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福岡に帰省した

小さい頃に福岡に引っ越してきて、学生時代の十数年を過ごしたのですが、近いうちに実家を明け渡すことになりました。私は社会人になるにあたり上京し家を離れてしまったため、自分の荷物を片付ける必要があり、今年は移動自粛の状況ではありましたが帰省することにしました。

1ヶ月前ぐらいに往復の航空券を購入したのですが、代金が去年の1/3ぐらいになっていて驚きました。普段とは違う夏だなあという感じがしました。

当日は夏季休暇をもらい、朝早くから浜松町に向かいました。羽田ゆきの東京モノレールは、意外にも空いている椅子がないくらい乗客がありました。道中、左の車窓を眺めると、電車が途中川の上の線路を走っていくので、水を切っているようで爽快でした。あと推しのバンドがこの夏ライブをする予定だったZepp Hanedaがある天空橋駅を通り過ぎて、得も言われぬ気分になりました。景色を眺めているうちに、あっという間に第一ターミナルに到着しました。

空港にある綺麗なカフェで朝ごはんを食べました。4枚切りぐらい分厚いトーストに、木のスプーンに乗っかったりんごと生姜のジャムを塗って食べたら、とてもリッチな気分になりました。

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東京のおみやげで有名らしい芋ようかんを買ってみようか迷ったけど、地元には美味しい甘い物がたくさんあるので、敢えて買わずにそのまま搭乗口まで向かいました。

飛行機に乗り込み、予定時刻に無事に離陸しました。この日は自分が飛行機に乗ってきた中でいちばん天気がよく、綺麗な雲と青い空を見ることができました。搭乗日の数日前から緊張するくらい飛行機に乗るのが苦手なのですが、こんなに良い景色を見られると、空の旅もいいなあ、と思いました。夏らしい積乱雲が綺麗に出ていました。

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飛行機の中は、飲み物の配布がストップしたり、みんながマスクを着けていたりして、普段と違う雰囲気でした。あらかじめダウンロードしていた動画をみながらうたた寝しつつ2時間ぐらい過ごすと、到着時刻が近づいてきました。
着陸直前の福岡空港は、まさしく街中の上空を走行するのでどきどきしますが、毎回無事に到着します。行きの航路はずっと天気がよく、ほとんど機体が揺れなかったので助かりました。


今年の夏の福岡空港はいつもより静かでした。そのまま歩いて地下鉄の駅に向かいました。福岡空港駅は数年前にリニューアルされ、元々駅へのアクセスは良かったのですが、さらに近くなっていて、おそるべしと思いました。

地下鉄に乗り込み、時間も早かったので、どこかへ散歩しようと考えました。一年ぶりの帰郷だったので懐かしくなり、学生の頃よく遊んだ博多バスターミナルのゲームセンターに行こうと思い立ち、博多駅で電車を降りました。

もともととんこつラーメンを食べるつもりだったのですが、ちょうど博多バスターミナルの地下階に牧のうどんがあるのを発見し、たまらず入ってしまいました。福岡のうどんを食べるときは、いつもごぼ天わかめうどんを食べます。麺がやわやわで(やわめで注文したのもあるけど通常でもやわらかい)つゆも出汁がおいしすぎる。福岡にはこのおいしさのうどんが食べられるお店が他にもたくさんあるので超すごい。量も多いのでお腹いっぱいになれます。

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UFOキャッチャーで負けてから、紀伊国屋書店を物色したあと、西鉄バスで天神へ向かいました。バスだと中洲の街を見渡しながら移動できるので楽しいです。何度も乗っているのですが、天神のバス停の位置がいまだに分からず、福岡天神駅へ行きたかったのに少し離れたバス停に降りてしまいました。少し観光するのも良いなと思い、ついでに散歩することにしました。

少し歩くとアクロス福岡につきました。屋内で涼んでから、隣の天神中央公園に出てみました。ビルは壁まで緑に覆われていて、気持ちいい景色でした。スプリンクラーが延々と水を撒いていたのが少しおもしろかったです。

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炎天下で暑すぎたので、アクロス福岡の中にある喫茶店に入り、アイスコーヒーを飲んで体が冷えた頃に散歩を再開しました。ちょうど、その頃みていた街歩き動画をみて行ってみたかったところが近くにあることに気づきました。

アクロス福岡と天神地下街をつなげる地下通路の、コンクリートの薄暗くひんやりした道を歩いているとベスト電器の入り口があるので、そこから上層階にあるメロンブックスに行きました。店内を物色して、万が一発見されても親にショックを与えなさそうな本だけ買いました。

