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生き方スー

カフェの窓際の席に座っていると、高齢の女性が「ビタミンスー」でお馴染みの清涼飲料水「マッチ」を持ってゆっくり歩いているのが見えて、それがなんかよかった。あの自然界ではあり得ない発色の蛍光イエローの液体は主に部活終わりの中高生が持っていてしっくりくるもので、なかなか高齢の方が持ち歩いているのを見ることはない。その組み合わせの意外性に目を引かれ、自由に好きなものを選んでいる姿勢に勝手ながら好感を持ったのだ。

もちろん彼女に「年齢に関係なく好きなものを飲めばいいんや!」的メッセージを発信する意図はないだろう。だからこそ自然体でマッチを選んでいる姿勢が無理なくこちらに伝わってくるのである。「いくつになっても自分のスキに嘘をつかない!」みたいなメッセージを広告代理店的なやり方で押し出されると下手すると一気に興ざめしてしまうものだが、彼女にはそれがない。最も効果的なやり方で高齢化社会におけるよりよい生き方を啓蒙していると言っていいだろう。

もはや「ビタミンスー」どころではない。「生き方スー」なのである。

もう一度言おう。

「生き方スー」なのである。


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