ゴール!
正直ヒッチハイクはもういいかなと思っていたところだったのだが、「知らない場所に拉致される」今回の企画はとてもわくわくして面白かった。機会さえあれば東京でもこういうイベントを企画したいなと思う。
↓今後また面白い企画があると思うので、よかったらチェックしてみてください。ぜひどこかでお会いしましょう。
おまけ
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