エンジョイ・焼き肉ホリデイ

どうも、オイ・ワンキンスです。
今日はヤキニクについて書いていきましょう。

諸兄姉におかれましては焼き肉と聞いてどんなイメージをお持ちでしょうか?

BBQ?
宴会?
人の金で食べるヤツ?

確かに、一般的なヤキニク像は団体戦が殆どだと思います。
しかしこんなページを開いたヤキニク・ジャンキーの方々が求めている焼き肉はきっと違うはず。

もっと、もっとだ。
もっと高みを―――

そんな声が聞こえてきます。
覚悟が、伝わってきます。

そんな皆様のために「東洋のBB級ヤキニク・シャーマン」を自称するワタクシめが未熟ながら個人戦の焼き肉についてアツアツに語らせていただきたく思います。
なお、これを読んで生じるエンゲル係数の増加、貯金残高減少等の不都合につきましては一切の責任を負いかねますのでご理解ください。

そして私の文章に真っ当なお料理情報を期待しないでください。


まずは肉の選び方!
腐ってなければOK!

個人戦の良いところは自由、どこまでも広がる自由へ恐る恐る一歩を踏み出すことからスタートしましょう。
大抵の肉は料理で美味しくなります。

あくまで大抵の肉、ですので、どうしようもない肉もあります。
色々な肉を買ってみてください。
そして数多の悲しみを乗り越えた先でお会いしましょう。

―――高みで待つ。

ちょっと好事家向けなことを書くと、牛肉については値引きされてても味が落ちているものは少ない感じがします。
色が暗くなっているから値引きされているという印象です。

値引きされた肉が沢山並んでいると売れてない感が出てしまうので光の速度で買い物カゴに放り込みましょう。
和牛は選ぶのが難しいので機会があれば別に書きます。


次に焼き方、の前に、霜降り肉の食べ方について。

霜降り肉というのは200gで高校球児の胃袋を黙らせるほどの超重量級食材です。訓練を積めば300gほど食べられるようになりますが、
「今日は記念日だから霜降りステーキだ!」
なんて思ってる方はどうか一歩踏みとどまってください。

たまの贅沢、と言ってステーキに挑み、儚く散っていった消費者を何名も見てきました。

ではどう食べるのが正解か。
簡単です。
ちょっと食べればいいのです。

最初は刺身パックに含まれるマグロくらいの量で充分です。そして己の限界を知ることが大切だと言えます。

いやもうステーキ買っちゃった。
という人は食べられそうな量だけ焼き肉にして残りはカレーやチャーハンにしましょう。これらは脂を結構使うのに食べやすい料理代表ですので、霜降りの重さをある程度受け止めてくれます。
この救済措置を知っているかどうかで地獄を見る危険が大幅に減るので覚えておきましょう。


ということで次は焼き方です。
ここからは我流なので多分役に立ちません。

まず脂をフライパンに放り込みます。
肉を買うと貰える純白のサイコロですね。

ここで脂が完全に溶けないことを祈りましょう。

サイコロ牛脂は完全に溶けるヤツと何かが残るヤツに分かれます。
溶けるやつは色々な脂を一回溶かして四角く固めたもの、何か残るヤツは腎臓の周りからカットされた脂身なのです。

もし全部溶けてしまったら肉とかから何とかして脂身を調達します。

脂身を熱し、熱し、熱し・・・
しばらく加熱すればカリッときつね色になるハズです。

しかしまだです、きつね色の二歩先・・・
焦げる一歩手前まで熱します。
こうすることで脂身の持つ香りポテンシャルを最大まで引き出すことが出来るのです。

ここまで熱すれば脂身は天かす程度の大きさになっていると思います。塩を振って米と食べてしまいましょう。

あと、忘れていけないのは焼き肉を盛る器にお湯を張っておくことです。
私は肉用の器には肉しか盛らないので、肉用の器だけ温めておきます。
出来るだけ厚くてそこそこ深い器に6割ほど入れておくのがお勧めです。
ここから忙しくなるので器いっぱいにお湯を入れるとうっかり熱湯に指を突っ込んで命を落とす危険があります、気を付けてください。


