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君は“基本の屁”をこいたことがあるか

トイレで小便をしていると屁が出た。書き出しとしては最低の部類だが事実なので仕方がない。小便していると屁が出たのだ。

その屁は、とても“基本的な屁”という感じがした。音の高い屁、低い屁、大きい屁、小さい屁、半濁音の屁、濁音の屁など、世の中には様々な屁があるが、その全ての屁の平均であり基準となるような屁だった。

出場者が順番に屁を披露していくコンテスト「屁-1グランプリ」があるとしたら、トップバッターを飾るのにふさわしい屁だった。優勝はできないだろうが、大会成功の影の立役者はあいつだと一部のマニアから評価される屁だ。

屁の音のみで名曲を奏でるグループ「ゴス屁ラーズ」のメンバーが演奏前に音を合わせる際、最初に鳴らすのに適した屁だった。ここの基準がブレると美しいハーモニーは生まれない。

操作音が屁の音になっていることがウリのスマートフォン「エクス屁リア」の“着信音1”みたいな屁だった。アラーム音に設定すると、毎朝聞くうちにだんだん嫌いになってしまうのだろう。

任天堂が『スーパーマリオ屁こきバトル』なるゲームを出したとしたら、何もアイテムを取っていない状態のマリオがこくような屁だった。ルイージの屁はもっと細いし、クッパの屁はもっとデカいだろう。ピーチ姫はスカす。

最近ちょっと気分が下がり気味だったが、「俺は“基本の屁”をこいたことがある。しかも小便中に」という自信を胸に、これからも胸を張って生きていこうと思った。

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