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講演会レポ■観光まちづくりデザインセミナー「アホがつくる街と広告」〜アイデアとデザインで街を作る〜 地域活性虎の巻

こんにちは。

行けない行けないと言っていたにもかかわらず、ラッキーで行けそうだったので行ってきました。

走り書きしてるので書き間違いとかはご容赦ください(笑)

2019/02/19追記■あまりにも走り書きすぎたのでちょっと整えました(笑)

日下慶太さんについて

少し前にネットで話題になっていた「商店街の変なポスター」、見たことがあるという人もいるかも知れません。
その「商店街の変なポスター」の仕掛け人が、電通のコピーライター、日下慶太(くさかけいた)さんです。

日下さんがいうコピーライターとは、

企業の課題を「言葉という技術によって」「言葉をベースとするアイディアによって」解決するお仕事、とのこと。
またその「言葉」が「ビジュアル」になると、「デザイナー」とか「アートディレクター」と名前が変わるものなんだそうです。

日下さんは自分のまちづくりをしつつ、他の地域の町おこしを手伝っている人。真田幸村公が亡くなったとされる安居天神の近くにお住まいだそう。

今日はわたしが聞いてきた内容を、わたしが理解した範囲でまとめていきます。

■地域活性虎の巻1■ いいコンテンツを作る

まず一番は、いいコンテンツをつくること。けど、これがなかなか難しい。

広告というのは、基本的に邪魔者。テレビCMが始まったらチャンネル変えたりトイレに行ったり、YouTubeでも広告が流れたら早く飛ばします。
映画や番組、動画、本、、などなど、見たいコンテンツはお金を払うけど、広告はそこに入り込んでくる邪魔者。誰も見たくないというのが原則としてあり、それをいかに見てもらえるよう工夫するのか?というのがとても大切。

 ①客観的な視点を持つことと、サービス精神を持つこと

広告は、第一声から自慢が始まることが多いです。
そもそも邪魔者である広告で、うちはこんなにいいものがありますよ、最高級のモノをつかってますよ、みたいな事をアピールしています。これは全然おもしろくありません。

よく見せたい、というのも大事だけど、他人が見たときにどう感じ、どう伝わるか?が一番大切。

おもしろい、変、カッコいい、かわいい、美しい、ためになる・・・

という要素と、

短く、わかりやすい

という要素を掛け合わせるのが必要なのだそうです。


人は、0.2秒でそれが興味あるかどうかを判断しているらしい…という話もあり、0.2秒で見て何かわかる、見ようと興味を持ってもらえるものである必要があります。

そして、「広告を見た人にくすっとしてもらおう」とか、なにか楽しんでもらう、というようなサービス精神。
ただ伝えるだけでなく、ちょっとでも見てくれた人のためになにかしてあげよう、という気持ちが大事。

 ② シンプルにする

あれもこれもと情報を詰め込むのではなく、シンプルにすること。

基本的に、ポスターであれば、ワンビジュアル+ワンコピー。
写真は一枚、コピーも一つ。

10個言いたいことがあるのなら、10種類のポスターをつくればいい、という考え方です。

SNSもこれと同じ。Instagramはタイムラインに並んでいるものは写真が一枚しか見えず、興味がある人は文章も見るようになっていますね。
ツイッターは文字制限140字と短く、ワンコピー。
Facebookは両方ともできますが、長い文章やたくさんの写真は省略されるようになっています。これもワンビジュアル・ワンコピー。

SNSで反応がたくさんもらえるものも、これを応用するといいとのこと。

自慢的な投稿ではなく、見て楽しんでもらおうというきもちで、文章も写真もシンプルに。

 ③ 現地でとことん考える

現地に行って、自分の足で調べて目で見て話を聞くこと。
デスクで考えないで、現地に行ったほうがいいものになります。

そして、自分のお店・会社の広告を作るときは、自分でやると客観的に見るのが難しいので、他社に任せてしまったほうが良いというケースもあるとのこと。

■地域活性虎の巻2■ 上手にPRする

いいコンテンツができたら、次はPR。
PRするお金がないなら、メディアに取り上げてもらうしかない。

 ①丁寧なプレスリリースをする

プレスリリースのコツは、複数媒体に送ること。
テレビ、新聞、フリーペーパー、SNSなどなど、たくさんの媒体に、しかも何回もプレスリリースをすること。

企画が決まったら、企画書をつけてプレスリリース。
チラシができたら、プレスリリース。
一週間前になったら、プレスリリース。
3日前に、プレスリリース。
前日に、プレスリリース。

