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「隅田堤の弥生」−せっかくの堤の桜を…−『江戸名所道戯尽』

蒸し暑くてイライラしてきますね。
丸坊主にしたいくらい。
絶対にしないと思いますけど、、。笑

そんな頭の蒸し蒸しにイライラする今日も広景。今回は『江戸名所道戯尽』の「八 隅田堤の弥生」です。

◼️ファーストインプレッション

どういう状況?というのが初めの感想。
多分よく見ていくと、おそらく若い女性と年配の女性が一緒に座っていたところに茶色の衣服を纏った人が座ってきて腰掛けが破壊したのでしょう。
上を囲う枠組みがどんな役割があったのかはこの絵からは判断できませんが、おそらく日除けの笠のようなものがかけられていたのでしょう。

腰掛けから滑り落ちてしまっている物として煙管や湯呑み、灰が散っています。

一緒に座っている奥の女性ふたりはそれを見て笑っています。
驚く様子ではないのが江戸っ子らしさ。
せっかくの花見も慌てて誰かが怒ってなんて雰囲気を一切出さないようにしているのか「滑稽」で済んでいますね。

◼️墨田堤の弥生とは

題名の”墨田堤”は隅田川の堤のある部分のことだとわかるのですが、”弥生”とは何を示しているのでしょう。

この絵が描かれている場所は隅田川沿いの桜の名所であるのでこの辺りではないかと特定しました。

「長命寺桜もち 山本や」とありますが、その真下に示されている墨堤植桜之碑というところはその関連の土地ではありますね。

この辺りと仮定して絵の川の向こう側を見ると小高い丘がありますがそこが地図の緑の一帯の左にある待乳山聖天が該当すると思われます。

題名の弥生というのは地名の一部ではなく花見の季節を表す季語なのでしょう。

なので3月であるということ。
隅田川沿いの堤の3月の光景であるということですね。

しっかり花も満開で春爛漫ですからぴったりな題名です。

◼️隅田川×桜

これまで飛鳥山と桜の組み合わせをたくさん見てきましたが、隅田川沿いって
ちゃんと見ていませんでした。

広重の『東都名所』「江都名所 隅田川はな盛」です。

隅田川とあるだけで特定の場所は示されていません。
丘の上では行列を成していますが、これは大名の花見の行列なのかただの人混みなのか気になりますね。

渓斎英泉の『隅田堤桜盛』です。
隅田川の桜堤を描いていますが、堤の光景がメインですね。
女性三人も含め人々の生活を描いています。
三人の女性たちはそれぞれの着物に華やかな柄を置いています。
後ろの現実的な描写とは対比的に豪華絢爛です。
この絵で気になるのは後ろの富士山の位置。
隅田川沿いに麓があるくらいありえない近景。
いろんなものを詰め込みたい精神が出たのかもですね。

こちらも渓斎英泉の『東都花暦』「隅田堤之桜」です。
隅田川のどのエリアを描いているかによりますが、やはり富士山は近めに描かれがちなのですね。

渓斎英泉を詳しく知らないのが仇ですが、やはり近いですよね。
いくら江戸時代とはいえこんなに近く見えていたのかな、、?


同じく英泉の『花見帰り隅田の渡し 四季の内春』です。
ここでは富士山は描かれません。
人々がメインでしょう。
それにしても桜が本当によく咲いている。
船に乗っている人の一人は桜を持ち帰ってます。

二代目広重の『江戸名勝図会』「墨田川」です。
素朴な印象。隅田川の光景はそこまで描かずに岸の花見客の様子。
なんだか騒々しいですが景色と対比していて見応えがあります。
空には月が昇っていますので仕事ややるべきことが終わった夕方の時間なのでしょうね。


なんかだ
今日は
エンターキーを
押すと
このように
変異改行されちゃうので
打ちにくくて
イライラします。

バイトでも
お客さんに
怒られたし。
今日は
ここで
やめます。


今日はここまで

#歌川広景
#江戸名所道戯尽 #浮世絵

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