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ケープタウンで初めての〇〇!?

そろそろ一番したかったことをしよう。
ケープタウンに来て一番したかったことそれは、山登り!!!
山登りはせいぜい高校の修学旅行で行った島根の赤壁ぐらいだ。(200mほど)
"テーブルマウンテン"とはその名の通り、頂上がテーブルみたいに平でまるで『進撃の巨人』の壁みたいに街に存在している。

同じ学校のMは一度登ったことがあるらしいので話には聞いていたが、往復で4〜6時間ほどかかるらしい。(頂上まではケーブルカーもある)

今回はテーブルマウンテンの東側、国立植物園「カーステンボッシュ」からのルートで行くことになった。ここは2014年に世界遺産登録された自然保護区の一部。広大な土地に1000種を超える植物を見ることができる。
※入場料220R(約1650円ほど)

全てが巨大!ジュラシックパークはここにあった。
左上の雲に覆われた部分がテーブルマウンテン。

いよいよ登山当日!しかし天気は!?

僕とMは朝11時にカーステンボッシュ植物園に向かった。市内からはウーバーで15分ほど。
Mは日本で富士山や屋久島など登山経験があり、食料や服装のアドバイスを貰っていた。

僕は手作りのサンドイッチ二つと水1Lだけ持っていき、長ズボンとパーカーを着ていった。
往復で4〜6時間かかるが、帰りはケーブルウェイを利用する予定なので合計3時間ほどの道のり。

その日は曇りで、テーブルマウンテンの上は雲で覆われて何も見えない。
『とりあえず行けるとこまで行くかー』
Mと僕はそんなノリで登って行った。
この時までは完全に自然を舐めていたことに気づかなかった…

植物園を奥に進んでいくと様々な植物があった。ほとんど日本では見たことのない植物がそこら中にある。
僕は登山というより未開の地を冒険している気分になった。

アフリカの約20%の植物がこの自然保護区にはある。
ここだけでも十分楽しめます👍

上にいくと雲の切れ目が少しずつ近づいてきた。
すれ違う人はどんどん減っていった。さすがにこんな天気で上まで登る人はいないのだろう。

おおよそ1時間は登っただろうか。
目の前に登山用のマップが見えてきた。
現在地から一番高いところまでは2時間と書かれており、頂上のロープウェイ乗り場までは3時間だったので、僕達は一旦最高地点を目指して歩いていくことにした。(意外と時間かかるんやな🥹)

No.3を経由してNo.1まで向かうルートをとった

ラフテルはここにあった!!

そのまま狭く急な道を歩いていると、ついにその姿が現れた。
荒々しい灰色の岩が高く壁のように佇んでいる。
(テーブルマウンテンや…)

大きな岩肌が僕達を囲み、上は霧で全く見えない。
そう、それはまるでONE PIECEのラフテルだ。
見たことのない景色に僕は呆然と立ち尽くした。

ルフィ達より先にラフテルを発見した。
この崖が頂上までずっと続いている。

さらに進んでいくと、数メートル先も見えない状態になってきた。こうなると方向感覚もおかしくなってくる。

とりあえず道なき道を歩き、小鳥がさえずり舞う不思議な場所に来た。
辺りは岩に囲まれ空気が薄く、まるで異界の墓地にいる気分だ。
(ん?これ迷ってない?)
マップのあった場所から30分は歩いていたので、僕は少し焦ってMに聞いてみた。

『多分大丈夫やけどー。んー、どうやろ』
なんとも歯がゆい答えだ。
一旦戻る?どーする?
これはまだ高山病ではないと信じたいが初めて登山をする僕は相当焦っていた。

『よし、戻るか!』
Mのありがたい一言。
僕らは元の道を戻っていった。

すると2時間ぶりに登山者に会った。
彼は見た目が60歳ほどの元気なおじさんで、詳しく道を教えてくれた。
『もしケーブルウェイまで行くなら"yellow foot stamp"を辿っていくといい。道に迷わないために黄色いスタンプが所々にあるから。』
貴重な情報をくれたおじさんは神様に見えた。
ただ同時によくないニュースもくれた。

