N引き剥がしの儀

面白いことが思いつかなかったり、切符を買い間違えたり、無印良品にハンガーを買いに行っても目当ての形が売ってなかったりと、どうも上手くいかないなあという今日このごろ。

何かを変えた方がいいのかしれないという漠然とした思いはありつつも、何をどうすればいいやら見当もつかず新しく何かを始めるまでのモチベーションも湧かない。そんな感じで漫然と日々を過ごしてしまっていて、基本的にはそれでも平気なのだが、ふとしたときに自己嫌悪に襲われ気が滅入って何もしたくなってしまう。何もしない→自己嫌悪→気が滅入る→何もしない……の負のループにハマるのが一番よろしくないのでせめて何か行動しようと考え、中途半端に剥がれかけているニューバランスのスニーカーのN部分を一思いに剥がしてしまうことにした。治りかけの瘡蓋のように靴にくっついているNを引きちぎれば、多少は気も晴れるのではないかというわけだ。

右足内側の剥がれかけのNを指でつまみ、ゆっくりと引っ張る。かろうじて靴本体と繋がっている部分の縫製がプチプチと千切れていき、さらに力を入れるとプツンという手ごたえと共にNが外れた。が、残念ながらというか当然というか、これをやったからといって特に気が晴れることはなかった。Nが割れてしまい完全な形で取れなかったのもあるかもしれない。まるっと綺麗にNが取れれば、もう少し気持ちよかったかもしれないのだが。

ただ、今のところ特に後悔もないので、これはこれでよかったとは思っている。