13: (誤解されがちな視覚障害者のリアル:事実に基づく具体的なケース(2))
13: (誤解されがちな視覚障害者のリアル:事実に基づく具体的なケース(1))続き
目次
5. 視覚障害者の支援
5.1 公的支援制度
5.2 非営利団体の活動
6. 視覚障害者の歴史
6.1 視覚障害者の歴史的背景
6.2 歴史的な人物とその貢献
7. 視覚障害者の体験談
7.1 視覚障害者のリアルな声
7.2 誤解を解くための実例
8. 視覚障害者と接する際の注意点
8.1 コミュニケーションのコツ
8.2 注意すべき行動
5. 視覚障害者の支援
5.1 公的支援制度
1. はじめに
視覚障害者は、社会の一員として自立し、豊かな生活を送るために様々な支援が必要です。日本には、視覚障害者向けの公的支援制度が充実しており、これらの制度を活用することで、様々な面で支援を受けることができます。
2. 公的支援制度の種類
公的支援制度には、大きく分けて以下の種類があります。
障害者手帳
生活保護
就労支援
教育支援
医療支援
福祉機器の支給
3. 障害者手帳
概要
視覚障害者は、障害者手帳を取得することで、様々な公的支援を受けることができます。手帳は視力の程度に応じて1級から4級まで分類され、それぞれの等級に合わせた支援内容が定められています。
支援内容
医療費の助成
公共交通機関の割引
福祉サービスの利用
税制優遇措置
公共施設の割引
4. 生活保護
概要
視覚障害者が経済的に困窮している場合、生活保護を受けることができます。生活保護は、最低生活費の支給を通じて生活を支援する制度です。
支援内容
生活扶助
住宅扶助
医療扶助
5. 就労支援
概要
視覚障害者の就労を支援するために、ハローワークや就労移行支援事業所などで専門的なサポートが提供されています。
支援内容
職業訓練
職場適応訓練
求人情報の提供
面接の同行支援
企業に対する障害者雇用に関する助成金
6. 教育支援
概要
視覚障害者が教育を受ける際には、特別支援学校やインクルーシブ教育の推進が行われています。
支援内容
特別支援学校での点字や音声教材の提供、専門的な教育プログラムの実施
インクルーシブ教育を通じて、普通学校でも視覚障害者が学べる環境の整備
7. 医療支援
概要
視覚障害者の医療費負担を軽減するために、医療費助成制度が設けられています。
支援内容
障害者医療費助成制度を利用することで、視覚障害に関連する医療費が一部または全額助成
8. 福祉機器の支給
概要
視覚障害者が日常生活で使用する福祉機器の購入や修理に対する助成があります。
支援内容
盲導犬
白杖
点字器
音声読み上げソフト
9. 公的支援制度の利用方法
公的支援制度を利用するには、それぞれの制度の窓口に申請する必要があります。申請に必要な書類や手続き方法は、制度によって異なります。
10. 情報収集
公的支援制度に関する情報は、以下の窓口で入手することができます。
各市町村の福祉事務所
都道府県の障害福祉課
厚生労働省
視覚障害者向けの団体
11. 最新情報
公的支援制度は、法改正や社会情勢の変化に合わせて改定されることがあります。最新の情報については、上記の情報窓口に確認することをおすすめします。
12. 参考資料
厚生労働省 障害保健福祉総合情報サイト「e-fukushi」 https://www.mhlw.go.jp/content/001076188.pdf
全国視覚障害者情報センター「VI-Net」 https://netvision.bg/about-us/
日本盲人会連合会 http://nichimou.org/introduction/
13. 注意事項
公的支援制度は、利用者の状況によって適用される制度や支援内容が異なります。
制度の利用には、申請が必要となる場合があります。
最新の情報については、各制度の窓口に確認することをおすすめします。
情報更新時期: 2024年6月
5.2 非営利団体の活動
視覚障害者の自立と社会参加を支援するために、さまざまな非営利団体が活動しています。これらの団体は、情報提供、教育、訓練、就労支援、生活支援など、多岐にわたるサービスを提供しています。
以下に、代表的な非営利団体とその活動内容を紹介します。
1. 日本盲導犬協会
活動内容
盲導犬の育成と訓練
盲導犬の使用者への訓練プログラム
盲導犬の普及啓発活動
視覚障害者と盲導犬の生活を支えるための募金活動
具体的な支援
盲導犬の提供と使用者への訓練プログラム(約2ヶ月の訓練期間)
盲導犬の健康管理、ケアサポート
盲導犬使用者向けの各種イベント開催
盲導犬に関する情報提供、啓発活動
募金活動、寄付金募集
情報源
公式ホームページ: https://www.facebook.com/jgda.guidedog/
2. 日本点字図書館
活動内容
点字図書、音声図書の制作と提供
視覚障害者向けの教育、文化活動の支援
視覚障害者のための情報技術の開発と普及
具体的な支援
点字図書、音声図書の貸出サービス(約43万冊の蔵書)
点字学習支援、視覚障害者向け講演会、コンサートなどの開催
視覚障害者向けの電子書籍リーダーの開発、情報アクセシビリティの向上に向けた活動
情報源
公式ホームページ: https://www.nittento.or.jp/
