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持ち家vs賃貸 生涯賃貸でよくない?

昨年還暦を迎えた私の世代はまだ「結婚して自分の城を築いてやっと一人前」という風潮だったので、そうすることに何の疑問もありませんでした。

しかし今となっては、数年後に子供たちが独立したあと夫婦二人が住むには無駄に広いのに、今までと変わらず毎月の管理費と修繕積立金の負担は続きます。
しかも築30年越えのマンションのため、修繕積立金の額は大規模修繕後の見直しのたびに上がっていきます。固定資産税だってばかになりません。

一方、定年後の延長雇用では、現役時代と比べて収入が半減するのもめずらしくありません。
無駄な出費を見直し、週に一度乗るか乗らないかの自家用車を手放して月額2万円弱のマンション駐車場代を浮かせても、管理費と修繕積立金の負担はこれからもずっと続きます。

売却する方法もありますが、新築で購入した物件なら売却価格が3割から5割下落するのは見込んでおいた方がいいかもしれません。もちろん立地や売却タイミングによって変動しますが。

マンション購入派は「払い続けても自分のものにならない家賃は無駄。ローンが終われば100%自分の資産になる」「高齢になると家主が嫌がって賃貸住宅が借りれず住宅難民になる」と考えているかもしれませんが、自宅マンションが必ずしも「資産」になるとは限りません。
売却しようと思ってもローン残高が売却金額を上回っていて売るに売れない話もよく聞きますし、そもそも購入金額ほどの資産価値がない「負動産」もあります。

高齢になってからの住宅問題も、賃貸住宅の供給過多により空室率が上昇している現状をみれば、家主もいつまでも入居者を選べる時代ではなくなるでしょう。
また、賃貸住宅での孤独死問題についても、各種見守りサービスが充実して早期の発見が可能になってきていることで、高齢者の入居のハードルも下がってくると考えます。

駅構内などで配布されている住宅関連のフリーペーパーを見ると、30年前と変わらず住宅取得を促す記事が掲載されていますが、数年後の近未来だけではなく、数十年後の未来を見据えて「住まい方」を検討すべき時代が来ています。

そう考えれば、「負動産」になるかもしれない住宅購入リスクを背負わず、ずっと賃貸に住み続け、家族構成の変化に応じて住み替える方がずっと合理的でスマートな選択ではないかと、最近つくづく感じています。

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