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絵を描いた休日

絵の展示をやるので絵を描いていた。描かないと展示するものがなくて困るのは自分だからだ。何も展示せずに「この何もない空間を見てあなたが感じたことこそが作品です」みたいなスタンスもあるのかもしれないが、それをやるにはカリスマ性が足りなすぎる。何か問題でも?みたいな顔をして堂々としていないとそんなやり口は成立しないのだ。だったら素直に絵を飾った方が絶対いい。

元々絵を描くのは好きなので、やり始めると集中して作業をすることができた。部屋の断熱性が終わっているので夏はエアコン全開でもかなり暑いのだが、それもあまり気にならない。絵を描き、アイスを食べ、絵を描き、アイスコーヒーを淹れ、絵を描き、小便をして、絵を描き、映画を流し見、絵を描いた。いい休日である。手を動かしているから無為に過ごしている感覚もなく精神的にも非常に健康的だ。

途中でうすだいだい色のポスカが必要になった。持っていないので買いに行くしかないのだが、暑い中外に出るのがとにかく億劫だ。なるべく近所で入手したいが、グーグルマップで調べてみても近くに文具店は見当たらない。部屋を借りるときに「文チカ(文具店近く)で」と言っていないので仕方ないが、それにしても街にはもうちょっと文具店があってもいいのではないか。パチンコ屋とドラッグストアとジムばかり増やしている場合か。「MORE BUNGU!」というプラカードを持って練り歩きたいくらいだ。

どうやら天神か博多まで出ないと買えないようだが、このクソ暑い中人の多いところに行くのは自殺行為なので、とりあえずもう少し日差しが落ち着いてから行こうと考え、一旦アイスを食べた。ブラックモンブランとミルクックの小さいサイズの詰め合わせがコンビニに売っていたので買っておいたのだが、ちょっと食べたいときにすごくいい。こういうのを待っていた。ブラックモンブランは表面のクランチを落とさずに食べるのは不可能と言われているが、もし「一粒でもクランチを落としたら死」みたいな状況に置かれた場合は、完全に溶けるのを待ってから袋を開けて口に流し込むといいと思う。そういうデスゲームに参加した際には参考にしていただきたい。

なんか夕方になっても暑いままなので、うすだいだい色のポスカは明日以降に買うことにした。得意の先送りである。未来の自分がやることが立て込んで苛つくかもしれないが知ったことじゃない。あいつはそれくらい苦労をした方がいいのだ。とりあえず今の僕は、晩ご飯のこととか考えようと思う。

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