いくぜ!免許更新
免許の更新に行った。会場までバスで向かったら、受付開始時間の5分前という素晴らしいタイミングで到着して嬉しかった。
ペーパードライバー故当然ゴールド免許なので、更新手続きは簡単なものである。違反を犯した者がやらされるという兎跳びや護摩行、ノートいっぱいに「安全運転」と繰り返し書くなどのペナルティは一切ない。視力検査と写真撮影を済ませると、最後に30分の講習を受けて終わりだ。
講習の内容は、「世界一座り心地の良くない椅子に座って映像を見る」というものだった。座りづらい椅子が用意されているのは何も会場側が手抜きをしたわけではない。快適な椅子に座るよりも座りづらい椅子に我慢して座った体験の方がより記憶に残るため、講習で得た知識もその記憶に紐付いて長く残るだろうという計算があるのだ。きっと。多分。恐らく。
おかげで僕も、車を運転する役の女性がやけに綺麗だったこと、路面電車の資料として以前旅行に行った松山の街が出てきたこと、夕暮れ時を意味する「薄暮時(はくぼじ)」という表現があること、事故を起こした際の罰則が回復魔法みたいな効果音と共に表示されたこと、などの事柄をしっかりと記憶に刻むことができた。座りづらい椅子様々である。ありがとう座りづらい椅子。おかげで有意義な時間になりました。
講習が終わると完成した免許証を受け取って手続きは終了である。もし両手で抱えるくらいのでっかい免許証を渡されたら「クイズ番組で優勝したんじゃないんだから!」と言おうと構えていたが、普通に通常サイズのものを手渡された。写真にお化けが写っていることも、住所が天下一品本店のものになっていることも、厚さが喫茶店の食パンくらいあることもない、何の問題もない免許証だった。
僕は出来立ての免許証を財布にしまい、免許センターを後にした。会場近くにあった渋くて雰囲気のいい喫茶店がなくなっていて、居抜きで苦手なノリのスパゲッティ屋が入っていたのが少し寂しかった。
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