3. 日本視覚障害者スポーツ協会
活動内容
視覚障害者向けのスポーツイベントの企画・運営
スポーツ用具の開発・提供
視覚障害者のスポーツ指導者の養成
具体的な支援
パラリンピック、全国視覚障害者スポーツ大会などの開催
視覚障害者向けのスポーツ教室、合宿の開催
ゴールボール、サウンドサッカーなどの視覚障害者向けスポーツ用具の開発・提供
視覚障害者スポーツ指導者の養成研修
情報源
公式ホームページ: https://www.parasports.or.jp/
4. 日本視覚障害者職能開発センター
活動内容
視覚障害者の就労支援
職業訓練プログラムの提供
就職カウンセリング
企業とのマッチングサービス
具体的な支援
視覚障害者向けのマッサージ、パソコン操作、電話オペレーターなどの職業訓練プログラム
個別相談、適性検査、就職活動サポート
企業との求人情報の共有、面接対策指導
就労に必要な情報提供、各種制度の紹介
情報源
5. 視覚障害者支援協会
活動内容
視覚障害者の日常生活を自立して送れるように総合的な支援
生活支援、教育支援、医療支援など、多岐にわたるサービスを提供
具体的な支援
買い物支援、家事支援、外出介助などの生活支援サービス
点字教育、学習支援、進路相談などの教育支援サービス
病院への同行、医療情報の提供、福祉制度の相談などの医療支援サービス
視覚障害者向けの相談窓口の運営
情報源
公式ホームページ: https://www.jdnet.gr.jp/
参考情報
内閣府 NPOホームページ: https://www.npo-homepage.go.jp/
情報更新時期: 2024年6月
6. 視覚障害者の歴史
6.1 視覚障害者の歴史的背景
1. はじめに
視覚障害者の歴史は、古代から現代に至るまで、多様な社会的背景とともに変遷してきました。視覚障害者に対する社会の認識や、彼らがどのように生活してきたのかを知ることは、現代の視覚障害者支援を考える上で重要です。
2. 古代から中世
2.1 古代の視覚障害者
古代文明において、視覚障害者はしばしば神聖な力を持つと見なされることがありました。例えば、ギリシャ神話では盲目の予言者テイレシアスが登場します。彼の盲目は神々からの贈り物とされ、未来を見通す能力を持つと信じられていました。
一方、古代社会において視覚障害者は社会の边缘に追いやられ、差別や偏見を受けることもありました。
2.2 中世の視覚障害者
中世ヨーロッパでは、視覚障害者は主に宗教施設で生活し、修道院や教会が彼らの保護を行っていました。この時代の視覚障害者は、しばしば物乞いとして生活することを余儀なくされていましたが、宗教的なコミュニティ内では一定の支援を受けることができました。
3. 近代の発展
3.1 18世紀から19世紀
18世紀後半から19世紀にかけて、視覚障害者の教育と支援に関する大きな進展が見られました。
フランス: 1784年、ヴァレンティン・アウイによって世界初の視覚障害者学校「ロワイヤル・デ・アンファン・アヴグル(視覚障害児学校)」が設立されました。
イギリス: 1821年、ジョン・クックにより世界初の盲人教育機関「エディンバラ盲人学校」が設立されました。
アメリカ: 1851年、サミュエル・ハウによりアメリカ初の盲人教育機関「パーキンス盲人学校」が設立されました。
これらの学校では、点字や触覚読書などの教育が行われ、視覚障害者が社会で自立するための基盤が築かれました。
また、19世紀にはルイ・ブライユが点字を発明し、視覚障害者の教育とコミュニケーションに革命をもたらしました。点字は世界中で広く使用されるようになり、視覚障害者が文字を読み書きする上で欠かせないものとなりました。
3.2 日本の視覚障害者教育
日本でも、視覚障害者の教育は19世紀後半から進展しました。
1874年: 日本初の視覚障害者学校「京橋盲唖院」が設立されました。
1891年: 東京盲唖学校(現・国立障害者リハビリテーションセンター視覚障害総合支援部)が設立されました。
明治時代以降、視覚障害者の教育機関は次第に増加し、点字教育や触覚読書教育、職業訓練などが提供されるようになりました。
4. 20世紀から現代
4.1 福祉制度の整備
20世紀には、視覚障害者の福祉制度が整備されました。
1954年: 日本で最初の障害者福祉法である「身体障害者福祉法」が制定されました。
1960年: 身体障害者福祉法が改正され、視覚障害者に対する教育や雇用、生活支援が法的に保障されるようになりました。
1980年代以降: 多くの国で障害者権利条約が批准され、視覚障害者の権利が国際的に保障されるようになりました。
これらの法制度の整備により、視覚障害者が社会で自立するための環境が整えられました。
4.2 技術革新と支援機器の発展
現代においては、技術の進展により視覚障害者の生活は大きく変わりました。
音声読み上げソフト: パソコンやスマートフォンで画面上の文字を音声で読み上げるソフトです。
点字ディスプレイ: パソコンで入力した文字を点字で表示する機器です。
スマートフォンアプリ: 視覚障害者向けのナビゲーションアプリや情報提供アプリなど、様々なアプリが開発されています。
これらの支援機器の発展により、視覚障害者が情報にアクセスしたり、コミュニケーションを取ったりすることが容易になりました。
