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ロビーのソファー補修をやりながら気づいた人生の目標

区分所有する収益マンションのロビーには、おしゃれなソファーが置いてあります。
エレベーターを降りてからからオートロック扉に向かうまでの間に設置してあり、一緒に外出する同居人が部屋から降りてくるまでのちょっとの間、スマホ見ながら待つにはちょうどいい位置です。

ホワイトレザーの張地とミドルウッドの木製台座からなるソファーは、殺風景になりがちなロビー空間のアクセントになっているばかりでなく、座り心地も抜群で私のお気に入りです。

ところが久しぶりに物件を見に行ったところ、木製部分のいたるところに凹み傷ができていて塗装も剥がれ、無残な姿になっていました。
後で分かったのですが、定期清掃で床の石材を洗浄する際、フロアポリッシャー (↓)をソファーの木部にぶつけていたのが原因でした。

フロアポリッシャー

このポリッシャー、かなりの重量があるのか当たった衝撃でできた木部のエグレ傷は結構深く、奇麗に修復するためにはパテ処理した上で塗装する必要があります。

ホントにもう、この清掃業者にプロとしての自覚は無いんかい!
まともな清掃業者なら、傷つけてしまった初回清掃後に管理会社に正直に申告し、次回からは木部をクッション材で保護してから清掃作業するのが当たり前やろうに!
でもこんなふうに業者のプロ意識の低さから共有部分に傷をつけていること、意外に多いです。

傷の多さから判断して、毎回ぶつけていたとしか思えません。
共有部分の資産価値保全に躍起になっている私はもう怒り心頭で、すぐさま管理会社のフロント(担当者)に連絡して修理を要請しました。

とはいえ、パテ処理して塗装するとなると5万円程度はかかるでしょう。
私は管理組合の役員なので、余計な出費は抑えなければならない立場でもあります。
傷が目立つとはいえ足元部分なので、塗装が剥がれて白くなった部分だけタッチアップ塗装でごまかせればいいだろう、それなら安上がりだろうと考えていました。

フロントからの回答は、お抱えの修繕会社にタッチアップを発注すれば税込22,000円。パテ処理を施せば別途料金が発生。
もっと安く上げるには管理員を派遣している会社に市販の塗料を購入させてタッチアップさせる方法があるが、仕上がりは補償できないとのこと。

さてどうするか?
タッチアップだけで22,000円は高いし、仕上がりが完璧かどうかも分からない。
かと言って管理員の素人作業では、きれいな仕上がりはまず無理。
と言うのも、今までいろんなDIYに挑戦してきた私は、建具や家具のタッチアップ補修ももちろん経験済みで失敗もしてきたからです。
艶あり/艶消し、油性/水性、色のトーン、塗料の濃さなど、よく考えて塗料を選ばないとタッチアップした部分が目立ってしまって思うような仕上がりになりません。

それが分かっていたので、ちょっと考えた末に「私がしようか?」とフロントに提案しました。すると待ってましたとばかりに「宜しくお願いします」と即答され、結局私がする羽目に。
こんな流れになるのも、フロントとの信頼関係ができていて腹を割って本音で話せるからなんですがね。


DIYに慣れているとはいえ、”共用部分=区分所有者全員の財産” であることを考えると、いつになく緊張してより慎重になります。

先ずは塗料選び。
ホームセンター・コーナンの塗料コーナーに行き、ずらっと並んだ塗料を一つ一つ時間をかけて見ていきました。
そこで目に留まったのが、この(↓)塗装済みのサンプル。

色目はバッチリで、艶消しだし水性タイプの着色ニスだから、塗り重ねることで色の濃さは合わせやすい。
よしこれだ!と近似色2色を購入。
あとはパレットと絵筆を100均で購入し、準備完了。

でもいきなり本番はやはり不安なので、自宅で試し塗りをしてみることにしました。
すると、ニスが主成分だからか、思った以上にシャバシャバで薄っすらとしか着色しません。
あの塗装サンプルと同じ色になるまでには何回重ね塗りすることになるやら・・・。
それでも諦めずに塗っては乾かし塗っては乾かしを繰り返して、5回の重ね塗りでようやく濃い色に仕上がりました。
ホント、初めての素材はなにかと難しいです。

そして今日、本番を迎えました。
床に新聞紙を引いて寝ころびながら塗装すること40分。
なんとかイメージ通りの仕上がり(↓)になりました。


上手くいったときの達成感はひとしおです。

作業を終えてフロントに写真付きで報告すると、「材料代、交通費にプラスアルファ(工賃)を加えてお支払いします」との連絡を受けたので、実費合計2,864円と報告。
すると、工賃込みで10,000円でどうかと連絡を受けました。が、しかしプロではない私には不相応な金額で、これは明らかに私に気を遣っています。
材料選びや現場までの往復に要した時間に作業時間を加えると、拘束時間は約3時間。これに材料費を加えて5,000円が妥当と判断し、この金額にしてもらいました。

今まで一区分所有者として、あるいは管理組合の理事としていろいろな活動をしてきましたが、交通費すらも自己負担で全てボランティアでやってきました。
だから今日初めて5,000円の報酬を得られたことは、自分のやったことをちゃんと評価してもらえたようで、なんだか嬉しくて小躍りしたくなるような気持ちになりました。
と同時に、例え1円でも報酬を得ればその責任はついてまわるんだと、ボランティアとの決定的な違いも感じています。


定年退職後の嘱託期間もあと4年。
家賃収入以外の収入源をどうするか試行錯誤しています。
自分が一生懸命になれることで収入を得られれば最高ですし、金額にかかわらず報酬を受け取れば責任を負うことになり、良い緊張感が維持できます。
ボケないためには適度な緊張感は必須。
仕事が上手くいけば達成感が得られ、それが生きがいとなっていつまでも若々しく生きていく原動力となるのでしょう。
どうせ生きるなら、活き活きと毎日を楽しみながら過ごしたい。
それが実現できる何かを探し出そうと決めました。

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