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2ヶ月を過ぎて、ベクトルの調整

新しい働き方LABの研究員になって2ヶ月が過ぎた。
わたしはadobeの指定企画に参加しており、2週に一度のクリエイティブチャレンジに向けて作品を制作し、提出している。
回を増すごとにお題の内容が実際の仕事に近づいているようで、お題の意図を考えながら制作に取り組むのはとても楽しい。
しかし一方で“わたしが提出する制作物”と“わたしがなりたい姿(方向性)”に乖離が生まれており、ここ数週間ずっと頭を悩ませている。

この研究員制度という、普段の生活では会えない方との出会いやイベント、また、なんと言っても無料でadobeのソフトを使えるという(なんと俗っぽい…)この機会を棒に振るわけにはいかない。
幸い、手遅れになる前に理想と現実の乖離に気付けた。
そこで、わたしの強みとなりたい姿をこのタイミングで一度整理したいと思う。

強みと理想

わたしの母は趣味(というレベルではない。本当にすごい。)で革小物を作っている。
母の影響で革小物を製造・販売しているお店があると覗くのだが、正直、母よりも仕事が丁寧!と思うお店に出会ったことがない。
そんな、とにかく仕事が丁寧な母は私の描く絵を見て「サラサラとすぐに描けるのは才能のひとつ」と言う。
わたしから言わせると、1つの革細工に数ヶ月〜数年かけることができる母のほうがすごい。そっちのほうがよっぽど才能だと思う。
しかしまあ、確かに、わたしは筆が速い。絵画教室でもクロッキーだけは褒めてもらえることが多かった。

また、昨今の図解ブーム。特にこの流れに乗ったわけでもなく、ただノートを取るのと同じように、受けたセミナーの内容をイラストで図解したところ、思ってもみないような反響があった。
そもそも私は物事を理解するときに文字で考えず、図で考えているので、それをただ紙に落とし込んでいただけ。
図解にあたり何か特別な訓練をしたわけでも無いし、無理して描いているわけでもない。

しかし、どうやらこのふたつの能力、――パパッとイラストを描くスキル、図解するスキル――は人の役に立つスキル、“強み”らしい。
大変ありがたいことに、Twitter経由で問い合わせを頂き、グラフィックレコーディングやイラスト図解のお仕事を頂くことができた。

少し前の私なら「えっ、個人で仕事もらえたの?!すごいじゃん!!!!」と自分を褒めまくっていたと思う。
しかしいまの私は「このままでいいんか?」と自問自答している。
図解は楽しい。ずっと描いていたくなるくらい、本当に楽しく描いている。
けど、本当にこれだけでいいの?という思いがずっと頭から離れない。

そもそも、私がフリーでクリエイティブの仕事を獲得したいと思ったのはなぜか。
美術系の大学へ進学したい気持ちもあったが、それ以上に農業が(当時は生物と化学)が好きで農学部へ進学した。
農学部を選んだことは全く後悔していない。むしろ本当に農学部に進学して良かったと思う。
しかし、卒業後に農薬メーカーへ入社してビックリした。とにかく、とにかくクリエイティブがダサい。泣きそうになった。
農家向けだから保守的なデザインがいいのよ〜という人もいたが、違う、そうじゃない。これじゃ魅力が全く伝わらない。ていうかもう本当にまじでダサい。
なかなかクリエイティブへの思いが捨てきれなかった私は、社内公募で広告宣伝の部署にチャレンジするも不採用。

面接の時に広告宣伝チームの元リーダーに趣味で絵を描いていると伝えたら「へえ、こんど見せてよ」と笑われた。そんなつもりは無かったのかもしれないけど、私はそういうふうに受け取った。
デザインの勉強をしている旨を伝えたら「でもそれ(独学)で何とかなるなら、いまその仕事してるでしょ(=無理だからこの仕事してるんでしょ?)」と一蹴された。
まあ、私の能力不足もあるけど?多分にあるけど?そんな言い方するか?と思った。
結局、そのポストは後輩(英独ペラペラで超優秀!)が採用された。けど、その部署が作るクリエイティブはその後も全然カッコよくならなかったし、後輩はかなりキツい働き方をしていたようなので、まあ採用されなくてよかったな、と今になっては思う。

話が大幅に逸れた。わたしは、やっぱり美大にも行きたかったという思いを埋めるために、社会人になってから絵画教室に通い始めた。
社内公募のときのやり場のない悔しさを昇華するためにランサーズのコンペに何度か応募した。
結局、コンペは一度も採用されなかったけれど、クライアント様の思いを考えながら作るのも、他の人が提案したロゴやバナー広告を見るのもとても楽しかった。
『ああ、わたし営業の仕事も好きだけど、こうやって副業でクリエイティブに携われたらいいな。』

もちろん、図解はクリエイティブな仕事の一部だと思う。
というか正直なところ、図解が仕事になるなんて思ってもみなかった。
クライアント様と「ああでもない、こうでもない」と図解を作成するのはとても楽しい。
しかし、もっと、もっと他の仕事も経験してみたい。
もともと、ずっと胸の中にあったイラストやロゴ、バナー作成の仕事をしてみたいな、という思いは今でもずっと燻っている。

焦り

せっかくadobeのソフトが使えるのに、全然勉強できていない現状に焦っていた。ていうか今も焦っている。
あんなに憧れていたIllustratorやPhotoshopが使えるのに。なんで私はずっとprocreateで絵を描いているんだ。
(procreateは最高のソフトです。一生ついていきます。大好きです。でも!ていうやつ。わかってくれ。)

図解は図解で、依頼されているもの+α、自分のための作品作りもしたい。
(相変わらず農業大好きなので、農業業界の方とお仕事したいな〜誰か声かけてくれないかな〜と思い農業図解を始めました!よろしくお願いします!!)

