忘れ物は取りに戻りましょう 【第二十話】
思わず泉を見ると、彼女は逃げるように瞼を伏せた。そして続ける。
「あなたたち兄妹がかくれんぼをしようと話していたのが、おじいさまの家の庭だった。あの子はそこにいたの。だから誘われたと思って、大喜びで参加した。あなたに見つかりそうになって、とてもわくわくしたそうだよ」
「……つか、なんで霊に……」
「それは本人も覚えてないみたい。……でもあなたは倒れて、かくれんぼはお開きになった。あの子も幼いからわけがわからなくて、ただずっと待ってたの」
「ずっとって」
「あなたにとっては