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[ゲーム感想]メダル・オブ・オナー ウォーファイター

PS3
入手価格 528円
プレイ時間約5時間45分にてキャンペーンクリア

”戦う理由は、ひとつじゃない”

前作より現代戦に舞台を移して発売され、今作はその流れを汲んだ続編。
リアル指向のFPSゲームとして、アフガニスタンを舞台に、家族の存在を胸に、仲間と共闘しながらテロリストと戦う一兵士のストーリーが描かれている。
登場人物に変更は見られるが、時代(時期)もその設定も前作を引き継いだ完全続編。特殊部隊員として、家族と共に生きる平和な世界。しかし、現実には裏の世界では紛争やテロがなくなることなく勃発している。
平和の陰につきまとう暗く悲惨な暗黒の世界(ダークサイド)。選択を迫られた主人公は自分の進むべき道を探し求め葛藤する。

・前作からの違い

ストーリーがあまりなかった前作の反省か、今作では戦闘時以外での家族との描写などもムービーにて描かれドラマってる。
家族との平安な生活。国を脅かすテロリストとの戦い。どちらをなすべきかで揺れ動く主人公の葛藤。ベタな演出ではあるが、ゲームとして十分かと思う。
細かい点の操作等で、ブラッシュアップや操作の追加、変更は見られるが、シューティングの軸、グラフィック等大きく変わっておらず、内容も伴って前作からのがっつり続きといって差し支えない。

・怒涛の演出

前作で見せた怒涛の創り込みは健在。とにかくステージのバリエーションが多く飽きさせない。車の運転ステージ、逃げるテロリストを追いかけながらの銃撃、ヘリやボートに搭乗しての銃撃など、どれも高いレベルで遊ばせる。また、洪水状態でいろんなものが流される廃墟の街を進んでゆくステージ。爆発で吹き飛ぶ障害物、ドアを蹴破っての突入演出等。ギミックが多く飽きる事がない。

・気になった点

スポーツFPSと呼ばれるCODやBFとの差別化をリアル指向に求めたのかもしれないが、一発即死が多すぎて萎える。

暗いシーンは、敵が撃ってくるまで見えない気づかない。撃ってきた敵を撃ち返す、ただのモグラたたきになっている。前作ではいつでも装備できたナイトスコープだが、今作では進行都合で勝手に装備されたり外されたりする。
気づいていて、間に合わず撃たれるのと、撃たれるまで気が付かないのは受けるストレスにかなり差がある。

スナイパーステージでは、タイムリミット内に敵を排除する必要あるのだが、敵との距離により弾道差調整を要求されるのに、発砲後に着弾地点をきちんと見せてくれない。

後半の捕らえられた船の中で、敵を倒しながらテロリストの親玉を追い詰めるステージは、何故かリアル志向を捨てヒーローステージになっている。
全体的に見て出来は悪くないのだが、ちぐはぐさもあって印象に残らない。

一番の不満は、味方NPCの出来の悪さ。せっかく仲間との共闘を取り入れているのだから、左側の側面を味方が抑えているときは、そちらは任せた、こっちは俺が抑えるぜ!と思いたいのに気が付けば敵が真横にいる。確認すると遠くで隠れて当たらない敵を執拗に打ち続け、目の前を通り抜ける敵はスルー。敵もそんな味方をスルーして自分だけをロックオンして攻撃。
仲間をあてにできない所は、このゲームの魅力を半減させる。

・良くも悪くもバトルフィールド化

今でも十分楽しめる完成度。
前作のラストシーンががっつり組み込まれ、前作登場の主人公が満を持して登場など、いわゆる”回収”で最高に盛り上がる。
ワンコイン入手なので、シングルプレイは前作とあわせて1本と考えれば納得。
前作と共に遊んでほしいし、PS5での2作まとめてリマスターも十分行けると思う。

この作品以降MOHは鳴りを潜める。本格的なリアルFPSゲームの走りとして、時代を牽引したシリーズの最後の作品としては少し寂しい。
最後にごりごりのWW2で勝負してほしいと思うのはわがままだろうか。

その他

・防弾チョッキ着用の敵がジョン・ウィック並みに固い
・匂わせるが雰囲気だけで芯のないストーリー。ゲームのストーリーとしては十分

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