不動産業に主軸を移したメディアが創る東京一極集中
コロナ禍が終わり、東京一極集中が再度加速している。
東京一極集中は職を求めて地方から人々が移動し、それによって新たな雇用が東京で生まれ、地方では雇用が失われ、さらに東京に人々が移動するという負のスパイラルで起こる。
これはどの国でもある程度見られている光景であるが、日本ではメディアの寄与が大きいと考える。
日本のマスメディアは古来新聞販売からテレビ事業を起こした会社が多い。
しかしいまや、インターネットの発達に伴い新聞の発行部数は減少、テレビも斜陽化しつつある。そういった状況で、マスメディアの主な収入は都市部の不動産収入に変わりつつある。
都市部の不動産価格の高騰はマスメディアにとって収益維持、向上の基本戦略であり、都市部の魅力を発信し、都市部の人口を増加させること自体がマスメディアの利益に繋がるのだ。
つまり、東京一極集中は悪だと報道しながらも、本心では一極集中を望んでいのだ。
もはや都心のビルのオーナーに成り下がったメディア
マスメディアは自らが都市部にもつ不動産価格を吊り上げるために、地方から都心へ人を誘導している。日夜、地方民には無縁の都心部の飲食店を紹介するなど、あらゆる東京の魅力を発信している。地方の実家に親と住む人間を「こども部屋おじさん」とレッテル貼りし、無理に独り暮らしをさせ、その家賃を以って、不動産オーナーを肥やさせる。
都市部に不動産をもつメディアに富が集中するように誘導し、結果として東京一極集中を助長する。
持たざる地方の民から資産を吸収し、首都だけ発展し続ける、これは果たして日本全体の発展につながるのだろうか。再考の余地がある。
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