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介護の危機に… 私にできること




●紹介「たすけあい」と介護保険、障害福祉

NPOあいの会ホームヘルプサービスでは、一定の料金を支払えばどなたでも利用できる有償の在宅サービス「たすけあい」と、介護保険の訪問介護、障害福祉の居宅介護と重度訪問介護を行っています。

「たすけあい」は、制度内では認められていない介護や家事、送迎(福祉有償運送)を指しています。自立して生きていくうえで「ほんの少しの支えが必要なとき」その手助けを誰かに頼むことができたらという願いを実現させようと、1991年に活動を開始しました。


●「あなたのために、私のために」

介護を必要としている方をお手伝いすると、「ありがとう」という声を受け取ることが多くあります。これは、自分が少しでも相手の方のお役に立てたと実感できる体験です。ケアすることで、自分が自分自身を認めて前進していくエネルギーになります。

生活環境や利用者さんが抱えている問題も様々ですが、ご本人や家族と、ケアするメンバーで話し合い、課題を解決したり、ご本人ができることが増えたり保てたりすることが、ご本人と関わるみんなの喜びにもなります。利用者さんの生き方や経験、生活の知恵や工夫などを聞き、教わることも少なくありません。


●重度訪問介護の利用者Sさん

Sさん(仮名)は笑顔が素敵な50代の女性です。重度の身体障害があり、言語障害もありますが、リハビリや自主トレを頑張るSさんの前向きな姿勢に、いつも私の方が励まされています。
「あなたのために、私のために。」自分の方がエネルギーをもらい、日々活動しています。


●なぜnoteに書くのか 目前にある危機

この介護の現場は、いま危機にあります。

ベテランのヘルパーさんが高齢となり、担当できる件数や時間数が減り、引退を考えている方もいます。一方、新たに加わってくれる方に、なかなか出会うことができていません。

あいの会では、2010年に約50名で支えていたヘルパー業務は、2023年の今、私を含めて18名で担当しています。

ヘルパー募集を効果的にできていないのですが、ヘルパー活動の楽しさや、やりがいを十分に伝えきれていないこともあります。個人情報保護のため、利用者さんのケアの内容ややりとりを公にすることが難しいことも、タイムリーに活動現場の内容をお伝えできない理由でもありました。

今の事態が続けば、高年齢でこれから要介護状態になる方々はもちろん、Sさんのようにハンデがあり支援が必要な方々の生活を支えていくことができません。


●「私にとっても問題です」

つい最近、Sさんとの会話の中で「ヘルパーさん不足は私にとっても問題です。」と言っていただき、ヘルパー活動のやりがいや楽しさを知ってもらうための広報を考えました。そこで、Sさんの日々の出来事やケアの内容をnoteに紹介させてもらうことにしました。

Sさんと一緒に笑ったこと、話し込んだこと、時に困ったことや悩みなどを、少しずつ紹介していきます。

一人でも多くの方に、特に訪問介護の実際を知ってもらい、ヘルパー活動に興味を持ってくれる方が増えることを祈って、書き始めたいと思います。


2023.5.3


 

いただいたサポートは、非営利活動「たすけあい」の継続に活用させていただきます。