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いつか愛せる日

粒がデカくて缶のケースに入ったちょっといいフリスクを買ってみた。口の中を湿らしたいときになかなかいいのだが、缶に入っているからかポケットに入れていると歩くたびに中身が跳ねてカチャカチャ音が鳴る。周りが静かだとけっこう目立つくらいの音で、夜道で前に歩いている人がいると嫌ではないかと心配になる。妖怪カチャカチャじじい的な認識をされてしまうかもしれない。とにかく何かと不便な代物なのだ。

今のところはただ「不便だな」と思っているが、なんとかこれを「この不便さがいいんじゃないか」と思えるようになりたい。そうなればこっちのものだ。不便さが魅力にひっくり返ったとき、その対象への愛は加速度的に深まる。僕はジッポライターやレコードを愛でるように、趣味人として缶フリスクを愛することができるはずなのだ。

ポケットに入れっぱなしだと空港の保安検査場で引っかかってしまうところも、きっと愛着へと変わるはずである。


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