USBコンデンサマイク購入前に
自粛の流れもあって、サウンドハウスからエントリー宅録モデルが消えた!という昔からお世話になっている人間からすれば、理解不能な状況になっている昨今。録音性能が高いコンデンサマイクを使う人も増えてきているのではないかと思います。
その流れの中でUSB接続のコンデンサマイクを使う人も多いかと思います。刺すだけで使えるので非常に便利でいいアイテムですが、ガッツリ録音するぜ!となった時に困らないように音量調整がマイクからできるものを選んでおくことをお勧めしたい。
その仕組みを簡単に考えてみる
一般的にコンデンサマイクってパソコンに繋ぐにはこういう感じになります。
接続を文字にするとこうなります。
マイク ー オーディオインターフェイス ー パソコン
一方、USBのコンデンサマイクはオーディオインターフェイスが不要でダイレクトにパソコンに突き刺さります。これはお手軽。
原理的な部分
USBのコンデンサマイクはどういう仕組みでパソコンから見えているかというと、オーディオインターフェイスとして認識しています。マイクとしてではなく、マイクがつながっているオーディオインターフェイスという扱いです。
これ、実は少し曲者でwindowsマシンだとドライバ問題が発生することがあります。というのもwindowsは基本的には複数のオーディオデバイスを同時に使用することができません。なので普段音声を再生しているデバイスから録音中は音が出ない、というトラブルがありえます。
こんなことでは使い物にならん!って言われてしまうので、ほとんどのUSBコンデンサマイクはドライバにASIO4ALLを使用しています。これにより、マイクも普段使っているデバイスも一つのものとして認識するようにしています。死ぬほどざっくり説明すると、普段使っているデバイスもUSBコンデンサマイクもASIO4ALLという一つのインターフェイスとしてパソコンに認識させることで同時に使えるようにするのです。
問題はASIO4ALLは既に開発そのものはほぼほぼ終わっているプロジェクトであり、ドライバの更新で言うとなかなかの期間止まっていること。USBコンデンサマイクではない、普段使っている再生デバイスがASIO4ALLに対応しているかどうかでいうと、自分で調べないとわからない。これ、結構な盲点でしょ?ほとんどの場合は、この手のケースに備えてヘッドフォンを挿せるものが多いのですが、もちろん全てではありません。
あと、ドライバとしてASIOという規格を使っているので使用している録音用ソフトウェアがASIO対応かどうかも大事です。フリーソフトでは一部非対応なものもあるので、USBコンデンサマイクを使っている人が使用しているソフトウェアを質問できればしておきたいところです。
メーカーは自社製品の品質しか保証してくれないので、組み合わせたときのトラブルは当然ながら想定していないし、答えすら出せないこともあるのです。ソフトの部分でも触れましたが、使っている人たちが周囲にいれば話や環境を事前に聞いてからにするといいかもしれません。
録音時に気をつける部分
コンデンサマイクを使っての録音、慣れていない人だとマイクが近すぎてノイズがものすごく増えたり、音割れしちゃったりがあると思います。一般的にはこういう時はGAINを下げるのが正解です。日本語で言うと入力音量です。
これを調整するのはほとんどの場合、オーディオインターフェイスのつまみで行います。スムーズな録音のためにはGAINの調整は不可欠なので、オーディオインターフェイスのつまみは手軽で便利。
問題は、USBコンデンサマイクの場合です。
製品によってはマイクの裏面に調整する箇所があったりするのですが、そもそも調整機能が存在しないものも結構な数あったりします。つまり、録音音量に関するトラブルを簡単に回避する術がない製品があるということなのです。これ、事前に確認すべき非常に大事な部分です。Amazonなどで買い物する時に画像の拡大は忘れずに行っておくべきなのです。
ヘッドフォンの音量ではなく、録音時のマイク入力の音量調整。これが大事なのです!
便利なものは便利に使いましょう
USB接続のコンデンサは非常に便利です。刺すだけでいいのだから。
とはいえ、注意すべきポイントもあるので気をつけてください。せっかく便利に使う以上は、トラブルは避けたいですからね。
教える立場なのでできる限りはワークショップなどで教えた内容を説明していこうかなと。地方の人やワークショップに事情があって参加できない人たちへのサポートが今後もやっていければと思っています。