貴方に沸いた殺意⑤

家に入ってからも颯は黙ったままだった。
「いい加減、何か話したら?」
佐藤美智子は苛立ちを覚えながら言った。
「…………………やってしまった。」
「何を?」
「…人を」
ムシムシと暑い中、佐藤美智子と夫の額から冷や汗が流れる。
「な、何を言ってるの?気でもおかしくなった?」
「ううん。」
「嘘でしょ…………。」
佐藤美智子は言葉n詰まる。代わりに夫が話し始めた。
「人を殺したとはどういうことだ。なぜ殺した。」
颯は顔を俯かせながらボソボソと理由を伝えた。
「そうか…。明日自首しよう。俺達もついて行くから、な?」
うん……。」
 
 
 
 
 
佐藤美智子と夫は颯が寝静まった後、2人で向かい合い、話をしていた。
「これからどうしようか。」
夫が腕を組みながら言う。
「自首すると、私達の肩身が狭くなるわよね…。」
「そうだな、、。」
「もういっそ殺したらいいんじゃないかしら。」
佐藤美智子がボソッと呟いた。
「そうだな、、いっそ殺してしまえば…。」
 
 
 
 
 
佐藤美智子と夫は計画を練っていた。
「やっぱり埋めるなら山奥よね。」
「そうだな、山に連れて行くのは難しいと思うから、睡眠薬を飲ませよう。」
「そうね。私当てがあるわ。」
「あー、あの近所の」おばさんか。あの人は睡眠薬飲んでるもんな。」
「そうなの。何か理由をつけて貰ってくるわ。」
そう言ってすぐさま家を出て行った。
「颯―、もうすぐご飯よー。」
「はーい、今いくよー。」
今日のご飯は何故か豪華だった。僕の好きな食べ物ばかりだ。
「お母さん、今日なんか特別な日だったっけ?」
「いいえ。ただただ今日は颯の喜ぶ顔が見たかったの!」
「そうなんだ。なんか今日変じゃない?」
「え、?そんなことないわ!いつも通りよ!」
「そうかなー、まあいいや、いただきまーす。」
そう言ってお茶を口に含んだ。何故か両親は寂しそうな顔をしていた。
 
 
ご飯を食べ進めていくうちにだんだん我慢できないほど眠くなってきた。
「あれ、、なんか急に」ねむ、、た、、、く、、、、、。」
颯はお箸を持ったまま眠りに落ちてしまった。

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