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【最終報告】事業構想プロジェクトを実践する学生チームに、フリーランスのメンターがつくと取り組みは加速するか? #新しい働き方LAB

新しい働き方LAB 2期生で活動しております、えの季です。早いもので、6月のスタートからあっという間に最終報告の時期になりました。(記事を確認していたら、書きかけの中間報告があったよ…。)
ということで、指定企画「事業構想プロジェクトを実践する学生チームに、フリーランスのメンターがつくと取り組みは加速するか? 」について、最終報告を提出します。

実験の目的と背景

まず、当企画の背景について、#新しい働き方LAB の公式noteより引用させていただきます。

長崎大学では今、アントレプレナーシップを持って課題解決や事業構想に取り組んでいる学生たちが増えています。
地域には、その地域固有の課題や特有の資源があります。そして、その課題を解決したり、資源を活かしたりするために、チームで”課題解決・事業構想プロジェクト”を実践している学生たちがいます。
そこに“プロフリーランス”が全国からメンターとして入るとどうなるでしょうか。プロジェクトのゴールに向けて、学生チームをより推進させる手助けとなれるのか。学生チームとメンターとの学び合いは促進されるのか。
学生チーム×プロフリーランスの地域・世代・職種を超えた創発の実験です。

https://note.com/lab_lancers/n/nfa470f5f05d7

そして、長崎大学やメンター陣で話し合い、本企画は下記のふたつの目標を掲げ、この目標を達成することを目的として活動しました。
・学生に思っていた以上にアウトプットできた、という体験をしてもらうこと
・学生が「自分でやった」「やりきった」という経験をすること

研究活動の概要

今回、学生が5チーム(途中から4チームへ)あり、そこに2〜3名のメンターが窓口として就き、必要があれば他のメンターも学生からの相談に乗るという形で活動を進めました。
私はシモカタセイジさん(ブランディング、動画編集、デザインなど何でもできる)、Toshiさん(エンジニア)のお二人と、瓜生さん(NOVA university)のメンターとして活動することとなりました。
活動内容としては、約1回/月のペースでメンタリングの場を設け、現在の活動状況や悩みなどを聞き、アドバイスをしていました。

活動の詳細

メンタリングの際に気をつけていたのは、”瓜生さんがどうしたいか”を尊重すること。答えを渡すのは簡単ですが、自分で答えを導き出せるようなメンタリングをできればと考えていました。
というのも、良くも悪くも社会人経験がある私が”勤め人”の立場でアドバイスをすると、アントレプレナーシップを育むという当企画に反すると思ったからです。
メンター同士で事前に打ち合わせしたわけではありませんが、お二方とも基本的には同じ進め方でメンタリングに臨まれていたので、私としても非常に居心地の良い場でした。

そして、良い意味で誤算だったのが、瓜生さん自身が想像以上に俯瞰して自分や周りを見ることができ、自走できるタイプの学生さんだったこと。逆に私が瓜生さんから学ぶことの方が多かった気がします。

そんな瓜生さんが運営するブログはこちら。

また、私としては、グラレコを”ツール”として学生さんへ提供できればと考えていましたが、それぞれの学生さんがやりたいことが明確であったため、グラレコ講座等の機会はありませんでした。(いや、これは私がもっと紹介すればよかったのかも…。)

結論・気づき

先に目的として掲げた2つについて、一先ず、本活動を経て私が感じたことを結論とさせていただきます。
(メンター・運営側としてはアンケートなどを活用し、定量化したいという話が出ているのですが、最終報告会が年明けなので今回は所感で…。)

・学生に思っていた以上にアウトプットできた、という体験をしてもらうこと
・学生が「自分でやった」「やりきった」という経験をすること

まず一つ目のアウトプットについて。私がメンターに就いた瓜生さんはもともとアウトプットしていましたが、8月のメンタリング以降、グッと活動の幅を広げた印象です。
瓜生さんの性格や、やりたいことが”縁の下の力持ち”系の内容だったこともあり、露出や認知をどのように広げていくのかが課題でしたが、秋以降積極的にSlackで活動告知をしたり、他の学生さんのビジコンのサポートをするなど、ご自身がやりたい!と思った活動をやりつつ、それをうまく周囲に認知できる(=アウトプットできている)ようになったと感じています。
また、瓜生さん以外のチームについても学生さんが様々な形でアウトプットしており、そのアウトプットから次の機会に繋がったり、内省のきっかけになるなど、アウトプットの恩恵を受けていました。

