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休んでも治らんぞグロインペイン!

こんにちは!!鍼灸師の大井研人です!!

リアル運動療法マガジン今月は股関節編です!!

私、大井は今回グロインペインシンドロームの理解とそれに対する運動療法に関して書いていきます。

グロインペインシンドロームというと、

・クロスモーションの習得
・体幹トレーニング
・胸椎,股関節の可動域UP
・中殿筋トレーニング

などがパッと思い浮かぶかと思います。

しかし、トレーニングの幅が広いが故に

・どんな順番でやったらいいの?
・OKCばかりでいいの?
・トレーニング中に痛みがでるなぁ。。

など色んな疑問も出てくると思います!

そこで今回は自身もグロインペイシンドロームで1年間苦しんだ大井が運動療法を解説していきたいと思います!

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☑グロインペインシンドロームとは

まずグロインペインシンドロームの定義としては、

「股関節周辺の痛みの原因となる器質的疾患がなく、体幹から下肢の可動性・安定性・協調性に問題を生じた結果、骨盤周辺の機能不全に陥り、運動時に鼠径部周辺に痛みを起こす症候群」

とされています。

これらの場所が痛くなり経験した身からすると何が何だかよくわかりません(笑)

しかも、当時は専門的な知識がなかったため何をすれば良いかもわかりませんでした(´;ω;`)


2000年以前は器質的疾患がほぼ見つからず鼠径部周辺に器質的疾患が見つからない鼠径部痛症例をグロインペインシンドロームとしていたが、

近年、鼠径部痛症例の9割にMRIにて器質的な病変が発見されることを確認したため、

「何らかの理由で生じた全身的機能不全が鼠径周辺の器質的疾患の発生に関与したり、運動時に鼠径部周辺にさまざまな痛みを起こす症候群」

という新たな概念で定義し直されています(1)。

鼠径部痛を生じている器質的な病変も、原因を辿れば全身の機能不全があるということです!!


自分も経験をしているのでわかるのですが、痛みが永遠に続き、一旦休んでも練習再開すると痛みが出現するという当時は訳の分からない痛みでした。


またある報告では、

慢性化したグロインペインは休んだだけでは機能不全が改善せず、たとえ器質的疾患が修復しても復帰が難しい。逆に機能不全が改善すれば、器質的病変が修復してなくても復帰可能な例が多く存在する(2)。

とあります。


すなわち、MRI病変が改善するまで休んでも解決にはならない。MRI所見の精査は病態の診断に有用だが、MRI所見の変化を復帰の指標として用いると機能不全を評価して改善する重要性を見失うので、復帰の指標としてのMRI再評価は通常行わないとされます(2)。

しかし、鼠径部痛を起こす疾患にはにはさまざまなものがあり、プレーからアウトしないと治らない例もあることを知っていなければいけません。

その鑑別を要する疾患としてあげられるのは

・坐骨剥離骨折(画像診断の経過による)
・大腿骨疲労骨折(4~8週)
・恥骨下枝疲労骨折(2~4か月)
・上前腸骨棘,下前腸骨棘剥離骨折(1~3週)
・各筋の肉離れ(重症度によって)
など(3)

この辺りは、全身の機能不全を修正するだけに止まらず局所の状態も把握しながらリハビリをするべきです。

外傷障害の引き出しを増やして頭に入れておくことで、「何かおかしいぞ」と気づくことができ、その後精査を依頼することで助かる選手もいるということを忘れないで欲しいです。

ここではグロインペインに対する可動性、安定性、協調性に関しての運動療法をあげていきます。

それではまず評価項目から診ていきましょう。

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