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満足したのでビルを出て、西鉄福岡天神駅に向かいました。天神地下街のレンガ色を見ていると懐かしい感じがします。改札に向かって地下を歩いている途中、駅ビルのソラリアプラザがリニューアルされていてよりハイソになっているのを見つけました。あんなに綺麗でなんでもそろいそうなディーンアンドデルーカでご飯を買って帰れる大人がうらやましいです。

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駅に着き、数十分に1本の電車に乗りました。南に下るとベッドタウンがあるので、夕方ごろの電車はいつも混んでいます。窓から田んぼと川が見えてくると気持ちが落ち着いてきます。

電車を降り実家に帰りました。扉を開けてくれた母が元気そうで安心しました。近況報告をしながら、ほっともっとのチキン南蛮弁当を食べました。東京には店舗が少ないので、帰省した時に絶対に食べたかったのです。地元のほっともっとで食べるチキン南蛮弁当が、自分の中で最高においしいチキン南蛮です。

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両親も現在は別の場所に引っ越しているので、実家は冷蔵庫・洗濯機もなく、ネットもつながらない状態になっていました。普通に生活できるか不安でしたが、母が自動車でどこでも行き、用事を済ませてくれたおかげで無事に過ごすことができました。昼は荷物の仕分け・夜はワンセグでみるともなくテレビ番組を見て眠くなったら寝る、の生活は思いもよらず快適でした。

東京にいるといつもお酒を飲んでしまうのですが、実家にいるときはあまり飲みたいとは思いませんでした。地元にいると仕事や生活のストレスがないからなんだろうと思いました。

翌日、自分の部屋に残った大量の荷物を、朝から晩までかけて片付けていきました。本棚を棚卸しし、もう読まないだろう本を段ボール数箱につめて古本屋に持っていくと、1日分の給料ぐらいの現金が戻ってきました。学生の頃、天神のジュンク堂書店に行くたび興味の赴くままに本を買っては読んだり(読まなかったり)していてよかったと思いました。

片付けしているうちに、小さい頃にかいた漫画やら落書きが出てきて、こういうものの処分をどうしようと悩みましたが、結局取っておくことにしました。道具ではないので今後役に立つことはないと分かってはいたのですが、自分で作った形のあるものが少ないと、こういうものさえ貴重に思えてしまいます。小学生の頃の友達とやっていた交換漫画は一生捨てられない気がしました。

他にも大量のデジモンカードや記憶にないバンTなどが出てきて面白かったです。数日通しの作業で疲れたものの、楽しい大掃除となりました。

東京に戻る前日に荷物の片付けを終わらせて、当日は自由時間になりました。母が行きたいところに連れて行ってくれるというので、滝を見に行かせてもらいました。あまり舗装されていない石段を20分くらいのぼると大きな滝が見えました。見上げる高さから、迫力ある音を立てて滝が流れていて圧巻でした。空気も涼しくて気持ちよく、緑色が目に優しかったです。

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二年前、母と亡くなった祖母と、この滝を見に行こうとしたのですが、祖母は既に足が悪かったため、結局一緒に見ることはできませんでした。そのことを思い出していたら、隣で母が涙ぐんでいるのに気づき、この滝を見に行きたいと言ったことを少し後悔しました。

夕方に母といったん別れ、実家を出て再び福岡空港へ向かいました。時間に余裕があったので、リニューアルしたらしい空港の中を散歩しました。展望台が以前よりはるかに広々ときれいになっていて、福岡空港おそるべしと思いました。展望台のそばにビアガーデンがあり、店の前で悩みましたがぐっと堪えて諦めました。空がピンクみがかっていて、黄昏感がありよかったです。

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きれいで賑やかになったお買い物街で、お土産に梅の実ひじきを初めて買ったのが、めちゃくちゃおいしかったです。もっと早く知るべきだった。

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福岡から東京へ向かう夜の便はほぼ満席のように見えました。スカイマークオリジナルパッケージのキットカットとマスクをもらって、羽田空港に到着しました。

人けのないモノレールで、この数日間の出来事を反芻しながら帰り道を過ごし、帰宅したときには日付が変わる頃でした。お土産の梅の実ひじきと冷凍ごまさばを冷蔵庫に入れたところで、今年の夏の帰省は終わりました。気後れしながら帰省するのは今年までであってほしいと切に願います。

東京に憧れて数年前に上京してきましたが、別の土地で生活して初めて気づく福岡や九州の過ごしやすさに、徐々に地元に戻りたくなってきました。生活するなら「ごはんが安くておいしい」「自然が豊か」「街がきれい」これだなと思います。今のうちに地元のシニアマンションを予約したいと思うこの頃です。

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