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マスクと距離

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記事のきっかけ

この記事を書こうと思った発端はこれ。マスク着用による感染リスクの低減の話。

Twitter上でこれをツイートしている人がいて、「一目でわかりやすくていいな!」と思って出典を聞くリプライをしました。

その元となったツイートはバズって現在20万いいね!を超えています。そのツイートにコメントしたので、通知がこの2日間ずっと不定期に来続けています。

マスクは必須!マスクをつけるのは常識!世の中マスクをつけていない人なんていないと思っていた。ソーシャルディスタンスは常識!距離をとらない人なんていないと思っていた。そんな常識が常識でなくなってきているんだなと感じました。

このツイートがバズるということは、マスクをもっとしてほしい、距離をもっととって欲しいと思っている人がいるということだと思います。

出典はどこ?

どんな情報でも出典がどうしても気になってしまいます。元情報は

Facebookのこのサイトという話をもらいました。

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「International Journal of Pharmaceutical Sciences and Research」

そしてその下に

by Society of Pharmaceutical Sciences and Research

この機関が発行している雑誌として、Journal of Advanced Pharmaceutical Technology and Research(J Adv Pharm Technol Res)があるようですが、2020年発行の文献を探しても該当しそうなものは探せませんでした。

「詰んだな」  正直な感想でした

マスク着用のリスク軽減の根拠を探す

ロイター・ファクト・チェック

2020年2月12日 ロイターは新しくReuters Fact Check(ロイター・ファクト・チェック)事業とブログをスタートさせています。ソーシャルメディアの怪しいと判断した投稿動画や写真、記事を審査し、ロイター・ファクト・チェックのブログで、なぜそれがフェイクなのか、部分的にウソなのか、本当なのかが一覧で表示されます。各ソーシャルメディアはその情報を基に偽情報の投稿を嘘とわかるようにラベルを付け、拡散を抑制する仕組みとなっているようです。

このロイター・ファクト・チェック(REUTERS FACT CHECK)で2020.4.24にとりあげられている内容がこちらです。

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この画像に対してファクトチェック(一部虚偽)がかかっています。

ファクトチェック

この表示が出て、理由を見るをクリックすると、

ファクトチェック1

ファクトチェックの内容が表示されます。この画像に対して、3つのファクトチェックがかかっていましたが、今回はロイターのものをみてみます。

【部分的に誤った主張:フェイスマスクを着用することで、COVID-19の感染リスクを最大98.5%削減】

ロイター1

マスクを着用していないCOVID-19保菌者とマスクを着用している非保菌者の間には70%の感染確率があります。マスクを着用しているCOVID-19保菌者とマスクを着用していない非保菌者との間には5%の感染確率があります。また、COVID-19保菌者と非保菌者の両方がマスクを着用している場合には1.5%の感染確率があります。(立証されていない内容)

 ロイターこれらの割合を裏付ける証拠を見つけることができなかったと記載しています。ロイター通信は米国疾病対策センター(CDC)にも確認していますが、CDCの広報担当者は、「この画像に反映されている数値の正確さを確認できず、現在のところマスクの使用によるリスクの低減を定量化できるデータは見つかっていない」と回答しています。

また別のファクトチェックの記事においても、「図に示されているリスクの相対的な順序は正しいが、実際の数は、ケースまたは保菌者によって流出されたウイルスの数、2人の個人間の距離、マスクの材質によっても異なる」と記載されています。

要するに、数字の根拠はないが、リスク低減の順序は正しい

という、一部虚偽の結論になっています。

余談ですが、ハムスターに対してマスク効果を検証した文献はあり、その中では感染リスクの低減を数値で表現できています。

THE LANCET記事のコメント

物理的な距離、マスクはCOVID-19感染を劇的に減らすことができます:Lancetの記事からのコメントが記載されています。

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他の人から3フィート離れた場所にいると、伝播のリスクを推定12.8%から2.6%未満に下げる可能性があり、6フィートの距離は1.5%にそのリスクを下げることができる。また、マスクを着用すると、リスクを約17.4%から約3.1%に減らすことができると記載されています。

Chu DK, Akl EA, Duda S, et al. Physical distancing, face masks, and eye protection to prevent person-to-person transmission of SARS-CoV-2 and COVID-19: a systematic review and meta-analysis. Lancet. 2020;395(10242):1973-1987. doi:10.1016/S0140-6736(20)31142-9

CDCの考え方

CDC(Centers for Disease Control and Prevention:米国疾病対策センター)の該当ページ ☟

【CDCの布製マスクの考え方】
★公共の場や、世帯以外の人との社会的距離を維持することが困難な場合に、布製マスクを着用することをお勧めします。
★布製マスクは、COVID-19感染者が他の人にウイルスを広めるのを防ぐのに役立ちます。
★2歳未満の子供や、呼吸に問題がある、意識がない、無力である、または支援なしにマスクを外すことができない人は、布製マスクを着用しないでください。
【CDCのフェイスシールドの考え方】
◇通常の日常活動でのフェイスシールドの使用や、布製マスクの代用としての使用を推奨していない。
◇フェイスシールドがマスクなしで使用される場合、フェイスシールドは着用者の顔の側面を包み込み、あごの下まで届くようにしなければならない。
◇使い捨てのフェイスシールドは、一度だけの使用に限り着用すべきである。再利用可能なフェイスシールドは、各使用後に洗浄・消毒する必要があります。
◇新生児や幼児のためのプラスチック製のフェイスシールドは推奨されていません。

【布製マスク着用に関する例外】・聴覚障害者や聴覚障害者、または聴覚障害者の世話や交流をしている人々
 コミュニケーションに読唇術を使用している場合、布製のマスクを着用できない場合があります。この状況では、フェイスカバーを使用することを検討してください。フェイスカバーが利用できない場合は、口を布でふさぎながら、書面によるコミュニケーション、字幕の使用などを検討してください。
ビーチやプールで泳いでいるとき
 布製表面マスクが濡れる可能性のある活動に従事しているときは、布製マスクを着用しないでください。濡れた布は、呼吸を困難にすることがあります。水泳などでは、水中にいるときに他の人との物理的な距離を維持することが特に重要です。
ランニングなどの激しい運動をしている人
 呼吸困難の原因となるため、布製のマスクを着用できない場合があります。着用できない場合は、換気と空気交換の多い場所(屋外と屋内など)で、他の人との物理的な距離を維持できる場所で活動を行うことを検討してください。
布製マスクが熱中症のリスクを増加させたり、マスクの紐が機械に巻き込まれる等安全上の懸念がある環境で作業する人
 労働安全衛生の専門家に相談して適切な顔カバーを決定することができます。

さいごに

結局、リスク軽減の数字の根拠になっている文献は探せませんでしたが、Lancetの記事からもわかるように、6フィート(約2メートル)の距離を保つこと、マスクを着用することは確実に感染リスクを低減させることは間違いないため、ソーシャルディスタンス、マスク着用は皆で意識して今後も取り組んでいきたいですね。

今更ですが、この記事を書いていて、最初に話題として挙げた画像の上から2番目のRiskは30%ではなく、70%ではなかろうか?と思いました。

めっちゃ顔に飛沫かかってますからね。


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