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¥500お試しキャンペーンをしている某脱毛サロンの営業トークはまじで侮れない話。


その日、私はドキドキるんるん気分でした。
よく覚えていないのですが、クレジットカードか何かを申し込んだ際に一緒に封筒に入れられていた某脱毛サロンの¥500お試しキャンペーンのお手紙に、都会に引っ越して来たばかりの私はまんまとときめいてしまったのです。
見切り発車が得意な私なので、

「¥500でお試しできるとかすっげ〜〜〜!!!」

とすぐさま予約。
今思えばなぜネットで事前に調べなかったのか不思議なくらい、お手紙に書いてあるすてきな謳い文句を信じ切っていました。


体験当日、
エステサロンに行くということでしっかりめに顔面塗装を施し、いざサロンへ。
サロンは清潔な様子で、店内を歩くスタッフの方も私の自己肯定感がぶち下がるくらい美人が多い。
私ここにいて大丈夫?
対応も丁寧で、施術が終わる悲劇が起こるその時まで私はここにいる誰をも疑いませんでした。

担当してくださった方を佐々木さん(仮名)としましょう。
佐々木さんは物腰が柔らかく、笑顔も素敵で、とても話しやすい方でした。
12時からの予約でしたが、

①カウンセリング
②施術の説明
③施術
④見積もり、プラン説明
⑤勧誘

の流れでなんと終了時刻は15時をまわっていました。
この辺りで勘のいいガキの方はお気付きかと思いますがと思いますが⑤が異様に長いんですよ、ええ。
優柔不断な私ですが、ここまで生きる術として「断ることの大切さ」を身を持って学んできました。
つまり、しつこく勧誘されてもまあ断れるだろうとたかを括っていたわけです。


間違っていました。



その道のプロを簡単に跳ね除けられるわけがなかったのです。


佐々木さん「本日はご来店ありがとうございます!どのように当店をお知りになりましたか?」
私「カードの新規申し込みでサービス券(?)が同封されていまして」
佐「左様でしたか!さっそくですがカウンセリングと当店の脱毛技術についてご説明いたします!」

明るい話し方で、気になることを質問すれば丁寧に答えてくれた佐々木さん。

私「どうしても膝周りの黒ずみとかもできちゃって…」
佐「あ、保育士さんがよくお膝の黒ずみが気になるっておっしゃるんですよ。もしかして保育士さんですか?」
私「そうなんです!確かに保育士共通の悩みかも…。」
佐「当店の技術は、黒ずみなどお肌のトラブルの改善も見込めるんですよ〜!」

佐「皆様に聞いているんですが、脱毛の契約とかをもしするとなった時に旦那さんやご家族の方に相談されたいタイプですか?」
私「いや、多分勝手に決めちゃいますね〜」
佐「ですよね〜!私も脱毛するときはどんどん1人で決めちゃってました!」

1時間ほど説明があり、そこから着替えていよいよ施術です。
脱毛等のエステサロンあるある、紙の下着をつけていざ!
私は脇と臍周りの脱毛を選びました。
特に脇には、このお店独自の特別な技術で脱毛してくださるとのこと。
施術中は料金体制やら肌の悩みやら雑談しながら過ごしていたのですが、

脱毛がまぁ〜〜〜〜痛ぇ!!!