『ただ今日はこの天気だ。おそらくケーブルウェイは運行してないよ』
(…え!?まじか!?これ頂上ついても徒歩で下山しなあかんやつやん!)
僕達は覚悟を決めて歩みを進めた。

そこから霧で覆われた白銀の世界をひたすら歩いていく。
(登山おもしれーー!!)
僕は少しハイになっていた。

道中には小さな池があり、おたまじゃくしや蛙がいた。こんなすごい環境にも生き物はいる。

そんなことを思いつつ歩き始めて約2時間。ついに最高地点が見えてきた。
そこはまともに立ってられないほどの強風が吹き荒れ、ポツンと台のようなものが置かれていた。ただ天気が悪く周りは何も見えない。
(まぁ、一応写真でも撮るか?)

僕達はひたすらテーブルの上を歩いていった。

標高1036m地点。
霧がなければ絶景が広がっていたはず!
だがこれでいい!!!

訪れる、自然の厳しさそして美しさ

テーブルの上は天気が良ければ街を一望しながら歩けただろうが、雲で覆われた神秘的な光景も悪くはなかった。
植物がたくさん生えていたり、竜の形をした岩もあったり、まるで天国にいるかのような気分になった。
『この凄さは来ないと伝わらんなー!!!』とMはだいぶテンションが上がっていた。
僕たちは途中で見つけた"yellow foot stamp"を頼りに歩みを進めていく。

まるで黄泉の国にでも来たのか。
ここの景色を超えるものは中々見れない。
おそらく7つの球を集めると復活しそうな石。

1時間ほど歩き、時間は午後4時を迎えようとしていた。
ケーブルウェイはもうそろそろだ。
が、その時変わった匂いがしてきた。
(ん、なんか焦げ臭いな)
目の前には渓谷があり、全ての植物が焦げ真っ黒になっていた。
(えーー!!!なんやここ山火事でもあったんか、こんな上で?)
先ほどの景色とガラッと変わり、そこはまるで地獄にでもきたかのような恐ろしくも美しい光景だった。
どうやら電線が焦げておりそれが原因で火事があったようだ。

僕らはその光景を後に、ついに目的地であるケーブルウェイ乗り場まで来た。
そこは雲の流れの切れ目で毎秒ごとに景色が変わる。
雲が無くなった瞬間、ケープタウンの街が真下に現れた。とても綺麗で、やっと登ってきたのだと達成感が生まれた。
人生初めての登頂に僕は感動した。

頂上手前のエリア。
焦げた草木と霧が幻想的な世界を作っていた。
写真中央には『ラインオンズヘッド』が見える。
海側は天気も晴れ、自然と町の美しさを感じた。

さらばテーブルマウンテン。

気持ちを切り替え、僕達は日が暮れるまでに下山しなければいけない。約2時間後にはもう夕暮れだ。
帰り道は勾配の急な道を通った。そこは岩と針金で無理やり階段を作った道で、とても滑りすい。登山中の怪我は帰りによくあるらしいがなぜか理解できた。膝は笑い、疲労で顔は泣きそうだった。

気をつけながら歩いていると、下から50代ほどのおじさんがランニングしながら登ってくる。
僕は目を疑った。しかし近付くにつれ、おじさんは確実に走っていた。この滑りやすい石の上を。
すれ違いざま、彼に話しかけてみるとどうやら地元の人で、毎週運動がてら頂上までランニングしているらしい。
(ケープタウンのおじさんは元気だ😨)

僕達はゆっくり着実に降っていき、ついに山の入り口に着いた。
おおよそ6時間。満身創痍でなんとか無事に帰って来れた。
(よっしゃーーー!!!遂にやり遂げた!!!)
そう思い後ろを振り返ると先ほどのランニングおじさんがもう戻ってきていた。(いや、早すぎやろ!!!)



ここまでお読みいただきありがとうございます。
次回はケープタウンのカフェ情報など投稿予定です!
ではまた✈️

ケープハイラックスと言う動物。
ケーブルウェイ付近で僕達を待ってくれていた。


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