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トイレの詰まりの意外な原因はこれだった

前回の記事では、賃貸に出している部屋のトイレが詰まって流れが悪くなった話を書きました。
その修理に立ち合った際に清掃業者から意外な原因について教えてもらったので、今回はそれをお伝えします。
マンションに居住中の方は勿論、大家さんの維持管理のヒントにもなるので必見です。


清掃業者がワイヤー清掃すると、ボールペンや生理用品、大量のティッシュなど、明らかにこれが原因だと分かるものが出てくることもあれば、トイレットペーパーしか引っかからないこともあるようです。
ではなぜ水に溶けるはずのトイレットペーパーだけでも詰まってしまうのでしょうか?
そのカギは普段の水の流し方と空室期間にありました。


用を足す際に、人によっては毎回大量のトイレットペーパーを使ったり節水を意識し過ぎて最低限の水でしか流さない人がいるそうです。
するとどうなるか。

出典:すてきテラス by Haseko


便器 → 横引き管(床と並行に配置された排水管=図の緑の配管)→ 縦管(最上階から1階まで垂直に通った汚水管=図のオレンジの配管) に至るルートのうち、最初の横引き管の中で汚物やトイレットペーパーが流れきれずに留まってしまうのです。

便器には臭気止めの水溜まりがありますが、それを通過した後の横引き管と縦管は汚物が流れる時以外は水は溜まっていません。
つまり横引き管の中に流れきらなかった汚物やトイレットペーパーがあると時間の経過とともに水分が抜けて固まり、それが詰まりの原因になるというわけです。

賃貸マンションでは入居者が退去した後、次の入居者が生活を始めるまでに空室期間があるのでこれが起こりやすく、配管内に残ったトイレットペーパーなどが固まってしまって水を流したぐらいではびくともしなくなるのです。

大家さん、空室期間中はマメに水を流して流れ具合をチェックしましょうね。



流したトイレットペーパーの量が多すぎた場合や便の詰まりであれば、応急処置として家庭用のラバーカップで詰まりを解消できる可能性があります。
100均やホームセンターでラバーカップを買ってきて便器内の水たまり部分にカップのゴムを隙間なく押し当て、10分ほどシュポシュポと押し引きしているうちに詰まったものが取れていることがあるので、根気よく試してみてください。

それでもダメだったら、テレビのCMで流れているような街の修理屋ではなくマンション全体の管理会社お抱えの清掃業者に依頼しましょう。
管理会社のフロントマネージャーにお願いすれば出張修理を手配してくれます。

なぜそれを勧めるかというと、高額な修理代を請求される心配がなく、詰まりの原因や詰まった箇所によっては出張作業代をマンション管理組合で負担してもらえるからです。
つまり、詰まった箇所が共用部(=縦管)であれば管理組合負担、専有部(=横引き管)であれば区分所有者負担になるのです。

明らかに異物が原因であれば100%区分所有者負担になりますが、トイレットペーパーだけが原因で、しかも詰まった場所が横引き管と縦管との接続部分と思われる場合は、”共用部分での詰まりの可能性があるグレーゾーン” と判断されて管理組合で負担してもらえる可能性が高いのです。


ファミリー向けの分譲マンションにお住まいなら全戸一斉に年一回程度の定期清掃が実施されていることと思いますが、トイレの配管清掃は定期清掃の対象には含まれていません。
なぜならトイレはトイレ専用の径の太い横引き管を使い、且つ縦管までの距離が短いために詰まりにくいと考えられているからです。

油や湯ドロ、石鹸カスなど、キッチン、浴室、洗面所、洗濯パンの、いかにも詰まりやすい排水が集まる縦管(図のピンクの雑排水管)とは違うんですね。
つまりトイレは正しく使っている限り詰まることは無いという前提なんです。


先ほど “横引き管と縦管の接続部分の詰まりはグレーゾーン“ と書きましたが、この箇所にトイレットペーパーの塊が引っかかって詰まることは、実はちょくちょくあるそうです。

ところがこの部分までワイヤーを通すと抜けなくなる可能性があるので、先ずは高圧洗浄を行い、それでもダメなら便器を取り外して清掃するのだとか。
こうなってしまうと作業に数時間掛かってしまいますし、最低でも3万円程度の作業料が発生します。


ある日水洗レバーを回したら ”水がどんどん上がってきて汚物と一緒に便器から溢れてきた!“

そんなことにならないよう、貯水タンクにペットボトルを沈めて節水したり「小」のレバーで流したりせず、「大」の十分な水量で勢いよく流し切れているか時々チェックしてみてくださいね。


そう言えば、うちの息子がまだ小さい頃は一週間に一度しか排便しませんでした。
心配になって小児科で相談もしましたが体質のようで心配ないと。
排便時は時間を掛け、「出たよ!」と聞くとホッとして「良かったね、頑張ったね」と労ったものでした。

で、流そうと「大」のレバーを回すのですが流れません。
そう、大人の手首ぐらいの太さの巨大なウンチが便器の排水口に立ちはだかって、びくともしないのです、ホントに。
私はそのたびに割り箸で小さく切って流したものでした。
息子のウンチだから出来たんですね。
子育て時代のいい思い出です。

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