しつこいと思われるかもしれませんが、プレスの人は毎日プレスリリースを大量に受け取っているので、何度もやって気づいてもらうには何度もプレスリリースをすることが効果的だそうです。

…でも、コンテンツ自体が悪かったらダメなんで、いいコンテンツを作る、というのがまず大原則になります。

また、一度仲良くなったプレスの人との私的PRも効果的。

 ② メディアが食いつくコンテンツの特徴

効果的なのは、おもしろい(話題性)+社会にいい(公共性)の掛け合わせ。
社会にいいというのは、地域活性化とか、災害復興、ノーマリゼーションとか、そういったことです。

話題性があり「おもしろい」だけのライバルはたくさんいるし、公共性がある「社会にいい」だけではつまらない。

だけど、これをかけ合わせると、メディアも取り上げやすいんだそう。

ただし、企業のPRというのは公共性が低かったりするそう。

で、日下さんはこの比率をおもしろさ7:社会にいい3くらいを考えているらしいです。これは人によって変わってくるとのこと。

メディアの人は気が滅入るようなニュースだけでなく、いいニュースをいつも探しているものだそうで、公共性があるとメディアの人も社会的に良いと乗ってきてもらいやすい。

 ②’ おもしろい+社会にいい+自分にしかできない

面白くて、社会に良くて、それが自分にしかできないことだったら、もっといい。

日下さんにとってそれが「ポスターを作ること」。
職能を活かした社会貢献のことをプロボノというそうです。

 ②’’ おもしろい+社会にいい+自分にいい

「自分にいい」とは、ざっくり行ってしまえば下心のこと。

「地域のために!」とかではなく、「自分が楽しい」「自分がやりたい」とか、具体的に言うと「賞金がほしいから」「就職活動に有利だから」とか、そういうことです。

下心をうまくマネジメントする、ということですかね。

実際に、文の里商店街のポスターは16もの賞を獲得されたそう。

この4つの要素が重なったところが、自分が一番強いところです。

 ③ 残す

物理的に残すこと。見える場所に見えるようにしておくこと。
「まだあるし残ってるから見に来て」と言える状態にしておくのが「残す」こと。

たとえば、人口減少に悩み消滅可能都市といわれている福井県大野市では「卒業式プロジェクト」というを行い、高校の卒業式に保護者が「歌」をプレゼントしたという例があります。
「歌」も、残るもの。

(これ講演中に流れたんですが、ハンカチあってよかったと思った…)

残るのは「ハード」ではなく、「ハードな(残る)ソフト」に変えていく。

ポスター、歌、イベント、組織、システム、人のつながりなどが、日下さんのいう「ハードなソフト」。

■地域活性虎の巻3■ 地域を巻き込む

地域を巻き込むということは、仕掛け人だけではなく、地域の人がプレイヤーになれる工夫をしよう、ということ。

 ① フォースを伝授する

フォースというのは、あれです。スターウォーズの、あれ。フォースを感じる。

大阪駅構内で「大阪検定ポスター展」をやった時の話。

大阪府の104の駅それぞれに、大阪に関するクイズを104作って掲示したもの。

このポスターのクイズは駅員さんに考えてもらったものだそうで、やはり自分が考えたものが形になるのは嬉しいので、駅の一番いいところに貼ってくれたんだそう(笑)。

また、伊丹西台のポスター展では、商店の方たちがとても乗り気だったので、それまでの商店街ポスター展ではやらなかった「お得なサービス」と「おもろいサービス」を店主の皆さんに考えてもらったそう。
ほかにも、人生で一度もプレゼンなんかしたことないような店主さんたちのプレゼン大会を催したそうです。

(よみふけってしまう)

また、福井県大野市のポスター展では地元高校生に4日間のワークショップに参加してもらい、高校生自らが地元の面白い大人を見つけ、写真撮影をし、コピーを考えたそう。

レイアウトはスタッフサイドで行ったとのことですが、これも素晴らしい作品ばかりでした。

この「ポスターの作り方」を教えるというのが、ここでいう「フォースを伝授する」こと。
なにか一つに5年位従事していれば、そのスキルは伝えられるはずなので、積極的に「フォース」を伝授していきたい。

また大野市の写真集プロジェクトでは、地元の映像作家さんが撮影した写真に、地元の人が作ったコピーを添えたもので写真集をつくったそう。
ヨソモノはその地域のことはわからないけど、スキルが有ればアドバイスしたり、チョイスすることはできるため、地元の人が書いてきたコピーに「もう少し短くできませんか?」とか「これいいね!」と一緒に作っていったんだそう。

