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[ゲーム感想]アサシンクリードⅡ

アサシンクリード2
PS3
入手価格 330円
プレイ時間約 ストーリーモード32時間でクリア

"歴史は血で綴られる"

アブスターゴ社がテンプル騎士団の意志を現代に受け継ぐ闇の組織と知る事となったデズモンド。アサシン教団のスパイであるルーシーの力を借りアブスターゴから脱出することに成功する。
世界を変える力を持つといわれる秘宝を手に入れるため、最強アサシンの称号を持つ”エツィオ・アウディトーレ”の人生を追体験する事になるが、そこへアブスターゴの手が忍び寄る。
家族を殺されアサシンとなり復讐を誓う若きエツィオの闘い。彼が追う先にはテンプル騎士団の息がかかった予想外の敵が待ち受けていた。
世界を陥れる力を持つ古代の秘宝の行方、そしてアサシン教団とテンプル騎士団の争いの行方は。
古代と現代をまたにかけて繰り広げられる、闘いの火ぶたが今切り落とされる。

・前作からの違い

前作は、遊びの要素が少なくオープンワールドの魅力を生かし切れていなかったが、今作ではサブミッションやコレクション要素が増えて、創りこまれた箱庭世界を存分に楽しみ、その時代にじっくりと浸ることが出来る。

主人公のバックボーンがなかった前作と比べ、後にアサシンとなる主人公エツィオの、そこに至る理由等、きちんと描かれているので、目的意識もしっかりと持ってプレイできた。

大きな違いとしては、お金の要素が付加された事。ミッションクリアの報酬以外に、宝箱、スリや倒した敵から、街に投資等でお金を稼ぐことが出来る。武器や防具、アイテム購入や、人を雇う等、進行に大きな影響を与える要素となった。

前作での時間回復の体力は、今作では薬回復となった。前作では、体力が少ない状態で敵に囲まれると、そのまま削られて死に至る場面も多かったが、今作では薬を切らしさえしなければ死ぬことがほぼなくなりテンポアップにも貢献している。

・描かれた街。そこを疾走する快感

古代イタリアの街並みを再現した怒涛の完成度。前作より街が大きくなり、細かな創り込みがされた。
建物や人物についての解説も加わり、その時代の街を散策しているような楽しみがある。
目に見える部分はもちろん、見えない部分までエネルギーが注がれ、説得力のある楽しさ。
そこをゲーム性を損なわずにプレイヤーに伝えるのは並大抵ではないと思う。

味方を雇って注意を引く、共闘して共に戦う、隠れたところからの暗殺アクションが用意され、バラエティにあふれるクリア方法を自分で見つけ出す楽しみができた。
操作性が良くなった点を生かし、アンチャーテッドのように、キャラクターを操り試行錯誤でルートを見つける謎解きや、敵に見つからないようにステルスキルしながら進める等、要求されるアクションも多彩に。

グラフィックは前作の時点で完成されており、大きな進化はないと感じた。全体的なブラッシュアップによる底上げがされている。
街を行きかう人々の存在感が素晴らしい。ただ存在するのではなく、それぞれが目的を持ち生きている。今作では人ごみに紛れる事が出来るようになったので、その魅力もひとしお。

・作業ゲームの影がまだ・・・

相変わらず、敵との対峙に緊張感がない。攻撃も連打するだけか、敵が攻撃してきたらカウンター。
敵を倒せば倒すほど経験値がたまる、というゲームではないので、そこにさほど力を入れていないのかもしれない。
動きも良くなったとはいえ、操作入力からの反応に少しプアーな所が多々ある。今後シリーズでのさらなる進化に期待。

・問題は現代パート

ステルス要素が前作から数段面白くなった。前作では、ただ距離を空けるため走り、逃げてる途中に他の兵に見つかってまた逃げる、を繰り返させられたが、今作でようやく位置取りを意識し、見えない所に隠れる(紛れる)事に意味がおかれるようになった。前作から今作にて改善された最大の点に感じる。それがあってこそのステルス物。

前作でも見られた、”勝手にかっこよく”が、今作ではさらにレベルアップし、軽快に楽しめるようになった。アクションの楽しさでは随一なソフト。アサクリに関してはここを推していけば良いと思う。
一番楽しいのは、スリや金を持ったキャラをカツアゲする事。パルクールで逃げるキャラを追いつめる楽しさ。またお金もかなり儲かる。

現代パートについては前作(アサシンクリード無印)からがっつりの続き。何故?誰?何?と一切の説明なく、今作から始めた人には何が何やらのスタートで始まる。
さらに、前作の最後で提示された謎要素は、今作で全く触れられずに終わった。こうご期待!で終わらせておいて一切回収無し。
現代パートさえなければ、さほど疑問なく取り組めるので、単作で楽しむ方にはひたすら邪魔に思える要素。

2作目の時点で至高の域に達している。キャラクターの魅力も素晴らしいし、操作性やキャラクターの動きから粗さが消え、易く深くなった名作。
PS4にてエツィオシリーズ(今作Ⅱ、ブラザーフッド、リベレーション)3作がリマスターされて発売されている。超絶にお勧め。

その他
・操作に関する基本的なチュートリアルがあまりない
・助手の顔が少しブスに。スカートでなくGパンになったのが一番ショック
・高所から落ちている最中にボタンを押すと、再度壁を掴むことが出来、落下死が減った
・朝昼夜の変化がみられるようになった

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