脇とVIOはやはり痛いらしいのですがマジで痛い。
このお店の特徴として一本一本に施術して行く感じなんですが、いちいち「いった!!」と零してしまうくらい痛い。私が痛みに弱いだけかもしれませんが…。
「終わりました!」と声かけしてもらいましたが、あれ、脇って言ったけど脇の一部しかやってもらえませんでした。
「?????」となっているところに「お試しでは40本脱毛できまして、現在20本分施術致しました。残り20本分は同じ方の脇にしますか?反対にしますか?」とのこと。
先に言ってくれてもええんやでという言葉は飲み込み、「じゃあ同じ側で…」と続けてやってもらいました。
この辺りから私が(やっと)不安を覚え始めます。(遅)
結局片脇の半分くらいを特別な施術で行いツルツルに、残りの部分と反対脇、臍周りは光脱毛を行うということでした。
効果は本当にあるようで特別な施術をしてもらった部分には本当に毛も毛を剃った後特有の黒いポツポツもありませんでしたから、この後の経過も気になりますが効果は本当にありそうです。
施術後が赤くなり火照るのでクールダウンしている間に雑談していましたが、ここからが本当の悪夢の始まりでした。金にもならねぇ雑談をするわけがないのです。

佐「いかがでしたか?」
私「いやまじで痛かったは痛かったんですが、本当にツルツルで感動してます!」
佐「効果を実感していただけて嬉しいです!」
佐「この後お見積もりを出したいと思いますが、今後脱毛をしていきたいなと思う部位はどちらになりますか?」
私「そうですね、膝下や腕はぜひしたいと思っていて、できればVIOもしたいですね〜。」
私「ただ、お見積もりを頂いたら一旦持ち帰らせていただいてゆっくり考えたいです。

私が見積もりを一旦家に持ち帰り考えたいと言ったこの一言から、佐々木さんの目付きや勢い、雰囲気が一変しました。

佐「体験にいらした皆さまは一旦おうちに持ち帰りたい、ゆっくり考えたいとおっしゃるんですが、おそらく持ち帰ったらそれ以降続かないと思うんですよね。」
私「なるほど。」
佐「結局お家に持ち帰ると言うことは、そこからまた自己処理が始まると言うことで、お肌に悪いことが続くということなんです。」
私「なるほど。」
佐「ですので、お得なプラン等からいったんはじめていただいて、その後お考えになられるのがいいかなと思うんです!」
私「なるほど。」

さて、一気に詰められてしまった私。
無い頭をフル回転させ、なんとかこの場を収める逃げおおせる方法はないかと考えはじめます。
だって、お試しするだけで契約する気はないんですから。

佐「クールダウンもそろそろ大丈夫かと思いますので、お着替えになって先程のカウンセリング室にいらっしゃってくださいね!」

と言って佐々木さんは退出する。

今だ、今しかない。
なんとかこの場を収める手段を考えねば。


追い詰められた某バーローもこういう心境でピンチを乗り越えてきたんだろうか。(気が散ってます)
私に許された時間はせいぜい5分、これ以上長くなれば不審に思われてしまう。

私は服を破らんばかりの勢いで素早く着替え、スマホで打開策を調べる。
まずは相手のことを知る必要がある。
「◯◯◯(サロン名)  勧誘」
と検索をかけると、そこには予想通りの文面が並んでいました。

「◯◯◯のお試しキャンペーンで脱毛してもらいましたが、勧誘がしつこすぎて契約してしまいました。」
「勧誘があまりにもしつこく、断るのが大変でした。」
「断っているのに、長い時間かけて営業してきます。」

やったわこれ。

気付いた時にはもう遅い、私はすでに敵の手中にあるといってもいい状態です。
頭の回らない私は、
「◯◯◯  勧誘 断る方法」
と馬鹿みたいな検索をかけますが、ここで一筋の光が差し込むのです。

「◯◯◯の勧誘の断り方 ジャンル別」
という神記事を発見。
そこには、学生の断り方、主婦の断り方、OLの断り方などなどそれぞれのうまい断り方が記載してあったのです…!!神…!!そしてどれだけの人が勧誘で痛い目見て来たんだ…!!

私は運良くだか運悪くだか分かりませんが、転職活動中だったので、「面接を受け合否待ちだが、採用されなかった場合は経済的に払えない」という理由で断ろうと決めました。また、同じタイミングで完全なる打開策を見つけることができたので「いざ…!」と意気込みラスボスの待つカウンセリングルームに向かいました。


次回は続く

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