世界もまた。(『成分表』上田信治)

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例えば空なら空に何かバカのような言葉を当ててみて、初めて、ああ、ここはこんな場所だったのかと、気づくようなことばかりだ。 

「成分表」上田信治

上田信治さんのエッセイ「成分表」の書籍化の知らせを聞いて喜んだ人は多いと思います。私もその一人です。俳句同人誌「里」、そしてWebサイト週刊俳句に掲載されたエッセイを集めたこの本。

極々私的な、あるいは個別の内容が、なぜか一種の普遍性を獲得する瞬間が、この世界には確かに存在していて、なかなか、普通に過ごしていると、そういった瞬間に出会うことには難しい(というか、気づかない、あるいは忘れてしまう)のですが、この本には上田さんが、“カラスのようにコツコツ集めた”、輝く瞬間が沢山詰まっています。

上田さんと知り合って久しいのですが、
成分表、という名前の由来って、ああそうだったのね、とか、今更。

章の一つ一つを、箱入りのチョコレートを食べるときのように、日々の合間に大事に読んでいます。

表紙はマヨネーズ。

※本書は著者からお送りいただきました。感謝いたします。

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