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[ゲーム感想]アサシンクリード

□アサシンクリード
PS3
入手価格 473円
プレイ時間約 ストリーモード22時間でクリア

"次世代のゲームプレイがここにある!"

1191年聖地エルサレムを舞台に十字軍、イスラム軍の争いが続く陰で、平和を求めるアサシン教団は暗殺を武器として、影の世界で暗躍していた。
アサシン教団の中で、一番の実力を持つと言われるアルタイル。彼のDNAを受け継ぐデズモンドは謎の組織に捕らわれの身となり、古代の先祖の体験を未来に伝える機械をとおして、埋もれた謎の解明に協力する事となる。
果たして組織の狙いは。またミッションを通して教団の闇に気づいてゆくアルタイル。暗殺に秘められた真の目的は。
その謎が今判明する。

・魅力あふれるキャラクター

主人公”アサシン”が、突出したかっこよさ。白装束でフードを深めにかぶり、剣を扱い人知れず敵の暗殺を遂げる。入り組んだ街の中を超人的なスピードで飛び回り、建物から建物へ飛び移りながら、縦横無尽に疾走して追手を撒く。いわゆるキャラクターがたっていて、これほど魅力あふれるキャラクターも早々ない。

古代の街並みが見事に再現され、その中を簡単操作で駆け回るパルクールアクションが楽しい。特にシビアな操作をせずとも、勝手に(これ重要)かっこよく、梁やら、建物に突き出た柱の上を飛び回りながら移動出来る。
基本的には与えられたミッションをこなしていく。暗殺する対象者を提示され、盗聴や脅しで情報を集めて最後のターゲットを始末する。近年のオープンワールドといえば、サイドミッションやコレクション要素がてんこ盛りで、メインから外れても膨大な寄り道要素が用意されているが、そこがなくて清々しいほどにシンプル。

古代をテーマにした作品と思いきや、まさかのSFゲーム。ざっくりいうと、古代アサシンのDNAを持つ主人公が、現代に存在する巨大企業(アブスターゴ社)の発明した機械(アニムス)を使って、古代のご先祖様に乗り移る。説明によれば、アブスターゴ社が再発見し開発したヴァーチャルリアリティマシーン。被験体の遺伝記憶を読み取り、3次元的に外部モニターに出力し、現代で鑑賞することが出来る。
時代をさかのぼる要素はないが、映画「アバター」を思わせる設定。

大筋で提示されたミッションに従い進むことになるが、そのルートや行き先は自分で決められるオープンワールドなつくり。ミッション進行は自分の思う順序で、また、その解決ルートも様々で、そこを探す楽しさがある。
正面突破しようとすると、敵も多く厳しい立ち回りを要求されるが、建物をよじ登って裏から攻めるとあっさりだったり、オープンワールドの良さを生かした進め方が出来る。

・良くできてはいるが、結局は作業ゲーム

メインから外れるその他の部分は、楽しめる要素がなく、オープンワールドの魅力を生かしきれていない。何故か兵隊達は民衆いじめに精を出しており、彼らを救う事で味方が出来たりもあるが、大きな要素ではなくほってもおいてもゲームクリアには支障がない。
せっかくなので、怒涛の創りこみを見せる街並みを使い、じっくり遊ばせて欲しかった。

肝心のメインミッションもひたすら単調で同じことの繰り返し。操作の楽しさである程度救われてはいるが、一言でいえば退屈。

暗殺がテーマとなっているので、ステルスを駆使して人知れず殺して静かに去っていくのかと思いきや、ステルスバラエティがほぼない。距離を縮めてサクっと刺す。見つかったら逃げて隠れるか、皆殺しで騒ぎを静める。
正面切ってのアクションも、爽快感や対峙の深みがなく、基本的には敵が攻撃を仕掛けてきたらボタン。カウンターが繰り出され、敵をぶっさすアクション。
この少ないギミックであれば、内容は半分から2/3ぐらいに絞っても良かったと思う。
売りのパルクールアクションも、操作性が今一歩洗練されておらず、詰めでバタついたり、動作が止まったり、あらぬ方向に飛び出したりがみられる。

一番の不満は、敵に見つかった状態から、平常時に戻す方法として、ある程度敵から距離を開け、街の中に設置された隠れる事の出来る場所(わら草、ベンチ、隠れスペース)に行く事になるが、発見状態解除が距離でしかないため、逃げている最中に別の敵に見つかり、また逃げてる最中に敵に見つかり・・・を繰り返しさせられる事。
攻撃して倒す部分にも楽しさを感じないので、そこらも飽きへの要素となっている。

・ここからの栄光

この後シリーズは毎年発売され、それが現在まで続いている。
PS3だけでも7作品を数えるビッグシリーズのため、1作目で躓きたくない。出来れば最後までクリアしたいの一念でプレイした。やってる最中、「ほんとにこのシリーズは面白くなるのか?」の疑問が付きまとった。逆に言えば、よくメーカーが育てたなと感心する。

途中出てくる台詞がひたすらかっこいい。「善悪は相対的だ」「目的は正しいが手段は間違っている」「憎悪は心を蝕む」「力ずくの協力は奴隷と同じ」等、もしかしたら今のロシアとウクライナ、イスラエルとハマス等、現代の世界情勢を表したかのような、刺さる台詞が続々と出てくる。
その正義・悪は誰にとってのものか。果たして絶対的な善悪は存在するのか。そんな葛藤と苦悩を抱いた主人公の気持ちが今の時代に伝わる。
いつの時代も人間は変わらない、そんな証明にもなる作品。

この作品をプレイした限りでは、現代パートの必要性を感じない。DNA?のツッコミもあるし、誘拐なのかなんなのかよく分からないが、従順に従うだけの主人公、用済みで殺せと言われているのにまったく抗う様子なし。このあたりで未来パートの登場人物に全く感情移入できなかった。
善悪や使命の意味に葛藤しながら、与えられた命令に従い人を殺めるアサシン教団の戦士アルタイル。そして教団の真の狙いは。
その設定だけで十分行けたと思う。

シリーズを知るという事では、不可避なゲームではあるが、歴史を知って、現役シリーズソフトをより深く楽しもう精神がない人にはお勧めできない。
近年のアサクリシリーズは、原点回帰あり、RPG要素ありと、進化も見せながら、またリブート的な作品もある模様。
絶対に楽しめる事間違いなし。是非のプレイをお勧めする。自分も今からそこへ追いつくのが楽しみ。

その他
・何故、物乞いに金をやれない?
・現代編での助手のパンチラ
・飛ばせない台詞パート
・人ごみから聞こえるワンパターン音声がうざい

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