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[ゲーム感想]アサシンクリード ブラザーフッド

アサシンクリード ブラザーフッド
PS3
入手価格 473円
プレイ時間約 ストーリーモード25時間でクリア

"それは孤独な戦いではない 影のようにつき従う仲間がいる"

前作で、闇組織テンプル騎士団の企みを防ぐことに成功したアサシン”エツィオ・アウディトーレ”。
しかし、心の師である叔父を目の前で殺され、世界を手に入れることが出来ると言われる秘宝”エデンの果実”をボルジア軍に奪われる。復讐を果たすべく、ボルジアの支配する大都市ローマに潜伏し、アサシンの仲間を増やしながら、様々なミッションを通して平和を取り戻すべく奔走する。
仲間と共に、ローマを開放してゆく主人公。闘いの中、マスター・アサシンとなり、教団の長として成長を遂げる。

・前作からの違い

ゲーム開始直後、唐突始まる敵の拠点攻撃、街を馬で疾走、恩人の叔父を殺され、苦労して手に入れた秘宝を奪われる等、前作以上に創りこまれたアクションシーン演出。同時期のアンチャーテッドやトゥームレイダーの要素も感じさせる。

毎度毎度、システムに手を入れてくれるのは嬉しい点。前作で加わった町への投資要素。ただメニューから投資対象を選びお金を払うだけだった前作から、今作は地域のボスを排除、敵の影響下をなくして店を再建、そこからリターンを得られるシステムになった。より、アクション要素が加わった形で縄張り争いごっこができる。

これまではいくつかの街を渡りながらのゲーム進行だったが、今作では基本的には巨大都市ローマが舞台となっている。街が大きいため、移動については馬をいつでも呼べる、また地下通路を利用してワープ(ファストトラベル)が用意されている。

最大の要素としては弟子。一定人数の弟子を抱えることが出来、彼らを呼び出して敵の排除に利用出来る。ボタン一つで完璧なアサシンをこなして立ち去ってゆく弟子を高みの見物。ゲームの進行もぐっと楽になった。

・前作でのおすすめポイントは全ておさえた上で、さらに上へ

敵との対峙、がこれまではバラエティに乏しく楽しみにくい点があったが、今作ではカウンターはもちろんの事、ガードの固い敵を崩したり、背後から鷲掴みにされて協力しながら殴られたり、馬上から切りつける&られる等、演出が多彩に。勝手にかっこよくももちろん健在で、毎作アクションの完成度が上がっている。
多数の敵に取り込まれた時、連続攻撃ができるようになった。一人を倒せば連続して次から次に仕留めることが出来、五月雨式に敵を倒す爽快感が手に入った。

街の中に点在するコロッセオやパンテオン等、著名な遺跡の数々。見える所にはどこへでも行けて、中に入れてまるで観光しているような気分になる。この時代のヨーロッパに興味のある人にはたまらない。また、その遺跡が絡んだミッションもしっかり用意されている。

軸として、グラフィックやキャラクターの動きに大きな違いは見受けられない。ブラッシュアップされ悪くなった点はなく、基本的に高いレベルで遊ばせてくれる良質ゲーム。

・「一度手に入れた物をなくすことは、最初からないよりもつらい」

前作で出来ていたことが、一旦リセットされて出来なくなってのスタート。そこからまたいろいろ覚えて育てる楽しさはあるのだが、続けてプレイしているとちょっともやもやする。

マップ上では開放すべき塔やミッションが表示されているので、そこに向かうと”進行不可”等と表示されて、そのエリアに入ることが出来ない。いわゆる進行都合制限。オープンワールドでこれをやられると興ざめする。例えば門が閉まっていて今は進めないとか、マップ上から進行出来ないエリアは見えない、とかしてほしい。

ストーリーが前作(Ⅱ)最後からのがっつり続きで、今作からのプレイでは全く意味不明。冒頭で突然風呂入ってセックスされてもわけわかんないと思うけど、前作から続きでやると、長い闘いの日々からようやくほっと一息付けてリラックスできたエツィオに感情移入出来る。

現代パートはさらに厳しい立ち上がり。解説なく専門用語を並べられ、変な機械に寝たら古代のアサシン操作に移り変わるストーリー。誰も理解できないし、説明する気もなし。
相も変わらず現代パートの必要性が見いだせない。

・派遣業は大忙し

弟子を持てるようになると、あちらの国のミッション、こっちの街のミッションへと派遣業務に忙殺されることになる。ミッションをクリアしながら、遊んでいる弟子がいないかに気を張り、能力に見合ったミッションを与える。まるで人材派遣業者になったかのよう。
共に闘い成長してゆく弟子要素は素晴らしい。ただ文字だけ表示される他の街へのミッション派遣は不要と感じた。

いざゲームが始まると、後は暗殺、誘拐、盗み、防御など、与えられたミッションをこなすのみ。ストーリーに大きな起伏もないため、分からないストーリーも気にならず、アクションを純粋に楽しめる。
序盤から中盤にかけてのミッションの積み重ねは、敵の勢力を排除し、街を開放してゆく楽しみ。店や遺跡を購入し、街を繁栄させ自身に富をもたらす喜びがあった。ミッション内容も、暗殺はもちろん、救出、脱出、護衛、尾行等多彩。またパルクールを生かした謎解きもあり。変わったところでは船を操り敵船を沈めるなどもある。
ストーリだけ追っても20時間ほどかかるボリュームだが、最後まで飽きずに楽しむことが出来た。

ただし、終盤にかけての秘宝”エデンの果実”を手に入れ、ボスを倒す所からラストまでの展開は、ぶつ切りで意味不明。
中途半端にアクション混ぜながら、力業と雰囲気で世界観を出しているが、何を見せられているんだの状態で終わりを迎え、急激に幕引きを図った印象。
「私は人の手では殺せない」と絶対の自信を見せるチェーザレ(最後の敵ボス)を高い所から落として殺す。「それは人が殺してるんじゃ…」と言えない雰囲気を醸し出しているが、全然無理。とんちにもなってねぇ。

純粋なアクションゲームとしての完成度は素晴らしく、当然のように過去作を上回っている。
映画で例えるとジョン・ウィックの2作目とか3作目を観ているようで、ストーリーは掴めないが、キレの良いアクション、作ごとの演出、見所増加で飽きずに楽しめる。
PS4でエツィオ3作がまとめ&リマスター発売されているので、そちらがお勧め。

その他
・血管の浮まで表現されたムービー
・ある程度のお金とアイテムが倒した敵から回収できるようになった
・いつでも呼び出せるようになった馬。動きも素晴らしい
・とりあえずボウガンで解決できるシーンが多く、スニーク要素が薄まった
・前作では全く存在感のなかったデズモンド(現代パート主人公)が、今作でアクションをこなすようになった
・敵からいろんな材料を集められるようになったけど、使い道がよく分からない

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