そしてその写真集は、地元高校の卒業生に配布されたのだそうです。いいなあ。

地元の人々がプレイヤーになると、参加者も楽しくなるし、自走できるようになります。
大切なのは、コピーライターやデザイナーが一生懸命やるんではなくて、いっしょにやること。

 ② 場所を作る

いろいろな場所に行ってみると、良い地域にはいいアジトがあると感じることが多いんだそうです。特に、カフェやゲストハウスがあることが多いみたいです。

日下さん自身も地元の新世界市場で空き店舗を改装してバーを作ったり、隣にゲストハウスを作ったりしているそう。
とくに学生さんはお金がないので、「長居できてみんなが遊べる場所」があるといいみたいです。

■地域活性虎の巻4■自分を変える

一番難しいところ、最後の項目は「自分を変える」こと。

 ① 供給の足りないところに供給を

広告業界は、いま供給が圧倒的に多いそうです。
つまり、PRするものに対して、広告を作る人がとても多い、ということのようです。

クリエイティブなものが大企業に群がっているため、デザインの価格はどんどん安くなっているという現状だそうで、争いも熾烈。

でも、ちょっと地方に目を向けたら機会がすごくたくさんあり、供給が全然足りていない現状だそう。
なので、そういったところに貢献できないかを考えると、それがビジネスにつながりやすい。

 ② 社外活動が社内活動をイノベーションする

Google20%ルールというのがあります。
Google社では、勤務時間の20%は通常の業務を離れて、自分のやりたいプロジェクトをやらなくてはいけない、というもの。

どうやらこの本に書いてあるようですね。

(現在この20%ルールが継続されているかは不明ですが)

日下さんが初めてポスター展を始めたのも、ご自分で課外活動としてやっていた「セルフ祭」をより地域貢献的にするにはどうしたらいいか?というのを考えたら生まれたアイディアだったそうです。

(リンク先はカオスオブカオスです)

また日下さんは、UFOを呼ぶことに特化したバンド(!?)「エンバーン」メンバーとしても活動中。
戸隠の鏡池近くで演奏したら、本当にUFOを10人近くの人で目撃したそうです(!)。

 ③ 自分の舞台は自分で作る

「あなたが面白い人間でないならば 面白い仕事は待っていても来ない」

つまり、自分が「面白い人間である」ということを 仕事以外で示さなくてはいけない、ということ。

自分の私財を投資して、自分のやりたいことをするというのが、将来的にビジネスにつながることもある。

なんだか、先日書いた記事を彷彿とさせる話で、ちょっとどきどきしてしまいました。

 ④ 自分のフィールドを作る

わざわざ、競合相手がたくさんいるようなフィールドに行かないこと。
自分一人しかいない、代わりの人がいないから仕事が来る。どこに住んでいようと、そういう人には仕事が来ます。
正当ルートでやろうとすると、めちゃめちゃ競争になります。

堀江貴文さん(ホリエモン)の言葉も紹介されていました。

「100人に一人のスキルを3つ持てば、100×100×100で百万人に一人の存在になれる」

 ⑤ アホになれ

最後に紹介されていた動画がこちら。3分ほどの短い動画です。

日下さんが最後におっしゃっていたのは、フォロワーになれ。
一人の地域のアホを助けるフォロワーになること。
裸で踊る一人のアホを、自分の持つスキルでフォローすること。しかも、その一人目として飛び込んでいくこと。

ここでいうアホとは、規格外のことをする、ちょっと思い切ったことをする人のこと。

そして、照れと遠慮を投げ捨てること。
今目の前にあるチャンスは、一生に一回だけの機会かもしれない。
それを、照れとか遠慮とかで逃すなんてもったないない。

照れと遠慮を投げ捨ててアホになれ!
というまとめでした。

おい上の感想

今回の話は「デザイン」に重点を置いた講演かなーと思っていたんですがそうでもなくて、地域活性をしたい人や上手にPRしたい人にもとても参考になるお話だったなと思いました。

参加されてる方はデザイナーさんがやはり多い印象でしたが、そうでない人もホント参考になる話でした。

「地域の人を巻き込んでなにかやる」というのはおいでよ上田も次にやりたいな、と思っていたことなので、タイミングよくいい機会をもらいました。

あ、あと、日下さんのサイン本、買いました。(笑)

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