次にモヤシを炒めます。
個人的にはそこそこ香ばしい匂いがするまで炒めます。
その際、塩コショウを良い感じに振っておきましょう。

こうすることでフライパンが『完成』します。
香ばしい脂、下味となる塩コショウ、良い感じの熱が揃い無敵の布陣となっているハズです。

そしたら肉用皿に張っておいたお湯を捨てて水気をきっちり拭き取っておきます。これをしないと肉が焼き上がった時すごい焦ります。焦りは禁物です。冷静に、しかし情熱をもって。


さて、もう戻れない所まで来てしまいました。
大きく息を吸って5秒止め、ゆっくり吐きます。

肉を睨んでください。
ここからは命のやり取りです。

一秒、これで運命が分岐し、
五秒、これを逃せば死。

―――構え。

ヤキニク!(掛け声)


食べられそうな量の肉をフライパンに並べます。
多すぎず少なすぎず。
例えパックに一切れ残るとしても些末な問題です。
大事なのは皿に何切れ乗るかですから。

肉がフライパンに揃い踏みしたところで火をつけます。
火勢はお好みですが、中火だと簡単かもしれません。

ここからはもう感覚です。
5mmくらいの薄切り肉は表と裏を3:7くらいの時間で焼き、全ての肉が雄叫びを上げたらフライパンをコンロから持ち上げてササっと皿に盛りましょう。スピード勝負、迅速に。ご安全に。


1~2cmの厚切り肉において勝敗を決するのは速さではありません。
勘です。
肉の声を聴いてください。

片面が良い感じに焼けたら裏面をしっかり焼き、もう一回ひっくり返して蓋をします。
ガラス蓋の場合、ここでフライパン内に白煙が満ちる光景を目にすることが出来るでしょう。

蓋により視覚と聴覚、嗅覚を奪われた状態での調理ですが焦ってはいけません。肉は人間の心を読みます。感情が乱れればその隙を突かれ、コゲます。

牛や羊は多少赤くても大丈夫ですが、鳥や豚は完全に焼きましょう。焼き加減が不安なら一番厚いところを切ってみて色を確認する勇気も必要です。
美食に命を賭すのはモノノフの誉、されど病院送りは嫌でしょう。

何か良い感じになった気がしたら温めておいた皿に肉を、フライパンに残った肉汁はモヤシにかけておきましょう。


これで料理は終わり、
しかし焼き肉は終わっていません。

肉が冷える前に食い切りましょう。
まずはモヤシ、これを食べることで焼き肉の出来がおおよそ分かります。
肉を焼くまでにどれだけ脂を香ばしくすることが出来たか、それがワンキンス式ヤキニクの要点だからです。

そして肉、こちらは塩コショウかポン酢をかけて食べるのが非常にお勧め。

焼き肉のタレや他人の食い方に色々言いたくないのですが、タレは全ての肉をタレの点数に揃えようとする効果があります。私の感覚だと焼き肉のタレは70点の味なので、100点の肉も70点になってしまうのです。
その点ポン酢や塩コショウは時に残酷な現実を突きつけ、時に至高の肉を引き立てる調味料です。

良い感じに焼けたぜ…! と思った時は騙されたと思って塩コショウを振ってみてください。脂っこい肉にはポン酢がお勧めです。


無心で食い、吟味し、合掌。
これにてヤキニク終了に御座います。

月一回くらいでやると非常に楽しいです。
これをヤキニク・セラピーと呼んでいます。

体感としては親しい友人らとのヤキニク3時間に相当する幸福量を短時間で得ることが出来るので忙しい現代人にもぴったり!

みんな!
肉を食べましょう!

以上! ヤキニク!!!

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