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【第16回】宮城県中高公立学校入試で「WEB出願」が導入されます

こんばんは。大池こういちです。
県議会11月定例会では予算特別委員会総括質疑に立たせて頂きました。

予算特別委員会とは、県当局が議会に提出した議案のうち予算に関する審議がある場合に開催され、略して予特(よとく)と呼ばれています(ちなみに私も後から知りましたが、自分で質問内容を決める一般質問と違い、提出された議案に対して行うため質疑といいます)。

今回、私は議員になって初めての質疑でした。一問一答方式で行われ、公明党県議団は質疑・答弁をあわせて15分です(会派の議員数に応じて質疑時間が決まります)。

今議会の議案では、令和8年度(2026年4月)に入学予定の児童・生徒が受験する中高公立学校入試から、インターネットで出願できるよう、システム開発を行うための予算が提出されました。

受験申込・願書提出をデジタル化することは、志願者や保護者の利便性向上、教員など学校関係者の業務負担軽減を考慮して重要な施策です。報道によると、すでに全国16の自治体で導入されていて、宮城県も他県の取り組みを参考にしながら導入を目指しています。

制度の概要について、限られた時間でしたが、5点(目次)について質疑しました。以下、内容をまとめていますので、気になる点があれば教育長の答弁と合わせてご覧ください。

質疑をして、具体的にわかった点を以下にまとめてみました。
①全国的に導入されている既存システムを活用して予算を抑えつつ、宮城県版につくりかえる
②出願者が問い合わせできる「ヘルプデスク」を検討
③家庭でインターネット環境が無い場合は学校が支援
④テストサイトを立ち上げ、志願者が事前に操作できるようにする
⑤仙台市立や石巻市立の高校を受験する際は利用できるが、私立学校は独自の出願システムを利用する
⑥高校受験の際は生徒全員にIDが付与されるが中学受験の場合は希望者のみ
⑦出願で利用したデータは入学手続き後に消去するため引き継がない
⑧出願漏れが無いよう、本人や学校がシステム上で進捗状況を随時確認可能
⑨出願が遅れてる場合、メッセージの表示やメールを送信して注意喚起

特に強調したのが「個人情報の取り扱い」と「出願漏れのチェック機能」でしたが、使用したデータは受験ごとに消去され、出願漏れが無いよう申請の過程を確認できる体制を検討しているとのことです。

質疑の最後に、移行期間に関係者から課題や要望等があった場合、丁寧に対応し進めて欲しいこと、またデジタル化に伴いデータ管理(個人情報)も事故等がないようお願いしました。

来年度以降、円滑に利用され利便性が向上されることを期待しています!もし、不明な点がありましたら、コメント欄にご記入ください。

※質疑と答弁は以下に掲載させて頂きます。よろしくお願い致します。

Q1.インターネットを利用した出願システムは、いちからシステム開発を行うのか、既存のシステムを活用して宮城県版に再設定するのか?

(佐藤教育長の答弁)
我が県でも既存のシステムを利用することにより、先行県での実績により信頼性の確保が確認されていることや、開発期間の短縮などが期待できるため、既存システムをカスタマイズ(再設定)して導入することを想定しております。

Q2.この出願システムは、先行して実施する教育委員会の事例を参考に進めているのか、その場合、課題として共有していることがあるか?

(佐藤教育長の答弁)
先行導入している福井県と奈良県を視察し、操作方法等に関する出願者からの問合せへの対応、インターネット環境や機器がないことなど自宅での手続が困難な家庭への対応等の課題について伺ってきました。このことを踏まえ、我が県でのシステム導入に際しては、テストサイトを立ち上げ、志願者が事前にシステムを操作することができるようにするとともに、出願手続に関するヘルプデスクを設置し、生徒、保護者及び教員からの問合せに対応することとしております。また、自宅での手続が困難な家庭につきましては、中学校の協力を得ながら支援する予定としております。

Q3.仙台・石巻の市立高校、県内の私立高校、国立の高等専門学校など県立高校以外の学校もシステムを利用できるのか。また、対象の教育委員会や学校法人等と連携を進めているか?

(佐藤教育長の答弁)
仙台市と石巻が設置している市立高校については、同じ制度で高校入試を実施しており、両教育委員会と調整し、入学者選抜出願システムを共同で利用する予定としております。また、私立高校等については、入試制度が異なり、それぞれ独自の出願システムを導入していることなどから、公立高校入試でのみ利用するシステムとする予定です。

Q4.今回のシステムは県立の高校・中学校の両方の受験が対象で出願者にはIDが付与されます。受験は個人情報で適切に情報管理すべきと考えるが、このIDは希望者のみに発行するのか、それとも全ての児童生徒に発行するのか、また中学受験の際に利用したIDは高校受験にも引き継いで使うのか?

(佐藤教育長の答弁)
入学者選抜出願システムの利用に必要なIDについては、高校入試では、県内の中学3年生全員に配布しますが、出願者が限られる県立中学校入試では、小学6年生のうち、志願者のみ発行することにしています。また、IDや出願に際して入力した情報等は、個人情報保護の観点から、入学手続終了後には全てのデータを消去する予定であり、県中学校入試で発行されたIDや個人情報等を高校入試へ使用することはできないようにすることとしており、受験に関する個人情報につきましては、適正かつ厳正に管理してまいりたいと考えております。

Q5.一番懸念するのが出願の漏れです。書類であれば現物による確認が可能だが、システム上では出願が完了できたか、漏れていないか確認する仕組みが重要です。出願者本人や家族、在籍する学校、出願を受ける学校等が互いにチェックできるなど、出願漏れを防ぐ対策は検討されているのか?

(佐藤教育長の答弁)
入学者選抜出願システムでは、出願の手続の進捗状況を、志願者、中学校および高校がそれぞれシステム上で随時確認できるようにすることを予定しております。また、出願情報が未登録の志願者や中学校及び高校における出願書類の遅滞に対して注意喚起を促すメッセージの表示や、メールを送信する機能を持たせることを検討しております。志願者、中学校及び高校がそれぞれの進捗状況を確認できるシステムとすることで、出願漏れが生じることがないよう万全を期してまいりたいと考えております。


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