けど、たぶん図解を極めてもその先にわたしがやりたい!と思っているロゴや広告の仕事はない。あるのかもしれないけど、多分それはすごく遠回りな気がする。
図解は図解で続けるけど(楽しいし得意だし)、ロゴや広告の仕事をしたいのであれば、それは図解とは別軸で考える必要がある。
つまるところ、向いている仕事とやりたい仕事は違うということだ。着たい服と好きな服が違うように。
クリエイティブチャレンジという非常にありがたい機会を頂いたのだから、それを活かさない手はない。

現状の課題

さて、ここで今まで提出した自分の作品を振り返ると、全て自己満だな、というのが感想。
お題の意図や新しいチャレンジはきちんとやった。けど、いま私ができることを精一杯やりました!ていう印象。なんていうか、広告の青臭さがない。
「えっと〜、こんな感じで作ってみたんですけど〜、どうですかね…アッいいです、無理なら!ハイ!(置く)」みたいな弱さ。伝わる?
クリエイティブチャレンジ、お題の先には常にクライアント様がいるような、そんなイメージで、もっと青臭く泥臭く取り組むことが必要だなと感じた。
なんか今のとこ、私の作品はまとめること、うまく着地することに重きを置いているな、という印象を受けている。
他の研究員の方の作品と講評を見られることが非常にありがたい。わたしももっと青臭い広告を作りたい。

これから

ある程度のことは前のパートで出ている気がする。けど自分のためにまとめておきます。
図解は続ける。わたしの強みが活かせる分野だから。もっと自分がやりたい仕事に関係する図解を増やしていきたい。
農業関係の図解でお困りの方〜!わたしがここにいます!!!よろしくお願いします!!!!

一方、今まで置きに行っていたクリエイティブチャレンジはもっと青臭く、何ていうか、クライアントやペルソナに対してきちんと思いを伝える作品作りを心がける。
発信することで図解というスキルに気づくことができたけど、それは本当にとても良かったけど。
けど、わたしはやっぱり、ロゴやバナー広告のデザインがしたいんだな、と思う。なので、もっともっと、自分が目指すゴールに沿った、そのベクトルに乗った発信をしていきたい。そういった作品作りもしたい。

イラストが描ける強みを見せるぜ!とか思って無駄(?)にイラスト描こうとしてたけど、多分それをいくらやっても私の理想とはどんどん離れていく。
強みをガシガシアピールすることが、必ずしも自分のためになるわけではない。そして、自己肯定感が上がるわけでもなければ、満たされるわけでもない。
多分、強みをアピールするより、自分の理想に近づける作品を作ったほうが幸福度というか満足度は高くなるんじゃないかな。
というのが今までの気づき。

あと、イラスト描くときにadobeのソフト使わないことをすごく後ろめたく思っていた。さっきも書いてるけどね、これ。
目的と手段の話だから、別にadobeのソフトを使うことにこだわらなくてもいいのにね。
憧れのPhotoshop!無料なのに!なんで使わないの!って自分で自分を呪っていた。
結局、ツールに使われちゃだめなんだ。わたしがツールを選ぶ。そのとき、その時でそれぞれの良さがある。
もちろん、使わなきゃわからない機能はめちゃくちゃたくさんあると思う。けど。“〜ねば”思想はすこしお休みしよう。

ぽつり

それと、もうひとつ焦っていたのがTwitterでの交流。
もともとSNS歴はめちゃくちゃ長い。お絵描き掲示板がわたしのSNSデビューなので(あれをSNSと言うかは賛否両論あるとして)…多分もう人生の約3分の2はSNSを使って様々な人と交流している。文字にしてみると改めてすごい。
けど、ここ数年はあまり活発に交流していなかったこともあり、すこし情報の波に飲まれているというか、なんとなく溺れているような感覚だった。
自分の制作物に対してリツイートやお気に入り、コメントがもらえるのは本当に嬉しい。
けど、それを待つ自分も狙う自分もいるし、他人に対してもgiveしなきゃって少し義務に感じていた。
もう少し肩の力を抜いて交流できたらいいな、と思う。皆さん素敵な人たちだし、11月でお別れなんてもったいない。
ちょっとレス無精なわたしですが、皆様引き続き仲良くしていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

すこし自分のために立ち止まって考えてみました。
30年生きて、最近ようやく“急がば回れ”を理解した。焦って手を動かしてバタバタ先に進むより、一度自分の立ち位置を確認するほうが結局は早くゴールにたどり着ける。
まだまだゴールが見えない位置にいるけれど、まずはコース取りを改めて検討して、のこりの研究員活動を続けていきたいです。




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