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バイノーラルマイクとASMR

このシリーズです。

最近、猛烈な数が増えていて良いんだか悪いんだかわからない勢いで増えているバイノーラルマイクを使ったASMR動画。これ、どう言うものなのか、どう言う理屈なのか、上手に録音するにはどうするのか、この辺りを説明していこうかと思います。実際に仕事で50本ほどやった結果、演者とエンジニアの負荷がものすごく高いな、と。


【すごい技術なの?】
バイノーラルマイクを使ってのASMRって技術的には20年以上前にとっくに完成されていて、2000年になる前のサウンドカードにすらAPIが対応していた。つまり、格段新しいことでもなく凄いことでもない。シンプルに考えれば、元来ニッチな使い方をする古い技術を活用することができる時代になった。それが、万人がメディアたりえる動画投稿の時代にマッチしたと言う事実だろう。下の画像ぐらい古いパーツの時代からある技術。

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パソコンなどは技術が進んで低価格化が進む。そこから一気に普及することが多いが、バイノーラルマイクに関しては全くの逆。需要が高まって安いものが市場に出始めた。もともと高いものでもなく一般的な技術なのだから。

そんなお勉強は別として、ここからはちょっと実際に仕組みと録音に関して説明していこう。理解してしまえば既にやっている人でも、かなり違いのあるものを撮れるようになりますよ。50本以上商業で納品してみてわかった、基礎がないとノイズが増えて、音量が散るという非常に面倒なものだった。

クオリティ考えずにそれっぽく撮るだけなら簡単だから、同人や素人の配信で増えていると言う側面が現状では大きいのだが、人が増えすぎたことを考えるとそのメリットはいずれ消える。なぜ簡単にそれっぽくなるのかも説明します。これ、理解してからそれっぽくファン増やしてる人のを聞いたら、ちょっと愉快なぐらい道具の特性だけって見透かせるようになりますよ。


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教える立場なのでできる限りはワークショップなどで教えた内容を説明していこうかなと。地方の人やワークショップに事情があって参加できない人たちへのサポートが今後もやっていければと思っています。