そして2つ目について。これこそ、アンケートなどで調べてみないとわからない部分なので…私から見た学生さんの印象について、今回は報告させていただきます。
7月のキックオフでは”これをやりたい”という想いはあっても、「なぜ」「誰のために」「どうやって」という具体的な部分と「どうしたいのか」という将来的なビジョンがうまく言語化できていない学生さんが多い印象を受けました。
しかし、この活動期間中、学生さんがアウトプットし、周囲から様々な反応を受け、悩んだ時にメンターへ相談するにつれて、学生さんの言語化の解像度が徐々に高くなったと感じています。
この期間を通して「やり切った」にはならないと思いますが、メンターが就いたことで、どのようなものをアウトプットすれば将来に繋げられるのか、といった継続的な視点での成果物を出す、また、自身のプロジェクトを将来的な視点で考えるきっかけにはなったのではないかと思います。

研究に対する考察

本研究を通して学生にメンターがつくことの影響についての私の考察は下記の通りです。

  • 学生が社会との繋がりを意識することができる

  • 学生が自問自答する時間が短くなる

  • よって、学生はアウトプットの機会が増え、質も高くなる →自走力の向上

まず、一度も社会に出たことがない学生が(今回は例外もありましたが)社会に価値を貢献するとなると、ギャップが生じるのは当然のことです。
しかし、限られた時間・予算のなかでそのギャップを埋めるのは難しい。そこで、社会との繋がりがあるメンターが就くことにより”学生”の価値観を”社会”の価値観にうまくチューニングできたのではないかと感じています。
最初は将来的なビジョンまで語ることができなかった学生が、将来を見据えたビジョンで企画書を作成できるようになる、そもそも現在のビジネスモデルで起業することが正解なのかを考えるようになる、などメンターがいなかったらその視点が生まれたのか分からない視点で物事を捉える学生さんが増えたように感じます。

また、定期的にメンタリングの場を設けたことにより学生さんがうまく息抜きできていたように思います。誰に相談すればいいのかが分からなくなると、どうしても一人相撲しがちですが、月に一度のメンタリングの場でメンターに話すことで、現在の自分には無い視点での解決策を提示され、それにより自分の悩みや迷いが解消できたという場面があったと思います。

一人相撲を取る時間が減り、社会との繋がりを意識してアウトプットできるようになると、アウトプットの機会も質も向上します。実際、本活動を通して、学生さんのアウトプットの質が向上したように感じています。

もちろん、長崎大学の先生方や学生さんがどのように感じたのかが大切です。上記考察はあくまでメンターに入った私の主観ではありますが、まだ本プログラム自体は終わりませんので、私の主観を以て活動報告ならびに考察とさせていただきたいと思います。

おわりに

今年に入り、体調の面から完走できるか不安でしたが、無事(?)に最終報告書を提出できてホッとしています。(実際のところ、打合せや現地訪問にも参加できずご迷惑をたくさんおかけしました…。)
普段、学生さんとお話する機会がほぼ無いため、どんな感じなんだろうかと思っていたのですが私が想像していた以上に学生さんがご自身で考え、悩み、行動している姿は大変印象的でしたし、体調不良を言い訳にアウトプットができていない自分を省みる良い機会となりました。ありがとうございました。

最後に、一緒に活動頂いた長崎大学の先生方、ランサーズ、運営の皆様、メンターの皆様、そして学生の皆様、本当に良い機会を頂きありがとうございました。
まだまだアントレプレナーシップのプロジェクト自体は継続ですが、まずはここまでお疲れ様でした。これからの皆様のご活躍を願っております。

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