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「認識のズレ」をどう扱うべきか - 歯科技工所の視点から

日常の臨床において、得意先や外注先、メーカー、歯材屋さんとの認識のズレを感じることはよくありますよね。私のラボでは現在、CADCAMのスキャナーのみを使用しているため、削り出しは外注しています。特にジルコニア冠については外注先によって適合にばらつきがあります。

機械加工なので誰が作っても同じだと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、外注先によってはあまり良くない適合で帰ってくることもあります。私は何度かそれを経験しました。それとは別に、非常に良い状態で帰ってくる外注先もあります。そういったところはたまたま良いものができたのではなく、常に良いものがコンスタントに来ると感じます。その逆もまた然りで、常にあまり良くないものが帰ってくることもあります。
(補綴物の適合には数値化された指標もありませんが…)

そこで認識のズレについてですが、特に初めて仕事を依頼した外注先であまり良くないものが返ってきた場合、問い合わせをして「これは良くありません」とお伝えしても、特に問題がないような感じで返事が返ってくることがあります。これは認識がズレていると考えた方が良いかもしれません。こちらでいくら説明をして期待しているものを伝えたとしても、認識がズレている以上、その説明はあまり建設的なものになりません。つまり、諦めるしかないと思います。

仮にその認識のズレが職場の従業員や得意先の先生であった場合には、少し労力と時間を使って認識のズレを埋め合わせることが必要かもしれません。しかし、初めて出す外注先とのコミュニケーションにそれほど多くの労力と時間を使う必要はないかと思われます。つまり、結論として認識のズレというのは、場合によっては埋める必要のないものであり、ある場合には丁寧に埋める必要があるものだと思います。そのように使い分けるようにしていこうと思います。



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