【TRPG自キャラ設定】ディグル


ディグルは星を見るのが好きだった。
旅をする中で、夜に眠るまでは夜空を見上げ、輝く星々に名前を付けたり星を繋げて形を作ってみたり、多くの時間星を見ていた。

とある星の地上を恐竜が支配していた時代、ディグルはひとつの命として誕生した。
この星の恐竜の寿命は平均して30歳。
概ね年を5つ数えれば成人として扱われる。
この星での恐竜はいわゆる人としての文化を確立している。とはいっても道具は原始的、食糧の自給は最低限。主に狩りによって食は賄われている。

ディグルの村では成人の儀として自身の資質を試す儀式が行われる。
その成果によって、村に伝わる装飾品を身につける権利を得る。
ディグルはその村の中ではひときわ優秀であった。
多くの大人を差し置いて、自身の能力が秀でていることを示した。
その結果、ディグルは村に伝わる装飾品を授かることとなった。
この装飾品は降りかかる災いを引き寄せて身に受け、その力の強さに応じて自身の力となる呪具である。
今までの災いを記録し、その記録から呼び起こされた災いを身に受けることも可能である。

ディグルは星を見るのが好きだった。
この装飾品を授かったディグルは旅に出ることにした。
旅に出て、故郷を遠く離れた地で見える星がどのように変わるかを見てみたかった。
日々変わる太陽の出ている時間。
日々変わる月の形。
日々変わる星の動き。
それらの仕組みを知りたかった。

旅の中、夜になれば夜空を見上げた。
北に強く輝く動かぬ星を見た。
季節によって見え方が変わる星を見た。
一瞬のとき、流れる星を見た。
長い尾を引き、空を切り裂く彗星を見た。

そして、赤く輝き、地上に降り注ぐ星を見た。
空を裂き、地上を揺るがし、森を焼く星をみた。
ディグルは、その星を災いなのだと認識した。
降り注ぐ星の一つがディグルへと向かった。
ディグルはその星を撃ち返すべく、拳を構え、星がぶつかる瞬間に三度打ち付けた。

そしてディグルは世界から消失した。





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