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東京から新潟までヒッチハイクしてみた

祖父母に会うために新潟に行くことになり、それに際して母から交通費をもらったのだが、気づいたら家賃に溶かしてしまっていたので、それではスケッチブックを片手に便乗の旅に出ようと思い立った。

当時はちょっと精神が不安定になりがちだったので、ショック療法としての目的もあった。人間のあたたかさに生で触れるヒッチハイクはある意味最適解だと思っている。

計画としては関越自動車道を直進し、大泉→三芳→上里→赤城高原→越後湯沢といった感じで主要SAを継いでいこうということになった。

最悪2日あれば歩いて行ける距離
以前乗せてもらったドライバーさんがアドバイスをくれた。



7:15
大泉学園駅に到着

7:30
大泉ICの手前のファミマに到着

掲げるスケッチブックには、
とりあえず三芳と書いておくことにした。


ところで同じヒッチハイクをやるにしても、SA(サービスエリア)あるいはPA(パーキングエリア)でやるのと、
IC(インターチェンジ)でやるのとは訳が違う。後者の方が格段に難しい。

SAでは売店やトイレの前で車から降りた生身のドライバーをダイレクトアタックすることができるのだが、ICではドライバーに話しかけることが難しく、ひたすら目線を送ってアピールするほかないのだ。それに一方通行のICではドライバー側に考える時間を与えることができないので、99.95%の車には脈なしのまま振られることになる。ヒッチハイカーを見かけて2秒で拾おうと思える瞬発力の高い奇特な人にしか期待できないからだ。それでもできるだけ、ドライバーに戦線離脱される前にいち早くアピールをする必要がある。一周してからまた戻ってきてくれる場合もある。

平均所要時間は30分だと2ちゃんねるに書いてあったので、とりあえず1時間は粘るぞとふるい立つ。

8:10
拾ってもらえる兆しもないまま40分が経過した。2ちゃんねるの情報なんか信用できないということが判明した。

しかしそのときふと、通りかかったおじいちゃんドライバーと目が合った。なんか手招きしてくれている!彼はすぐ脇に止めてくれて、私を乗せてくれた。

彼らは素敵な老夫婦だった。軽トラに乗って日帰りの温泉旅行に行くのだそう。月一で温泉に行くのが楽しみで、今日は富岡の温泉に赴くらしい。

かつては古本屋さんをやっていたらしく、閉店時には映画が制作されるほどの人気店だったそうで、なんとその映画は韓国でも上映されているとのことだった。
↓  

ちなみに今はオンライン店舗を経営されているらしい。渋滞に巻き込まれることを「団子になる」と言ってらっしゃってて可愛かった。

三芳までの予定だったのに、ついには上里にまで連れていってもらってしまった。「渋滞の時間が楽しくなって良かったよ」と言ってもらえた。あと名刺までもらって、「3時にはどうせまた戻ってくるからなんかあったら連絡してね」と声をかけてくださった。この心強さはヒッチハイカーにとってとても言い表せるものではなかった。本当にありがとうございました。

10:10 上里SAに到着

今まで降り立ったどのSAよりも混んでいて逆に戸惑った。もし過疎っていたら手当たり次第に話しかけていくのだが、とりあえず様子見しようと思った。トイレの前でパンをむしりながらボードを掲げること5分。(新潟方面、と書いておいた。

「乗ります?」
パンも食べ終わらないうちに、グラサンのいかついお兄さんが声をかけてくれた。

彼らは男2、女1のイケイケ3人組だった。クラブ友達か何かかと思ったが、
どうやら親戚らしい。ロックな家系だな。十日町にまで行くらしく、「越後湯沢その手前だからそこまで行くよ」と言ってもらえた。


10:15  上里出発
わいわい楽しい道のりだった。バイトの面接に4連で落ちている社会不適合な私のために、向いてそうなバイトをいろいろ考えてもらった。

特殊清掃員、ディズニーの夜警、採掘、等々。この世にはそんなバイトがあるんだな。全部やってみたい。

11:30 越後湯沢駅ロータリー

あれ?着いてしまった。
今回楽勝だったな。

幸運にも素敵な方々に出会えたおかげで、道中をめちゃくちゃ楽しく過ごすことができました。

これからも精進していこうと思います。

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