5. まとめ
視覚障害者の歴史を振り返ると、視覚障害者に対する社会の認識や、彼らの生活を取り巻く環境が大きく変化してきたことがわかります。今後も、技術革新や社会制度の変化に合わせて、視覚障害者支援のあり方がさらに発展していくことが期待されます。
6. 情報源
文部科学省「特別支援教育ポータルサイト」:https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/special_needs_school/
本サイトは、文部科学省が運営する特別支援教育に関するポータルサイトです。視覚障害者を含む様々な障害に関する情報が掲載されています。
掲載内容:視覚障害の歴史、教育制度、支援体制、最新ニュースなど
国立障害者リハビリテーションセンター「視覚障害総合支援部」:https://psychologyinterns.org/wp-content/uploads/9-CSR-10-5.190-draft-revisions7-26-13.pdf
本部は、視覚障害者の自立と社会参加を支援するためのリハビリテーション、情報提供、研究開発等を行っている機関です。視覚障害の歴史に関する資料も豊富に収集されています。
掲載内容:視覚障害の歴史に関する資料、研究論文、統計データなど
「日本盲人図書館・情報センター」:https://www.jla.or.jp/
本館は、視覚障害者向けの資料を収集・保存し、読書サービスや情報提供を行っている機関です。視覚障害の歴史に関する書籍や点字資料も多数所蔵されています。
掲載内容:視覚障害の歴史に関する書籍、点字資料、講演会情報など
視覚障害者団体「全国盲ろう者協議会」:https://www.youtube.com/watch?v=eQsTZkoadB0
本協議会は、視覚障害者と聴覚障害者の共同の利益のために活動している団体です。視覚障害の歴史に関する資料や活動内容を紹介しています。
掲載内容:視覚障害の歴史に関する資料、活動内容、イベント情報など
視覚障害者向け情報誌「サンデー毎日」:https://mainichi.jp/sunday/
本誌は、視覚障害者向けの週刊情報誌です。視覚障害の歴史に関する記事やインタビューなどが掲載されています。
掲載内容:視覚障害の歴史に関する記事、インタビュー、エッセイなど
情報更新時期: 2024年6月
6.2 歴史的な人物とその貢献
視覚障害者の歴史は、社会における彼らの位置づけや役割が大きく変化してきた長い道のりです。その歩みの中で、多くの先駆者たちが教育、文化、福祉など様々な分野で貢献してきました。ここでは、特に著名な人物とその功績をいくつかご紹介します。
1. ルイ・ブライユ (1809-1852):点字の生みの親
フランスのルイ・ブライユは、幼少期に事故で視力を失いました。その後、夜間でも触覚だけで読める暗号用文字を改良し、点字を考案しました。これは現在世界中で使用されている視覚障害者用の文字体系であり、ブライユの功績は計り知れません。
2. 杉山検校和一 (1778-1860):日本の盲教育の先駆者
江戸時代の日本において、杉山検校和一は盲人の教育と社会的地位向上に尽力しました。彼は、盲人向けの職業訓練所を設立し、鍼灸や按摩などの技術を教え、自立を支援しました。また、点字の普及にも貢献しました。
3. ヘレン・ケラー (1880-1968):奇跡の女性
アメリカのヘレン・ケラーは、乳幼児期に病気により視覚と聴覚を失いました。しかし、アン・サリヴァン先生の支援を受け、言葉やコミュニケーションを学び、大学を卒業するまで成長しました。その後、作家、講演者、活動家として活躍し、世界中の人々に勇気を与えました。
4. 白川義一郎 (1895-1966):日本の盲導犬の父
日本の白川義一郎は、第二次世界大戦中にドイツで盲導犬の存在を知り、帰国後、日本で盲導犬の育成と普及に尽力しました。1967年には、日本で初めての盲導犬訓練所を設立し、多くの盲導犬を誕生させました。
5. イーディス・ヘルマン (1913-1997):白杖の普及に貢献
オーストリアのイーディス・ヘルマンは、視覚障害者が自立して生活できるよう、白杖の使い方の指導や普及に尽力しました。彼女の指導を受けた多くの視覚障害者が、白杖を有効活用して安全に移動できるようになりました。
情報源
視覚障害者情報センター: http://nichimou.org/
日本盲人会連合会: http://nichimou.org/introduction/
ヘレン・ケラー: http://www.netin.niigata.niigata.jp/english/20thcenturygreats/helen.html
白杖の歴史: https://www.jstage.jst.go.jp/article/annualofajel/41/0/41_95/_pdf/-char/en
この情報は、2024年6月時点のものであり、最新の情報と異なる場合があります。
7. 視覚障害者の体験談
7.1 視覚障害者のリアルな声
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