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経口補水液(ORS)

熱中症予防あるいは、熱中症後の増悪予防のためには、経口補水液(ORS:oral rehydration solution)が適切だと言われています。

OS-1(オーエスワン)

有名なところではOS-1(オーエスワン)がありますが、それでも本家WHO(世界保健機構)のORSと比較するとNa濃度はやや低くなっています。

スポーツドリンクはそれよりも更に電解質濃度が低く糖濃度が高くなっているため、既に脱水をきたしている場合にはORSが適しています。

経口補水液(ORS)をつくってみる

今回経口補水液が手作りでつくれるということがわかった¹⁾ので、実際につくってその服用感をOS-1(オーエスワン)と比べてみたいと思います。

作り方は、『 Rehydration Project 』というサイトに載っています。

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この中では、「1Lの水+ティースプーン1/2杯の塩+ティースプーン6杯の砂糖を混ぜ合わせる」方法が紹介されています。

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※カリウムを加えるためには、1/2カップ(100mL)のオレンジジュースまたはマッシュバナナ を加えると良いという記載があります。
※白糖の代わりに糖蜜や他の形態の生砂糖を使用するとカリウムを補充できるという記載もありました。

それではさっそく作ってみます。

まずは1Lの水、オレンジジュース、塩、砂糖を準備

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これを攪拌するとこのようになります。

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うすいオレンジ風味で、OS-1と同じように後味として塩味を感じるようにできあがりました。
OS-1の方が美味しいというのが正直な感想ですが、脱水を補正できる薬だと思ってのめばスイスイいけます。
一度試しにつくってみてください。

熱中症の予防で気を付ける水分補給²⁾

日本国内での水分に関する情報としては

■ 環境省の「熱中症環境保健マニュアル

■ 日体協の「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック

の2つがあります。

両方をまとめると
・水分補給のための休憩は15~30分ごとにとる
・水分摂取:競技前=250~500mL/hr、競技中=500~1000mL/hr
・運動が3時間以上持続する場合には塩分を必ず摂取
 (食塩濃度0.1~0.2%:Naとして100mLあたり40~80mg)
・発汗量の70~80%の補給を目標にする
・体重減少を2%以下に抑えるようにする

適切な塩分をとるにはどのドリンクがいいのか?³⁾

市販ドリンクの組成(自分がよく飲むもののみPick Up)

プレゼンテーション1

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スポーツ飲料はその浸透圧により、
アイソトニックハイポトニックに区別されます。
体液(血漿)の浸透圧は
「285±5 mOsm/L ミリオスモル 」といわれているため、
それより高いアクエリアスやソルティライチ
アイソトニック飲料】
それより低いOS-1やVAAMウォーター
ハイポトニック飲料】に分類されます。

このアイソトニック、ハイポトニックの水分補給については管理栄養士ちさとさんのページでも紹介されているのでみてみてください。

 基本的には、運動中は脱水により体液の浸透圧は高くなっているため、水分が高浸透圧を薄めるように動くことを考えると、低浸透圧のハイポトニック飲料が適していると言えます。運動前に関しては、エネルギーの摂取も大切になってくるため、ソルティライチのような糖分多めの飲料が適していて、運動後アクエリアスのようなアイソトニック飲料が適しています。

 塩分濃度だけをみると、0.1~0.2%(Naとして100mLあたり40~80mg)をどれも満たしているので塩分摂取に関しては問題ありません。

ハイポトニックとアイソトニック、水を比べた試験³⁾

【対象】健康な男子大学生6名
【方法】運動負荷60%VO₂maxの強度で90分間 自転車エルゴメーター
使用する飲料:アイソトニック飲料(糖濃度6%、浸透圧317)、ハイポトニック飲料(糖濃度4.1%、浸透圧193)、水(イオン除去)
【比較】体重、飲水量、直腸温、心拍数、発汗量、血糖値、カテコールアミン濃度等

【結果】
有意差なし:発汗量、心拍数、直腸温

<体重>
アイソトニック飲料とハイポトニック飲料の方が純水に比べて優位に(p<0.05)低値を示した。(体重が減りづらかった)

体重の変化

<体重あたりの水分摂取量>
これは口当たりのよさ、のみやすさが関係してくる部分だと思いますが、90分間運動中の自由摂取により、ハイポトニック飲料の方が純水に比べて有意に(p<0.05)高値を示した。(ハイポの方がたくさん飲まれた)

水分摂取

<血糖値>
運動前、45分後、運動直後、30分後でみていますが、回復30分後で、アイソトニック飲料の血糖値が他の2種(ハイポトニック、水)に比べて高くなっています。

血糖値

<カテコールアミン濃度>
カテコールアミンとしては、ドパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンなどがありますが、運動によりその濃度は上昇することが知られています。
3種類の飲料による変化はみられていませんが、運動の影響として運動直後の方が有意に高くなっています(p<0.05)。

カテコールアミン

まとめると、次のようになると思います。
・水をのむよりもスポーツドリンクを飲んだ方が体重減少を防ぐことができ、飲みやすさではハイポトニック飲料が飲みやすいため運動中の水分摂取には適していて、アイソトニック飲料で糖濃度が高いものでは運動後の血糖高値につながるため運動中の摂取には適さないかもしれない。

さいごに

私は運動後に体重が2%以上落ちることがよくあります。今回の内容をもとに適切な水分摂取をしていきたいと思っています。

暑い夏を乗り切りましょう。

【 参考資料 】
1)medicina,57(8):1258,2020
2)宮川達, and 麻見直美. 2011. “運動時の水分補給に関する変遷ならびに日本における運動習慣のある若年成人の現状と課題.” 筑波大学体育科学系紀要 34: 17–25.
3)呉泰雄, 樋口満, 彼末一之, 村岡功, 坂本静男, 鈴木克彦, 光田博充, 仲立貴, and 張志勳. 2011. “運動中のハイポトニック飲料の自由摂取が体液および電解質バランスに及ぼす影響.” スポーツ科学研究 8: 144–54.
最後までお読み頂きありがとうございます。

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