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【デイケアのお風呂場から】パンツを変えたくない人

お風呂から出たあと、
パンツ(下着。ズボンでなく)を変えたくない人がいる。

本人の口から出る理由は、色々。

朝、変えてきたから。
まだ汚れてないから。
もったいないから。
とにかく変えたくないから。
新しいのを持ってきていないから。
洗濯が増えると嫁に怒られるから。 etc..

「事実」が違うことも、多い。
洗い替えはカバンにあるし、
お嫁さんは変えてほしくて替えを持たせているし、
汚れているし、
何日も履いた紙パンツで、ワタワタになっているし。

でも、でも、でも、

大事にしたいのは、こちらから見た「事実」とか、清潔とか、
ましてや「私ならこうする」という私の正しさじゃなくて、

まずはその人の「私はパンツはこうしたい」という考えと気持ち。

もちろん、あまりにもひどい状態ならば本人に交換も申し出てます。

たかがパンツかもしれないけど、
それも大事な「らしさ」だと、介護職になりお風呂場パートをやったから、よくわかった。

教えてくれたのは、一緒に働くスタッフさんたち。

そして、先に逝かれたお客様たち。

いつかそのこだわりも、体が終わりに近づき、お風呂に入るだけで精一杯になり口にしなくなる時が来ると、今は知っている。

今日もお風呂場で、
たくさんのこだわりを見届けられて
私が嬉しかった。
写真ークスノキの花

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